クマとり手術直後にもっこりの変化を見るポイント
CO2レーザーによるクマとり結膜法の術前と術直後を、正面と両斜位で比べた症例です。手術は1時間弱で、直後には手術操作の赤みがある一方、目の下のもっこりは減っています。術後1日の固定、1週間の生活制限、その後に涙溝・ゴルゴラインを見直す流れを解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2022年5月22日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
正面と両斜位で、術直後のもっこりの変化を見ます
6分割の比較は、左列が術前、右列が術直後で、上から一方向の斜位、正面、反対方向の斜位です。右列では手術操作による赤みがある一方、目の下の前方へのもっこりは減っています。
施術はCO2レーザーを用いたクマとり結膜法で、手術時間は1時間弱でした。術直後は輪郭の変化だけでなく、結膜の赤み、腫れ、下眼瞼の位置、左右差、目の動きと見え方を一緒に確認します。
CO2レーザー後も結膜と皮膚側を同じ項目で追う理由として、CO2レーザーではモノポーラ電気手術より術中の熱感と術後の結膜浮腫が少ない一方、術後内出血、結膜炎、審美的満足度には差がなく、モノポーラ群の3人に結膜肉芽腫が生じたとの報告がありました(参考文献1)。
術後1日と1週間のケアを分けます
術後は点眼液と内服薬を使用し、1日クーリングとテーピングを行います。コンタクトレンズの使用と目を激しくこする行為は1週間控えます。
術後数日は創部から少量の出血がみられることがあり、内出血が出ると1週間程度は頬が黄色く見える場合があります。内出血を伴う腫れは1ヶ月程度続くことがあります。
術後反応が軽くなるまで経過を追う理由として、腫れ・内出血・結膜浮腫は多くが1〜2週間で改善し、異物感は48〜72時間で治まったとの報告がありました(参考文献2)。
もっこりが減った後に、涙溝とゴルゴラインを見直します
眼窩脂肪の膨らみを減らす手術は、涙溝やゴルゴラインの凹みを補う治療ではありません。膨らみが減った後も凹みによる影が目立つ場合は、追加の注入治療を検討します。
追加治療の材料、量、注入部位、実施時期は本症例の資料に記載されていません。まず腫れと内出血が落ち着いた状態で、正面と両側の斜位から残る凹みの位置を確かめます。
経過後に涙溝と下眼瞼位置を見直す理由として、脂肪の切除不足は外科医評価で4.9%、涙溝変形は9.7%、下眼瞼後退は1.2%で、患者満足度は100点換算で平均92.8点だったとの報告がありました(参考文献3)。
通常の赤み・内出血と、緊急症状を分けます
予定の再診では、赤み、腫れ、内出血、軽度の凹凸、下眼瞼の位置、左右差が時間とともに改善しているかを見ます。軽度の下眼瞼外反や凹凸が残る場合も経過を記録します。
急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視、止まりにくい出血がある場合は、予定の再診を待たず直ちにご連絡ください。
これらを緊急対応へ分ける根拠として、眼窩内出血は約0.055%、永久的な視力喪失を伴うものは訂正後約0.0045%で、多くは術後3時間以内でしたが数日後にも起こり得るとの報告がありました(参考文献4)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 術前は正面と両側の斜位で、眼窩脂肪のもっこり、涙溝・ゴルゴラインの凹み、下眼瞼の位置、左右差を別々に記録します。
- 術直後は手術操作による赤みを前提に、膨らみが減った位置と、眼球突出・目の動き・視機能に異常がないことを確認します。
- 術後1日は冷却とテーピング、1週間はコンタクトレンズと強い擦過を控え、少量出血・内出血・腫れが日ごとに軽くなるかを追います。
- 腫れが落ち着いた後に涙溝・ゴルゴラインの影が残れば、その位置を基準に追加の注入治療の必要性を考えます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| CO2レーザーを用いたクマとり結膜法 | 眼窩脂肪の突出が目の下のもっこりと影の中心で、皮膚切除を必要としない状態 | 涙溝・ゴルゴライン、色調、皮膚のゆるみだけが見え方の中心で、脂肪突出が乏しい状態 | 通常1回。本症例は手術時間1時間弱で、術直後から経過を確認 | 少量出血は数日、内出血は約1週間。内出血を伴う腫れは約1ヶ月続くことがある | 経結膜脱脂術 189,000円(税込) | 手術手技。使用したCO2レーザーの機種と承認範囲は元素材に記載なし |
| 術直後からの経過観察 | 赤み・腫れ・少量出血が日ごとに改善し、眼球突出や視機能変化がない状態 | 急な眼窩痛、急速な片側腫脹、眼球突出、視力・視野変化、複視、止まりにくい出血がある状態 | 術直後に確認し指定日に再診。異常症状は予定を待たず評価 | 1日のクーリングとテーピング、コンタクトレンズと強い擦過は1週間休止 | 術後診察・処置は手術契約と実施内容による | 経過観察自体は医薬品・医療機器の承認対象ではない |
| 経過後の追加注入 | 膨らみが減った後も涙溝・ゴルゴラインの凹みが影として残る状態 | 脱脂だけで輪郭が整った状態、腫れ・出血が残る術直後、使用材料が未確認の状態 | 腫れが落ち着いた後に方法と範囲を決定 | 選ぶ材料・方法により腫れ、内出血、左右差、凹凸、しこり、感染、血管障害など | 注入材料・使用量・部位により別途 | 本症例では材料・使用部位が未記載。製剤・材料・注入部位ごとに承認範囲が異なる |
費用の目安
- 現行料金:経結膜脱脂術 189,000円(税込)
- 涙溝・ゴルゴラインへ後日注入治療を追加する場合:材料・使用量・部位により別途
目の下のもっこりを整える美容目的の経結膜脱脂は自由診療です。
リスク・副作用・注意点
- 経結膜切除:痛み、赤み、腫れ、内出血、血腫、感染、左右差、脂肪の残存・取りすぎによる凹み、軽度の下眼瞼外反、軽度の凹凸残存
- 結膜浮腫、結膜充血、異物感、流涙、ドライアイ、閉瞼不全、複視
- まれに眼窩内出血、眼球突出、視力・視野障害など、緊急処置を要する合併症
- 注入治療を追加する場合:使用材料・方法に応じて腫れ、内出血、左右差、凹凸、しこり、感染、血管障害など
- 国内承認・適応: 経結膜切除は手術手技です。原資料はCO2レーザーによるクマとり結膜法と記載していますが、使用機種・承認番号・承認された使用目的は記載されていません。後日に注入治療を行う場合も、本症例では材料・製剤・注入部位が未記載です。承認範囲は使用する製品と部位ごとに異なり、承認範囲外使用では医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視、止まりにくい出血がある場合は直ちにご連絡ください。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
-
Carbon Dioxide Laser Transconjunctival Lower Blepharoplasty: An Objective and Quantitative Comparison to Monopolar Electrosurgery
研究デザイン: 経結膜的下眼瞼形成術でCO2レーザーとモノポーラ電気手術を比較した無作為化比較試験。 / 対象: 2018年8月から2021年3月に経結膜的下眼瞼形成術を受けた78人。年齢、性別、局所麻酔量、脂肪切除量は両群で差がなかった。 / 結果: CO2レーザー群は術中の熱感と術後結膜浮腫が少なかった。術後内出血、結膜炎、審美的満足度には差がなく、モノポーラ群の3人(7.89%)に結膜肉芽腫が生じた。 / 限界: CO2レーザーとモノポーラ電気手術だけの比較で、冷刃メスやバイポーラとの直接比較ではない。PubMed抄録では機器設定、割付隠蔽、追跡期間の詳細を確認できず、本症例の赤み・腫れを予測する資料ではない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にPubMed抄録・XMLと書誌情報を再確認した。 / 利益相反: PubMed抄録・XMLに資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。
-
Exploring the Versatility of Transconjunctival Blepharoplasty: A Retrospective Single-Center Study
研究デザイン: 北インドの単一私立病院で行った経結膜的・後隔膜法下眼瞼形成術の後ろ向き観察研究。術後1、2、3、6、12週に追跡。 / 対象: 20〜76歳の88人(男性28人、女性60人)。31人に皮膚切除、19人に外眼角形成・固定、87人に脂肪移植を併用。 / 結果: 全例に腫れ、内出血、何らかの結膜浮腫があり、多くは1〜2週間で改善。14人(15.73%)の異物感は48〜72時間で消失した。 / 限界: 単施設・後ろ向きで比較群がなく、ほぼ全例に脂肪移植などの併用手技がある。本症例の固定期間やコンタクトレンズ休止期間を検証した研究ではない。PMC原著全文とPubMed XMLを2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: 著者は関連する金銭的関係とその他の影響し得る関係なしと申告。第三者英文校正を受けたと記載。
-
Transconjunctival Lower Blepharoplasty: A 2-Sided Assessment of Results and Subjects' Satisfaction
研究デザイン: 単一眼形成外科医が行った経結膜的下眼瞼形成術の診療録と術前後写真を用い、外科医評価と患者評価を比較した後ろ向き横断研究。 / 対象: 6か月以上追跡できた164人(女性133人)。平均年齢50.7歳、平均追跡22.8か月。 / 結果: 外科医評価では脂肪の切除不足4.9%、涙溝変形9.7%、下眼瞼後退1.2%。患者評価では順に3.7%、0.6%、1.2%で、満足度は100点換算で平均92.8点だった。 / 限界: 単施設・単一術者の後ろ向き研究で、術式の詳細や併用手技が本症例と同一ではない。再手術例と追跡6か月未満を除外しており、CO2レーザーの効果、術直後の赤み・腫れ、追加注入の材料・時期を示さない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にPubMed抄録・XMLと書誌情報を再確認した。 / 利益相反: PubMed抄録・XMLに資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。
-
Incidence of Postblepharoplasty Orbital Hemorrhage and Associated Visual Loss
研究デザイン: 米国眼形成再建外科学会会員への質問票による回顧的調査。出血の発症時期、治療、視力喪失を集計。 / 対象: 237人の回答医師が経験した眼瞼美容手術269,433件。眼窩内出血149件、一時的視力喪失48件、永久的視力喪失12件。 / 結果: 眼窩内出血は約0.055%、永久的視力喪失を伴う出血は訂正後約0.0045%。多くは術後0〜3時間に起き、24時間後にリスクは低下したが数日後にも発症した。 / 限界: 医師の記憶に基づく質問票で想起バイアスがある。上・下眼瞼、術式、切開器具が混在し、CO2レーザーによる経結膜切除だけの発生率ではない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にPubMed抄録・XML、訂正文、書誌情報を再確認した。 / 利益相反: PubMed抄録・XMLに資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。
よくあるご質問
Q. この症例では、どの手術を行いましたか?
CO2レーザーを用いたクマとり結膜法です。手術時間は1時間弱で、術前と術直後を正面・両斜位で比べています。
Q. 術直後の赤みがあっても、もっこりの変化は分かりますか?
本症例では手術操作による赤みがある一方、正面と両斜位で目の下のもっこりが減った状態を確認できます。その後の腫れと左右差は経過を追って見直します。
Q. 術後の冷却、テーピング、コンタクトレンズはどうしますか?
本症例の案内では、1日クーリングとテーピングを行い、コンタクトレンズの使用と目を激しくこする行為は1週間控えます。点眼液と内服薬も使用します。
Q. 涙溝やゴルゴラインが残った場合はどうしますか?
膨らみが減った後も凹みによる影が目立つ場合は、追加の注入治療を検討します。本症例では材料、量、注入部位、実施時期は記載されていません。
Q. 術後にすぐ連絡が必要なのはどのような症状ですか?
急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視、止まりにくい出血がある場合は直ちにご連絡ください。
ご予約・ご相談はこちら
気になる症状や治療方法について、初診予約・再診予約・お問い合わせからご相談いただけます。