全顔の年齢感でHIFUとヒアルロン酸をどう組み合わせるか
全顔の年齢感に対して、ウルトラセルQ+で皮膚と皮下組織を引き締め、ボリューマ7ccで骨格の支えが減った部分を補った男性症例です。正面と右斜位から、男性らしい凹凸を残しながら、一昔前の自分へ近づける全顔設計を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2022年11月3日
- 実質更新日
- 2026年8月9日


Contents
目次
正面では、目周り・中顔面・下顎線を一つの流れで見る
この男性症例では、10歳若く見えることを目標に、ウルトラセルQ+とボリューマ7ccを組み合わせました。正面の施術後では、目の下から頬へ続く影、頬からほうれい線周辺の段差、口元から下顎線へ続く輪郭がなめらかに見えます。
全顔を整えるときは、こめかみ、目の下から頬、中顔面、口元、顎の支持を正面で順に確認します。HIFUは頬下部やフェイスラインのゆるみを引き締める範囲へ、ヒアルロン酸は骨格の支えが減って影になる部分へ配分し、男性らしい角度と凹凸を残します。
右斜位では、頬の投影と口元から顎への連続性を整える
右斜位の施術後では、目の下から頬へ移る面がつながり、頬の前方への支えが分かりやすくなっています。口角横から顎へ落ちる影も軽くなり、下顎線の連続性が見えやすくなりました。
斜位では、前頬の投影、頬骨下の影、ほうれい線周辺、口角横、顎先を一続きで見ます。丸みを足してすべての影を消すのではなく、支えを補う点を離して配置し、眉骨・頬骨・下顎の男性らしい骨格感を保つことが、この症例の7ccを全顔へ使う目的です。
HIFUが布地を整え、ヒアルロン酸が骨組みを支える
この組み合わせは、テントの布地と骨組みに置き換えると役割が分かります。布地にしわが残ったままポールだけを足しても面は整わず、布地へアイロンをかけるだけでもテントの高さは戻りません。
ウルトラセルQ+は皮膚と皮下組織のゆるみを引き締め、ボリューマは減った骨格支持を皮下または骨膜上深部から補います。引き締める面と支える点を分けることで、ヒアルロン酸だけで全顔をふくらませず、HIFUだけで容量の少ない部分をさらに細くすることも避けられます。
引き締める範囲を先に決め、残る支持不足へボリューマを配分する
最初に正面・左右斜位・側面で、HIFUを当てる頬下部とフェイスライン、容量を保つ前頬・こめかみを分けてマーキングします。HIFU後の輪郭を確認してから、なお残る目の下から頬の段差、口元の影、顎の支持不足へボリューマを配分します。
同日に行う場合はHIFUを先にして、注入後のボリューマへ超音波を重ねない順序にします。別日に分ける場合は、HIFU後の腫れと圧痛が落ち着いた時点で正面と斜位を撮り直し、必要なヒアルロン酸の位置と量を更新します。
引き締めと支持の補充を同日に組み合わせる順序として、超音波治療を注入前に行い、それぞれの局所反応が落ち着いたあとに結果を評価する手順が推奨されたとの報告がありました(参考文献2)。
一昔前の自分を目標に、正面と斜位で再評価する
男性の全顔治療では、頬を丸くして女性的な曲線へ寄せるのではなく、眉骨、頬骨、下顎の凛々しさを保ったまま、疲れて見える影と輪郭のゆるみを減らします。周囲に施術を感じさせないことと、一昔前の自分に近づくことを仕上がりの基準にします。
経過確認では、同じ照明、距離、表情の正面・左右斜位で、目の下から頬の連続性、ほうれい線周辺、口角横、下顎線を比べます。触診ではHIFU後の圧痛としびれ、注入部の硬さと腫れを確認し、全顔の輪郭が落ち着いてから微調整の要否を決めます。
HIFU後に写真、本人が感じる変化、痛みを分けて再評価する理由として、改善ありは医師評価89%、患者評価84%、満足した割合84%で、施術時の平均疼痛は10点中4.85だったとの報告がありました(参考文献1)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 正面・左右斜位・側面で、こめかみ、目の下から頬、中顔面、口角横、顎の支持と、頬下部・フェイスラインのゆるみを一枚の設計図へ記録します。
- 皮膚と皮下組織のゆるみが全顔の輪郭を曖昧にしている部分へHIFUを行い、前頬やこめかみなど容量を残す部分は照射範囲から外します。
- 引き締め後にも残る骨格支持の不足へボリューマを配分し、7ccを線へ均等に入れるのではなく、目の下から頬、口元、顎へ続く面が自然につながる支点を作ります。
- 経過時は男性らしい眉骨・頬骨・下顎の凹凸、左右差、表情時の輪郭、HIFU後の知覚、注入部の血流と硬さを確認し、必要な部位だけを微調整します。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| HIFU(症例はウルトラセルQ+、現在はZi) | 頬下部・口元・フェイスラインの皮膚と皮下組織のゆるみ | こめかみ・前頬など容量不足が強い部位、重度の皮膚余剰、治療部位の感染・強い皮膚炎 | オーダーメイドHIFUは1回後に正面・斜位で再評価 | 赤み、熱感、腫れ、むくみ、圧痛、乾燥、内出血。まれに熱傷、しびれ、神経症状、脂肪萎縮 | 現在のウルトラセルZi 全顔+首・医師施術1回128,000円 | 現在のウルトラセルZiは国内未承認医療機器 |
| ボリューマXC | 成人の中顔面・下顎部・こめかみで減少したボリュームを皮下・骨膜上深部から補う場合 | 皮膚のゆるみや脂肪量が主因の部位、炎症・感染部位、容量を足すと輪郭が重くなる部位 | 通常1回。腫れが落ち着いてから支持と左右差を再評価 | 痛み、腫れ、内出血、硬結、しこり、感染。まれに血管閉塞、皮膚壊死、視力障害、失明、脳卒中 | 1本1cc 77,000円。症例と同じ7ccの製剤代は539,000円 | 国内承認品・承認番号22800BZX00338000。承認部位・注入層以外は適応外 |
| HIFU+ボリューマ | 皮膚・皮下組織のゆるみと骨格支持の不足が全顔で重なる状態 | 引き締めだけ、またはボリューム補充だけで目標へ届く状態、同日に両治療の負担を重ねたくない場合 | HIFUを先行し、残る支持不足へ同日または別日に注入。落ち着いてから全顔を再評価 | HIFUの熱感・圧痛と、注入の腫れ・内出血が重なることがある | HIFU全顔+首128,000円+ボリューマ1cc 77,000円。使用量と部位別費用で総額が決まる | 各機器・製剤の承認状況と使用範囲を個別に開示 |
費用の目安
- オーダーメイドHIFU 全顔+首・医師施術:1回128,000円
- ヒアルロン酸:1本1cc 77,000円
- 症例と同じ7ccの製剤代:539,000円。使用部位により針・施術料が加わる場合があります
自由診療・税込。症例は旧機種ウルトラセルQ+とボリューマ7ccを使用したものです。掲載料金は2026年8月8日の当院料金表を基準にしています。
リスク・副作用・注意点
- HIFU:赤み、熱感、腫れ、むくみ、圧痛、乾燥、内出血。まれに熱傷、水疱、しびれ、知覚変化、神経症状、脂肪萎縮、色素沈着
- ヒアルロン酸:痛み、赤み、腫れ、圧痛、内出血、硬結、しこり、感染、左右差、アレルギー。まれに血管閉塞、皮膚障害・壊死、視力障害、失明、脳卒中
- 強い痛み、皮膚の白色・紫色変化、網目状の変色、見え方の異常、HIFU後の水疱やしびれの悪化がある場合は、すぐに当院へご連絡ください。
- 国内承認・適応: 症例は旧機種ウルトラセルQ+を使用しています。現在当院で使用するウルトラセルZiは国内未承認医療機器で、Jeisys Medical Inc.から医師が個人輸入し、韓国MFDSの承認を取得しています。未承認医療機器による健康被害は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。ジュビダームビスタ ボリューマXCは国内承認品(22800BZX00338000)で、成人の中顔面・下顎部・こめかみの減少したボリュームを増大する目的で皮下・骨膜上深部へ使用します。承認部位・注入層以外は適応外使用です。
HIFUを注入後のボリューマへ重ねない順序とし、同日に組み合わせる場合は両治療の局所反応を一緒に確認します。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Microfocused Ultrasound With Visualization (MFU-V) Effectiveness and Safety: A Systematic Review and Meta-Analysis
研究デザイン: 2023年までに公表された42研究を採用したMFU-Vのシステマティックレビュー・メタ解析。対照試験2件、観察研究9件、前後比較31件を含む / 対象: 医師による全般改善評価411人、患者評価312人、満足度326人、疼痛785人を統合。男女の顔・首のほか身体部位も含み、研究ごとに背景と照射条件が異なる / 結果: 改善ありは医師評価89%、患者評価84%、満足した割合84%、平均疼痛は10点中4.85だった。主な有害事象は軽度から中等度の紅斑、浮腫、腫れ、内出血、圧痛だった。 / 限界: 多くが対照のない前後比較で、参加者背景、照射条件、評価尺度が不均一です。医師評価と満足度には出版バイアスが示され、MFU-Vとボリューマ7ccの併用、男性の全顔症例、ウルトラセルQ+・Zi固有の結果を検証した研究ではありません。Merz North Americaの研究費と複数著者の企業関係が開示されています。原著全文を2026年8月8日に再確認しました。
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PAN-ASIAN CONSENSUS—Key Recommendations for Adapting the World Congress of Dermatology Consensus on Combination Treatment with Injectable Fillers, Toxins, and Ultrasound Devices in Asian Patients
研究デザイン: アジア人へのHAフィラー、ボツリヌストキシン、CaHA、MFU-Vの部位別・併用順序を、専門家投票で作成したコンセンサス / 対象: アジア各地域で治療経験を持つ専門医11人。70〜90%の賛同を中等度、90%以上を強い合意、100%を完全合意と定義した / 結果: 同日に複数の治療を組み合わせる場合はMFU-Vを注入前に行い、各施術後に局所反応が落ち着く適切な時間を置いて結果を評価することが推奨された。 / 限界: 患者を比較した臨床試験ではなく専門家合意で、患者アウトカムの効果量、HIFUとボリューマ7ccの最適な間隔、男性の全顔配分を示しません。複数著者にMerz、Allergan、Galderma等との講演・助言・研究関係が開示されています。原著全文を2026年8月8日に再確認しました。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. この症例では何を何回行いましたか?
男性の全顔にウルトラセルQ+でHIFUを行い、ジュビダームビスタ ボリューマXCを合計7cc使用した正面・右斜位の治療前後です。10歳若く見えることを目標に、男性らしい凹凸を保ちながら、一昔前の自分へ近づけるように整えました。
Q. 全顔ではHIFUとヒアルロン酸をどのように分けますか?
HIFUは頬下部やフェイスラインなど皮膚・皮下組織のゆるみを引き締める範囲へ行います。ヒアルロン酸は、引き締め後にも残る目の下から頬の段差、口元の影、顎など骨格支持の不足へ配分します。
Q. なぜHIFUを先に行うのですか?
先に皮膚と皮下組織を引き締めると、残る影が支持不足によるものかを正面と斜位で再評価できます。同日に行う場合もHIFUを先にして、注入後のボリューマへ超音波を重ねない順序にします。
Q. ヒアルロン酸7ccは多すぎませんか?
7ccは全顔の合計量です。1本を一つの線へ入れる考え方ではなく、正面と斜位で必要な支点へ配分し、眉骨・頬骨・下顎の男性らしい凹凸を残します。必要量は顔の大きさ、支持不足の部位、過去の注入歴で変わり、この症例の量が一律の目安になるわけではありません。
Q. 現在の費用、主なリスク、承認状況を教えてください。
現在のウルトラセルZiによる全顔+首のHIFUは医師施術1回128,000円、ボリューマは1cc 77,000円で、7ccの製剤代は539,000円です。HIFUには赤み、腫れ、圧痛、まれに熱傷・しびれ・神経症状、注入には腫れ、内出血、硬結、まれに血管閉塞・皮膚壊死・視覚障害があります。現在のウルトラセルZiは国内未承認、ボリューマXCは国内承認品です。
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