症例紹介肝斑ポテンツァ

ポテンツァ肝斑治療後に残る頬の赤みへプルリアルを追加した症例

ポテンツァ肝斑モードとピーリングを5回行い、肝斑の色調が薄くなった後も両頬の赤みが残った症例です。治療目標を色素から赤み・肌質へ切り替え、プルリアル Densifyを4回追加した経過を正面・斜位写真で紹介します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2024年8月24日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. ポテンツァ肝斑モードとピーリングを5回
  2. 残る両頬の赤みへプルリアルを4回追加
  3. 色素、赤み、肌質で治療の役割を分ける
  4. 診療で確認するポイント
  5. 治療選択の比較
  6. 費用の目安
  7. リスク・副作用・注意点
  8. 関連記事
  9. 関連施術・関連症状のご案内
  10. 執筆・監修
  11. 参考にした一次情報・ガイドライン
  12. よくあるご質問

ポテンツァ肝斑モードとピーリングを5回

肝斑は、女性ホルモン、紫外線、摩擦などの慢性的な刺激によってメラノサイトが活性化し、頬を中心に褐色の色素が現れる状態です。この症例では、最初の治療目標を肝斑の色調とくすみに置き、ポテンツァ肝斑モードとピーリングを組み合わせました。

5回の治療後、正面写真では頬の肝斑が薄くなり、全体の肌質も整いました。一方で両頬の赤みが残ったため、同じ肝斑治療を重ねるのではなく、次の段階では赤みと真皮の肌質へ治療目標を切り替えました。

肝斑治療後も色調を経時的に追い、維持治療の必要性を検討する理由として、内服・外用2か月後にmMASIが64%低下し、その後6か月間RFを続けた側では明るさの改善が保たれ、無治療側は治療前の値へ戻ったとの報告がありました(参考文献1)。

残る両頬の赤みへプルリアルを4回追加

肝斑の色調が薄くなった後に残った両頬の赤みは、炎症が関わる所見として評価しました。そこでプルリアル Densifyを4回注入し、赤みと肌質の変化を追いました。

2枚目の正面・左右斜位の比較では、肝斑がさらに薄くなり、頬の赤みが減って、肌のハリと透明感が増した経過を確認できます。色素だけでなく、頬全体の赤みと表面のなめらかさを同じ方向の写真で見直しました。

色素、赤み、肌質で治療の役割を分ける

ポテンツァ肝斑モードはメラノサイトの活動とメラニン産生を抑えることを目的とし、ピーリングは表面のくすみを整える目的で併用しました。前半5回は、肝斑の色調と肌表面の変化を評価する段階です。

後半に使用したプルリアル Densifyは、ポリヌクレオチド(PN)、非架橋ヒアルロン酸、マンニトールを含むCEマーク取得済みの注入製剤です。この症例では、PNによる線維芽細胞と真皮の修復、ヒアルロン酸による保水、マンニトールを含む製剤特性を、残る赤みとハリの治療へ取り入れました。

プルリアル追加後に頬のハリと肌質も評価する理由として、PN注入後はしわ、肌の質感、弾力の改善がみられ、副反応は主に軽度で一過性だったとの報告がありました(参考文献2)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 最初に、正面・左右斜位写真で肝斑の褐色調と両頬の赤みを別々に記録し、本症例の前半5回はポテンツァ肝斑モードとピーリングで色素とくすみを治療しました。
  • 5回後に肝斑が薄くなっても両頬の赤みが残ったため、色素治療を追加するのではなく、炎症と真皮の肌質を次の治療目標にしてプルリアル Densifyへ切り替えました。
  • プルリアル4回後は、肝斑の濃さ、頬の赤み、肌のハリを正面と斜位でそれぞれ見直し、次に必要な治療を色素・血管・肌質のどこへ置くか決めます。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
ポテンツァ肝斑コース 保存的治療後の補助 活動性炎症・感染等 本症例5回 赤み、点状出血、腫れ、PIH 全顔5回165,000円 機器・チップ・目的を確認
ピーリング 角化・色調への補助 皮膚炎、刺激悪化 複数回 ひりつき、乾燥、PIH 薬剤・範囲で異なる 薬剤・濃度・目的を確認
PN製剤注入 肌質・弾力への補助を検討 赤みの原因未診断、感染、過敏症 複数回 膨疹、内出血、結節、感染等 製剤・範囲で異なる 未承認製剤の場合は入手経路等を表示

費用の目安

  • ポテンツァ 肝斑治療コース 全顔 5回 ¥165,000
  • ピーリングとプルリアルは施術範囲・製剤・回数により費用が異なります

当院症例ではポテンツァとピーリングを5回、その後プルリアルを4回行っています。各段階の適応と現行料金は診察時にご確認ください。

リスク・副作用・注意点

  • ポテンツァでは、痛み、赤み、腫れ、点状出血、乾燥などが生じることがあります。
  • ピーリングでは、ひりつき、赤み、乾燥、皮むけ、刺激性皮膚炎が生じることがあります。
  • プルリアル注入では、痛み、膨疹、赤み、内出血、腫れ、アレルギー反応などが生じることがあります。
  • 国内承認・適応: 国内未承認。医師の個人輸入等による使用。入手経路・海外承認・救済制度の対象外となる可能性を表示

肝斑の色素と頬の赤みは同じ病態ではないため、反応を見ながら治療を段階的に切り替えます。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Han HJ, Kim JC, Park YJ, Kang HY. Targeting the dermis for melasma maintenance treatment. Sci Rep. 2024;14(1):949.

    マイクロニードルRFを肝斑維持へ用いたhalf-face研究

    研究デザイン: ランダム化左右顔比較によるマイクロニードルRF維持研究 / 対象: 肝斑15人が登録され、11人が8か月の試験を完遂。全例が最初の2か月に経口トラネキサム酸と三剤配合外用を受け、その後片側へ月1回のRFを6か月継続した。 / 結果: 最初の2か月でmMASIが64%低下し、RF継続側では明るさの改善が6か月維持された一方、無治療側は従来治療終了後に治療前の値へ戻ったとの報告がありました。 / 限界: 完遂11人の小規模研究で、全例に先行する内服・外用治療がある。RF単独の効果、ポテンツァ固有の効果、ピーリング併用効果を示す試験ではない。

  2. Lampridou S, Bassett S, Cavallini M, Christopoulos G. The Effectiveness of Polynucleotides in Esthetic Medicine: A Systematic Review. J Cosmet Dermatol. 2025;24(2):e16721.

    美容医療におけるポリヌクレオチドの系統的レビュー

    研究デザイン: 美容医療におけるPN注入の系統的レビュー / 対象: 2010年から2024年1月までに公表された低〜中等度品質の9研究、219人 / 結果: しわ、肌の質感、弾力の改善が複数研究で示され、副反応は主に軽度で一過性だったとの報告がありました。 / 限界: 製剤、注入部位、手技、評価方法が不均一で、最適な使用法の合意はない。プルリアル Densify、肝斑治療後の頬の赤み、PN・非架橋HA・マンニトール混合製剤を直接評価したレビューではない。著者の一部にPN製品企業との関係が開示されている。

  3. 厚生労働省

    未承認医薬品等の情報提供

    PN製剤等の表示根拠。

  4. Am J Clin Dermatol. 2020

    Melasma Treatment: An Evidence-Based Review

    113研究6,897人。

  5. Br J Dermatol. 2019

    Rosacea phenotype interventions

    赤み鑑別の根拠。

よくあるご質問

Q. なぜポテンツァとピーリングを5回行った後に治療を変えたのですか?

5回後に肝斑の色調と肌質は改善しましたが、両頬の赤みが残っていたためです。前半の色素・くすみ治療から、後半は赤みと真皮の肌質を整える治療へ目的を切り替えました。

Q. この症例ではプルリアルを何回受けていますか?

ポテンツァ肝斑モードとピーリングを5回行った後、プルリアル Densifyを4回追加しています。写真では肝斑、頬の赤み、肌のハリの経過を正面と左右斜位で比較しています。

Q. プルリアル Densifyには何が含まれていますか?

ポリヌクレオチド(PN)、非架橋ヒアルロン酸、マンニトールを含む注入製剤です。この症例では、残った赤みと真皮の肌質を治療する段階で使用しました。

Q. プルリアル Densifyは国内で承認された製剤ですか?

CEマークを取得した製品ですが、日本国内では未承認です。当院では入手経路、国内承認治療の有無、主なリスク、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性を説明して使用します。

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