淡いシミが点在する肌をルビートーニング5回で治療した症例
元々白い肌に、薄い雀卵斑が頬・こめかみへ数多く点在していた症例です。ルビートーニングを2〜3週間ごとに5回行い、ゼオスキンの高濃度ビタミンA・ハイドロキノンを併用。正面と斜位で色素と肌全体の明るさの変化を追います。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2023年10月9日
- 実質更新日
- 2026年8月9日


Contents
目次
正面:淡い雀卵斑を全顔で治療した5回経過
治療前は、元々白い肌に、かなり淡い雀卵斑が頬を中心に数多く点在していました。1個ずつは薄くても、白い肌との色の差で目立つため、ルビーレーザートーニングを5回行い、ゼオスキンの高濃度ビタミンAとハイドロキノンを併用しました。
5回後の正面写真では、頬の内側から外側まで点在していたシミが減り、肌全体の明るさと透明感が増しています。頬外側のシミが減ったことで、輪郭がすっきりし、小顔に見える印象も得られています。
淡い色素が広範囲に点在する肌へ、低出力の全顔照射を間隔を置いて重ねる理由として、低出力694nmフラクショナルQスイッチルビーを2週ごとに6回行い、MASI平均が15.1から10.6へ低下し、色調の明度を示すL値が56.6から59.9へ上昇したとの報告がありました(参考文献1)。
斜位:こめかみから頬の色調変化を見る
斜位写真では、治療前にこめかみから頬外側へ広がっていた淡い色素が5回後に減り、横から見た肌も明るくなっています。正面だけでなく斜位でも確認することで、頬外側の色むらまで経過を追えます。
掲載写真は無加工です。正面と斜位の両方で、個々の淡いシミと顔全体のトーンを同時に見て、5回までの変化を評価しました。
2〜3週間ごとに5回を1クールにする
当院のルビートーニングは全顔へ照射でき、薄く広がるシミやくすみ、夏の終わりの肌メンテナンスに使っています。照射後の赤みは当日中に落ち着く経過を想定し、2〜3週間に1回、5回を1クールとして色素の変化を重ねます。
ルビーレーザーで浅い色素と深い色素の両方を狙い、シミへの作用に加えて、照射による熱と衝撃でターンオーバーと肌質の変化を促すことを治療目標にします。
淡いシミを5回に分けて治療し、1回の照射で強い即時白色化を追わない理由として、日光黒子の消失度は照射の強弱で有意差がなく、ルビーレーザー後のPIHは強い照射群33.33%に対し、穏やかな照射群7.47%だったとの報告がありました(参考文献2)。
5回後に残ったシミは治療を継続する
5回は一つの評価時点です。5回で残った淡いシミは、その後も治療を続けることで、さらに薄くしていきます。新しいシミが加わる経過も含め、点在する色素を継続して追います。
シミを放置すると色素が増え、紫外線による光老化も積み重なります。この症例では、薄い段階から全顔治療と外用を始め、5回後に残った色素を次の治療対象として見直します。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 元々白い肌に淡い雀卵斑が数多く広がっているため、個々のシミだけをスポットで追うのではなく、全顔のルビートーニングで頬内側からこめかみまで同じ治療範囲に含めます。
- 2〜3週間ごとに正面と斜位を撮影し、淡いシミの数、頬外側の色むら、肌全体の明るさを分けて確認しながら5回を重ねます。
- ゼオスキンの高濃度ビタミンAとハイドロキノンを併用し、5回後に残る色素を次のクールで追うか、外用を続けるかを写真の変化から決めます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Qスイッチルビースポット | 境界明瞭な日光黒子など | 肝斑面、診断未確定病変、多数を一度に治療したい場合 | 通常1回後に経過観察 | かさぶた、赤み、PIH、色素脱失 | 1cm²まで6,600円/以後1cm²ごと4,400円 | 機器・使用目的ごとに国内承認を確認 |
| ルビーフラクショナル/トーニング | 多発する表在性色素、色むらの一部 | 活動性肝斑、炎症、診断未確定病変 | 複数回、毎回反応を再評価 | 赤み、乾燥、微細なかさぶた、PIH、色素脱失 | 全顔1回16,500円/初回5回66,000円/継続5回55,000円 | 機器・照射法・使用目的ごとに承認を確認 |
| 外用・遮光 | 肝斑、PIH、再発予防、刺激を避けた維持 | 外用刺激が強い状態、診断未確定病変の自己治療 | 毎日、数か月ごとに見直し | 刺激、乾燥、かぶれ、薬剤固有の副反応 | 製品・処方により異なる | 薬剤・濃度・目的ごとに承認を確認 |
費用の目安
- 全顔(看護師施術)1回 ¥16,500 / 1クール目5回 ¥66,000 / 2クール目以降5回 ¥55,000 / 医師施術 1回 ¥27,500
初期クールとメンテナンス継続では回数設計が変わることがあります。外用併用や肌状態で提案内容は変わるため、診察時にご確認ください。
リスク・副作用・注意点
- 照射後に数時間から当日中の赤み、乾燥がみられることがあります。
- 1週間以内に薄いかさぶたができることがあります。
- 炎症後色素沈着が生じることがあり、元の肌状態に戻るまで3カ月以上かかることがあります。
紫外線対策、保湿、摩擦予防、外用刺激の調整が大切です。肝斑が混在する場合は診察で慎重に適応を確認します。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Efficacy of 694-nm Q-switched ruby fractional laser treatment of melasma in female Korean patients
研究デザイン: 前向き単群研究 / 対象: 肝斑のある韓国人女性15人。低出力694nmフラクショナルQスイッチルビーを顔へ2週ごとに6回照射し、最終照射16週後まで評価。 / 結果: MASI平均は治療前15.1±3.3から最終照射16週後10.6±3.9へ低下し、L値は56.6±3.5から59.9±2.8へ上昇した。 / 限界: 15人の単群研究で対照群がなく、対象は肝斑の韓国人女性である。この症例の雀卵斑、ゼオスキン併用、5回治療の効果を直接検証した研究ではない。
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Comparative study of treatment efficacy and the incidence of post-inflammatory hyperpigmentation with different degrees of irradiation using two different quality-switched lasers for removing solar lentigines on Asian skin
研究デザイン: 無作為化比較研究 / 対象: Fitzpatrick III〜V型のアジア人193例、日光黒子355病変。Qスイッチルビーまたは周波数倍化Nd:YAGを、強い即時白色化と穏やかな即時白色化の4群に分け、1回照射後4週で評価。 / 結果: 4群で色素の消失度に有意差はなく、PIHはルビー強照射33.33%、ルビー穏やかな照射7.47%、Nd:YAG強照射23.18%、Nd:YAG穏やかな照射8.47%だった。 / 限界: 4週評価で、対象は日光黒子とFitzpatrick III〜V型に限られる。全顔トーニング、雀卵斑、5回照射、外用併用の結果を検証した研究ではない。
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医療機器の承認審査
レーザー機器と使用目的の国内承認確認先。
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Laser therapy in melasma: meta-analysis
22研究694人。機器・設定の異質性に注意。
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Laser treatment of post-inflammatory hyperpigmentation
PIHのレーザー治療レビュー。
よくあるご質問
Q. この症例でルビートーニングを選んだのはなぜですか?
1個ずつは淡くても、雀卵斑が頬からこめかみへ数多く広がっていたためです。全顔照射で個々のシミと顔全体の色むらを同じ治療範囲に含めました。
Q. 何回、どのくらいの間隔で治療しましたか?
2〜3週間に1回のペースで、ルビートーニングを5回行いました。当院では5回を1クールとして経過を見ます。
Q. この症例で併用した外用は何ですか?
ゼオスキンの高濃度ビタミンAとハイドロキノンを併用しました。5回の照射と外用を組み合わせた経過です。
Q. 照射後の赤みはどのくらい続きますか?
ルビートーニング後の赤みは、通常は当日中に落ち着きます。
Q. ルビートーニングの料金はいくらですか?
全顔の看護師施術は1回16,500円、1クール目5回66,000円、2クール目以降5回55,000円です。医師施術は1回27,500円です。
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