二重切開5日後の経過で確認すること
他院で埋没法の二重ラインが3回外れた後、埋没糸抜去と瞼板前組織の処理を伴う二重切開を行った症例です。術後5日には大きな腫れが引き、外側には腫れによるラインの乱れが残っています。開眼・閉瞼・抜糸後の生活で確認する点を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2022年8月10日
- 実質更新日
- 2026年8月9日


Contents
目次
開眼では、5日後の二重線と残る腫れを見ます
正面の開眼比較は上段が術前、下段が術後5日です。他院の埋没法で作った二重ラインが3回とも外れた経過から切開法を選びました。5日後には大きな腫れが引き、二重線が左右とも見えやすくなっています。
外側はまだ腫れの影響で二重線に乱れが残っています。内側・中央・外側の線、まつ毛の向き、黒目の見え方、眉の位置を左右で比べ、約1ヶ月までの変化を追います。
5日後の外側の二重幅を完成値としない理由として、眼瞼手術後の浮腫は時間とともに有意に減少し、術後5日にも浮腫と内出血が残る例があったとの報告がありました(参考文献1)。
閉瞼では、切開線の赤みと創縁を確認します
閉瞼比較も上段が術前、下段が術後5日です。5日後は切開線に淡い赤みがあり、外側の線には腫れによる段差が残っています。目を閉じた状態で、切開線が内側から外側までつながっているか、創縁が開いていないかを見ます。
本症例では、本人が予想より腫れが少ないと感じ、抜糸後すぐに買い物へ出かけられました。抜糸後は、出血が止まり、創縁が合い、まぶたを開閉でき、見え方に変化がないことを確認して生活を戻します。
抜糸前後に創縁と血腫を確認する理由として、上眼瞼手術後に創離開6.3%、目に見える血腫7.4%がみられた一方、創感染は0件だったとの報告がありました(参考文献2)。
開閉眼の動きで、二重線と閉じ方を続けて見ます
開閉眼の連続記録では、術前と術後5日の開眼・閉瞼を交互に比べています。5日後は、目を開けたときの二重線の連続性と、目を閉じたときの切開線・閉じ方を同じ動きの中で確認できます。
診察では、瞬きをしたときの違和感、閉じにくさ、乾燥感、異物感、角膜の痛みも聞き取ります。二重幅だけでなく、まぶたを閉じて眼表面を守れることまでを術後評価に含めます。
開閉眼とともに乾燥感を確認する理由として、上眼瞼手術後は1ヶ月と6ヶ月でドライアイ症状と角結膜染色が増え、涙液層破壊時間が短くなったとの報告がありました(参考文献3)。
術直後・5日後・1ヶ月後を同じ症例で追います
この手術では、残っていた埋没糸を抜去し、分厚い瞼板前組織を処理しています。1ヶ月後の経過では少量の余剰皮膚を切除したことも記載されており、術直後はこれらの処置に伴う腫れが二重幅へ重なっていました。
5日後には大きな腫れが引き、抜糸後に外出できるまで回復しました。一方、外側の二重線には腫れの影響が残るため、直後から5日後への減り方を確認し、1ヶ月後に二重線、左右差、開閉眼、切開線をもう一度見直します。
5日後の通常経過と、すぐ診察する症状を分けます
5日後は、腫れ、内出血、切開線の赤み、外側の二重線の乱れが日ごとに減っているかを確認します。赤み・熱感・痛み・腫れが増える、膿性の分泌が出る、創縁が開く、出血が続く場合は、感染・創離開・血腫を確認します。
急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視は、通常のダウンタイムとして待たず、直ちに評価します。
急な眼窩痛と視機能変化を緊急対応へ分ける理由として、眼窩内出血は約0.055%、永久的な視力喪失を伴うものは訂正後約0.0045%で、多くは術後3時間以内でしたが数日後にも起こり得るとの報告がありました(参考文献4)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 術後5日の開眼では、内側・中央・外側の二重線、まつ毛の向き、黒目の見え方、眉位置を術前・術直後と照合します。
- 閉瞼では切開線の赤み、創縁の連続、熱感、圧痛、滲出液を見て、抜糸後も創が安定しているかを確認します。
- 本症例は埋没糸抜去と瞼板前組織の処理を伴うため、5日後に残る外側の乱れは腫れの変化を追い、1ヶ月後の同じ開眼・閉瞼で二重線を再評価します。
- 生活を戻す時期は創部、開閉眼、見え方を基準にし、急速な片側腫脹、強い眼窩痛、眼球突出、視機能変化、感染所見は予定を待たず診察します。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 埋没糸抜去と瞼板前組織処理を伴う二重切開 | 埋没法の二重線が3回外れ、残った糸と瞼板前組織の厚みを直接処理する必要がある状態 | 希望する二重線が定まっていない、切開後の回復期間を確保できない、活動性感染がある状態 | 通常1回。本症例は術直後、5日後、1ヶ月後へ経過を追跡 | 腫れ、内出血、赤み、傷あと、左右差、二重線の乱れ。約2週間〜1ヶ月を目安に変化 | 切開法(両目)275,000円(税込) | 美容目的の自由診療手術 |
| 術後5日・抜糸後の診察 | 大きな腫れが減り、切開線、創縁、外側の二重線、開閉眼を確認する時期 | 赤み・熱感・痛み・腫れが増える、膿性分泌、創の開き、出血の持続、視機能変化がある状態 | 術後5日前後。本症例は抜糸後に生活再開を評価 | 診察自体のダウンタイムはなし。腫れ・赤み・二重線はその後も変化 | 術後診察・処置は手術契約と実施内容により異なる | 経過観察と創部管理は医薬品・医療機器の承認対象ではない |
| 血腫・感染・視機能異常の緊急評価 | 急な眼窩痛、急速な片側腫脹、眼球突出、視力・視野変化、複視、止まりにくい出血、感染所見 | 通常の腫れと自己判断して予定の再診まで待つこと | 症状が出た時点で直ちに評価 | 診断と必要な処置により異なる | 診療区分と緊急処置内容により異なる | 診断・処置に用いる薬剤・機器ごとに承認範囲が異なる |
費用の目安
- 現行料金:切開法(両目)275,000円(税込・自由診療)
- 術後診察・追加処置:手術契約と実施内容により異なる
2026年8月9日に現行総合料金表を確認しました。美容目的の二重切開は自由診療です。
リスク・副作用・注意点
- 痛み、赤み、腫れ、内出血、出血、血腫、感染、創離開、傷あと、左右差、二重線の移動・消失・多重線、希望幅との差
- まぶたの開閉しにくさ、閉瞼不全、ドライアイ、異物感、角膜障害など
- まれに眼窩内出血、眼球突出、複視、視力・視野障害など、緊急処置を要する合併症
- 国内承認・適応: 二重切開は手術手技で、美容目的は自由診療です。使用する薬剤・材料・医療機器の承認範囲は、実際の手術内容に応じて説明します。
赤み・熱感・痛み・腫れの増加、膿性分泌、創離開、止まりにくい出血、急な眼窩痛、眼球突出、視力・視野変化、複視がある場合は直ちにご連絡ください。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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The Efficacy of Magnesium Sulfate (MgSO4) Wet Dressing in Reducing Eyelid Swelling and Bruising after Blepharoplasty: A Randomized, Controlled, and Observer-Blinded Assessment Study
研究デザイン: 両側眼瞼手術後、一側を50%硫酸マグネシウム湿布、反対側を冷却に割り付け、術後1日と5日の浮腫・内出血を盲検評価した左右比較無作為化試験。 / 対象: 健康な成人58人。上眼瞼、下眼瞼、上下同時手術が含まれる。抄録と本文表で男女内訳・術式内訳に不一致がある。 / 結果: 浮腫は時間とともに有意に減少した。術後5日の浮腫スコアは湿布側0.33、冷却側1.21で、内出血は湿布側12/58、冷却側27/58だった。図示症例では5日目にも浮腫スコア1〜2や内出血が残った。 / 限界: 湿布と冷却の比較試験で、無処置群がない。上・下眼瞼の複数術式が混在し、埋没糸抜去・瞼板前組織処理を伴う本症例の全切開法や自然経過を直接示さない。評価は術後1日と5日に限られ、約1ヶ月の二重線を予測できない。抄録と本文表の対象内訳に不一致がある。2026年8月9日にPMC原著全文とPubMed XMLを確認した。 / 利益相反: 著者らは利益相反なしと申告。
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Aseptic surgical preparation for upper eyelid blepharoplasty via full-face octenidine antiseptic without antibiotic medication shows effective prophylaxis against post-surgical wound infection
研究デザイン: 単施設で上眼瞼形成術後の創離開、血腫、感染を調べた後ろ向きサーベイランス研究。全例で術前にオクテニジン消毒を行い、術後6日に抜糸した。 / 対象: 上眼瞼形成術を受けた352人、699眼。年齢中央値58.3歳で、21人の術者が担当した。 / 結果: 創離開は22/352人(6.3%)、目に見える血腫は26/352人(7.4%)で、創感染は0件だった。創離開22人のうち8人は再縫合を受け、血腫26人のうち1人は手術的除去を要した。 / 限界: 高年齢層の余剰皮膚に対する上眼瞼形成と特定の消毒法を評価した単施設後ろ向き研究で、比較群がない。本症例の二重切開、埋没糸抜去、瞼板前組織処理、術後5日の外出可否を直接示さない。感染0件を一般的な感染率へ置き換えられない。2026年8月9日にPubMed抄録・XMLとPMC掲載結果を確認した。 / 利益相反: PubMed抄録・XMLに利益相反の記載がなく、PMC全文の利益相反欄を取得できなかったため不明。
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Effect of upper eyelid blepharoplasty on the ocular surface, tear film, and corneal microstructure
研究デザイン: 皮膚と眼輪筋の一部を切除する上眼瞼形成の術前後を比較した単施設前向き研究。 / 対象: 22人22眼を術前、術後1ヶ月、6ヶ月に評価。21人が女性、平均61歳。 / 結果: 術後1ヶ月と6ヶ月でドライアイ症状スコアと角膜フルオレセイン・リサミングリーン染色が増え、涙液層破壊時間が短縮した。シルマー試験と角膜共焦点顕微鏡所見には有意な変化がなかった。 / 限界: 22眼、単一術者、対照群なしの研究で、高年齢層の皮膚・眼輪筋切除を伴う上眼瞼形成が対象。本症例の二重切開、埋没糸抜去、瞼板前組織処理や術後5日の症状頻度を示さない。 / 利益相反: 外部資金なし。著者らは開示すべき利益相反なしと申告。
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Incidence of Postblepharoplasty Orbital Hemorrhage and Associated Visual Loss
研究デザイン: 米国眼形成再建外科学会会員への質問票による回顧的調査。出血の発症時期、治療、視力喪失を集計した。 / 対象: 237人の回答医師が経験した眼瞼美容手術269,433件。眼窩内出血149件、一時的視力喪失48件、永久的視力喪失12件。 / 結果: 眼窩内出血は約0.055%、永久的視力喪失を伴う出血は訂正後約0.0045%。多くは術後0〜3時間に起き、24時間後にリスクは低下したが数日後にも発症した。 / 限界: 医師の記憶に基づく質問票で想起バイアスがある。上・下眼瞼、術式、併用手技が混在し、本症例の二重切開法だけの発生率ではない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にPubMed抄録・XML、訂正文、書誌情報を確認した。 / 利益相反: PubMed抄録・XMLに資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。
よくあるご質問
Q. この症例で二重切開を選んだ理由は何ですか?
他院の埋没法で作った二重ラインが3回とも外れ、残った埋没糸と分厚い瞼板前組織を直接処理する必要があったためです。
Q. 術後5日に外側の二重線が乱れていても経過を見ますか?
本症例では大きな腫れは引いていますが、外側には腫れによるラインの乱れが残っています。5日後の幅を完成値とせず、内側から外側までの線と左右差を約1ヶ月まで追います。
Q. 抜糸後すぐに外出できますか?
本症例では抜糸後すぐに買い物へ出かけられました。出血が止まり、創縁が合い、まぶたを開閉でき、見え方に変化がないことを確認して生活を戻します。
Q. 術後5日にすぐ連絡した方がよい症状はありますか?
赤み・熱感・痛み・腫れが増える、膿性の分泌、創の開き、止まりにくい出血、急な眼窩痛、眼球突出、視力・視野変化、複視がある場合は直ちにご連絡ください。
Q. 二重切開の現在の料金はいくらですか?
現行料金は切開法(両目)275,000円(税込・自由診療)です。追加処置を行う場合の費用は、その手術内容に応じて別途となります。
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