医師解説アドバテックス

外用薬とスキンケアの使用順|刺激を重ねない基本

掲載図は、ゼオスキンヘルスの洗顔・角質ケア・化粧水・美容液を並べ、朝は保湿系製品から日焼け止め、夜は保湿系製品からレチノール製品へ進む順序を示しています。アゼライン酸とロゼックスは治療目的の外用として、朝夜それぞれの最後に配置しています。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2024年10月9日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 図に沿って、共通部分から朝・夜へ分ける
  2. 朝夜共通:洗顔、角質ケア、化粧水、美容液の順
  3. 朝:保湿・美容液の後に日焼け止めを置く
  4. 夜:レチノール製品は一つを選び、頻度を上げる
  5. 化粧品と医療用医薬品を同じ段で扱わない
  6. 刺激が出たら、追加せず一段戻す
  7. 診療で確認するポイント
  8. 治療選択の比較
  9. 費用の目安
  10. リスク・副作用・注意点
  11. 関連記事
  12. 関連施術・関連症状のご案内
  13. 執筆・監修
  14. 参考にした一次情報・ガイドライン
  15. よくあるご質問

図に沿って、共通部分から朝・夜へ分ける

1枚目は「ゼオスキンの使用方法」として、当院で案内しているスキンケアと外用の順序をまとめた投稿です。2枚目の図では、洗顔から美容液までを朝夜の共通部分とし、その後を朝と夜の2経路へ分けています。

図に並ぶ製品をすべて同じ日に重ねるのではなく、同じ段に並ぶ製品から肌の目的に合うものを選びます。特に夜のレチノール製品は一つを選び、頻度を段階的に上げる設計です。

朝夜共通:洗顔、角質ケア、化粧水、美容液の順

最初は、ハイドレーティングクレンザー、ジェントルクレンザー、エクスフォリエーティングクレンザーから洗顔料を一つ選びます。エクスフォリエーティングポリッシュを使う日は洗顔の後、その次にバランサートナーを使います。

続いて、シーセラムまたはクラリファイングセラムを置きます。その後の同じ段には、ミラミン、PSリファイナー、ブライタライブ、ファーミングセラム、Gファクターセラムが並びます。図でミラミンは「毎日0.5〜1プッシュ」と示されています。

朝:保湿・美容液の後に日焼け止めを置く

朝の経路では、共通部分の後に、デイリーPD、イルミネーションAOXセラム、RNクリーム、RCクリームが同じ段に並びます。必要な製品を選んだ後、日焼け止めへ進みます。

掲載図は、その後にアゼライン酸またはロゼックスを配置しています。アゼライン酸は成分名であり、ロゼックスゲル0.75%はメトロニダゾールを含む医療用医薬品です。治療目的の外用は製品名・塗布部位・処方回数を確認し、処方時に示した順番を優先します。

画像内のロゼックスはメトロニダゾール0.75%を含む医療用医薬品で、酒さでは洗浄後に患部へ1日2回塗布し、刺激症状があれば回数を減らすか一時中止することが添付文書に記載されています(参考文献5)。

夜:レチノール製品は一つを選び、頻度を上げる

夜の経路では、共通部分の後に、デイリーPD、RNクリーム、RCクリームが同じ段に並びます。その次は、スキンブライセラム0.25・0.5・1.0、Wテクスチャーリペア、ARナイトリペアから使う製品を一つ選びます。

図に示された使用量は1プッシュです。頻度は、週2回、週3回、2日使用して1日休む、毎日という4段階で記載されています。新しいレチノール製品を始めるときは、別のピーリング製品やレチノール製品を同時に追加せず、一段ずつ反応を確認します。最後に、必要な場合はアゼライン酸またはロゼックスを置きます。

化粧品と医療用医薬品を同じ段で扱わない

図にあるゼオスキンヘルス製品はスキンケア化粧品です。化粧品は洗浄、保湿、整肌、紫外線対策などの役割で組み、医薬部外品を加える場合は表示された有効成分と効能を確認します。

ロゼックスゲル0.75%は酒さにも承認された医療用医薬品で、酒さでは洗浄後に患部へ1日2回塗布します。アゼライン酸は図では成分名だけのため、実際に使う製品の販売名・濃度・区分に合わせます。スキンケアの一般的な順序より、医療用医薬品の添付文書と処方内容を優先します。

刺激が出たら、追加せず一段戻す

軽い乾燥やつっぱりが出た段階では、新しい美容液を増やさず、夜のレチノール製品の頻度を一段戻して保湿を続けます。どの製品で反応したかを分けるため、再開は一製品ずつにします。

痛みを伴う赤み、腫れ、びらん、水疱、強いかゆみがある場合は、レチノール、角質ケア、治療目的の外用をいったん中止します。洗顔と保湿だけでもしみる状態は診察が必要です。赤みと刺激感が治まってから、最も必要な一製品を低い頻度で再開します。

医療用アダパレンによる刺激を減らしながら治療を続ける理由として、特定の保湿剤を初めから併用した群では皮膚刺激が少なく、ニキビ治療の効果を妨げなかったとの報告がありました(参考文献1)。

刺激が出る前から保湿を組み込む理由として、アダパレン開始時からヘパリン類似物質の保湿剤を併用した群は100%、刺激が出たときだけ保湿剤を追加する群は70%が4週時点まで当初の治療を継続したとの報告がありました(参考文献2)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • まず現在使っている製品を朝・夜に分け、洗顔、角質ケア、整肌美容液、保湿、レチノール、日焼け止め、医療用医薬品の順に並べ直します。
  • ニキビ、色ムラ、酒さのうち今の主目的を一つ決め、同じ役割の美容液と刺激性製品を減らして、効果と刺激の原因を追える組み合わせにします。
  • 赤みが出たときは最後に追加した製品から休止し、皮膚が落ち着いた後に一製品ずつ低頻度で戻します。ロゼックスなどの医療用医薬品は、この再開順より処方内容を優先します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
処方外用薬 診断されたニキビ・湿疹・色素疾患等 自己判断で別部位・別回数へ使用、強い皮膚炎中 添付文書・処方指示どおり 刺激、乾燥、かぶれ。薬剤固有の副作用 保険診療・薬剤・自己負担割合で異なる 医薬品ごとの承認適応・用法を確認
保湿剤・低刺激スキンケア 外用中の乾燥・バリア補助 処方治療の代替、成分アレルギー 毎日、反応を見て調整 刺激、毛包炎、接触皮膚炎等 院内製品1,320円〜。製品別 化粧品・医薬部外品・医薬品区分を確認
日焼け止め・メイク 紫外線対策、治療中の色素悪化予防 びらん・強い皮膚炎部へ無理に塗布 朝、必要時塗り直し 刺激、毛穴詰まり、接触皮膚炎等 ZOサンスクリーン8,800〜12,320円等 製品区分・表示を確認

費用の目安

  • 処方外用薬は保険診療・薬剤・自己負担割合で異なります。
  • 院内スキンケアは1,320円〜、ZOサンスクリーン8,800〜12,320円等。

購入費と診察・処方費を分け、最新料金表と処方内容を確認します。

リスク・副作用・注意点

  • 赤み、乾燥、皮むけ、ひりつき、かゆみ、接触皮膚炎が起こり得ます。
  • BPOは衣類・毛髪を漂白し、薬剤ごとに紫外線や妊娠等の注意が異なります。
  • 強い皮膚炎へ複数製品を重ねると悪化することがあります。

保湿併用研究は「正しい順番」を比較した試験ではありません。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Chularojanamontri L, et al. J Dermatolog Treat. 2016;27(2):140-145. doi:10.3109/09546634.2015.1079298.

    A double-blinded, randomized, vehicle-controlled study to access skin tolerability and efficacy of an anti-inflammatory moisturizer in treatment of acne with 0.1% adapalene gel

    研究デザイン: 8週間の二重盲検前向き無作為化比較試験 / 対象: 軽症〜中等症のニキビがあるアジア人120人。0.1%アダパレン単独、特定保湿剤併用、基剤併用の3群へ40人ずつ割り付け / 結果: リコカルコンA、L-カルニチン、1,2-デカンジオール配合保湿剤の併用群では、角層水分量と経皮水分蒸散量による刺激所見が少なく、アダパレンの治療効果を妨げなかった。 / 限界: 特定処方の保湿剤と医療用アダパレン0.1%の研究で、ゼオスキン製品、化粧品レチノール、外用薬と日焼け止めの塗布順を比較していない。抄録には刺激所見の群間効果量が示されていない。

  2. Hayashi N, Kawashima M. J Dermatol. 2014;41(7):592-597. doi:10.1111/1346-8138.12520.

    Study of the usefulness of moisturizers on adherence of acne patients treated with adapalene

    研究デザイン: 4週間の無作為化比較試験 / 対象: 軽症〜重症の尋常性ニキビ100人。アダパレン開始時からヘパリン類似物質を併用する群と、局所反応で継続困難になった場合に保湿剤を追加する群を比較 / 結果: 4週時点まで当初治療を継続した割合は開始時併用群100%、必要時追加群70%で、保湿剤併用による面皰・炎症性皮疹への悪影響はみられなかった。 / 限界: 4週間の単一保湿剤と医療用アダパレンの研究で、化粧品レチノールの使用頻度、複数美容液の順番、長期継続を検証していない。

  3. 日本皮膚科学会

    尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023

    国内の外用治療選択。

  4. JAAD. 2024

    Acne vulgaris guideline

    18推奨・5 good practice statements。

  5. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA). 添付文書番号2699713Q1026_2_05.

    ロゼックスゲル0.75% 添付文書

    研究デザイン: 国内承認医薬品の電子添付文書 / 対象: 酒さに対する用法・用量は、患部を洗浄後に適量を1日2回塗布。通常の使用期間は12週間まで / 結果: 国内第III相二重盲検比較試験では130人を各65人へ割り付け、12週後に炎症性皮疹が50%超減少し紅斑が1段階以上改善した割合はロゼックス群72.3%、プラセボ群36.9%だった。 / 限界: 医療用医薬品ロゼックスゲル0.75%の酒さ治療に関する資料であり、アゼライン酸製品やゼオスキン製品との塗布順・併用効果を示す研究ではない。

よくあるご質問

Q. 図にある製品は、上からすべて使いますか?

いいえ。同じ段に並ぶ洗顔料、美容液、クリーム、レチノール製品は候補です。肌の目的に合うものを選び、特にレチノール製品は複数を同時に使いません。

Q. 朝はどの順番で使いますか?

図では、洗顔、必要時のエクスフォリエーティングポリッシュ、バランサートナー、シーセラムまたはクラリファイングセラム、目的別美容液、デイリーPDなどの保湿・美容液、日焼け止めの順です。アゼライン酸やロゼックスは、実際の製品と処方時の指示に合わせます。

Q. 夜のレチノール製品は、どの頻度で始めますか?

掲載図では1プッシュを、週2回、週3回、2日使用して1日休む、毎日の4段階で増やします。スキンブライセラム、Wテクスチャーリペア、ARナイトリペアから一つを選び、赤みや皮むけが出れば前の段階へ戻します。

Q. ゼオスキン、アゼライン酸、ロゼックスは同じ化粧品ですか?

ゼオスキンヘルスの掲載製品は化粧品、ロゼックスゲル0.75%は医療用医薬品です。アゼライン酸は成分名なので、使う製品の販売名・濃度・化粧品等の区分を確認します。医薬部外品を追加する場合も、承認された有効成分と効能を化粧品と分けて扱います。

Q. 赤みや皮むけが出たら、いつ再開しますか?

軽い乾燥ではレチノールの頻度を一段戻し、保湿を続けます。痛み、腫れ、びらん、水疱、強いかゆみがあれば刺激性製品を中止し、症状が治まってから一製品ずつ低頻度で再開します。洗顔や保湿もしみる場合は再開前に受診してください。

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