頬とフェイスラインをヒアルロン酸4ccで再調整して、骨ばった印象をやわらげる考え方
2年前にヒアルロン酸4ccを受け、今回さらに頬とフェイスラインへボリューマXC計4ccを追加した症例です。両斜位で、皮下脂肪が少ないために強く見える骨格の凹凸とクマ感をなだらかにつなぎました。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2025年9月30日
- 実質更新日
- 2026年8月9日


Contents
目次
一方の斜位では、頬の影と骨格の角を一緒に見ます
一方の斜位は、左が「2 Years Before」、右が「After」です。2年前にヒアルロン酸4ccの注入歴があり、今回はジュビダームビスタ ボリューマXCを頬とフェイスラインへ合計4cc追加しました。
2年前は目の下から頬へ移る部分に影があり、頬骨から下顎へ続く骨格の角が強く見えます。治療後は頬の高点から外側へ続く曲面とフェイスラインの段差がなだらかになり、クマ感と骨ばった印象がやわらいでいます。
頬を補った後に目の下から頬へ移る影を斜位で追う理由として、ボリューマによる頬のボリューム変化は6か月時に1.83mLで無治療の0.11mLを上回り、医師評価98.2%、本人評価93.8%が改善したとの報告がありました(参考文献1)。
反対側の斜位では、頬から下顎縁までのつながりを確かめます
反対側の斜位も左が2年前、右が治療後です。頬外側の浅い凹み、頬骨下の影、下顎角から顎先へ向かう輪郭を、反対方向から見ても一つの曲面になるよう整えました。
治療後は頬の高点からフェイスラインへ続く面の途切れが減り、下顔面だけが細く尖って見える印象もやわらいでいます。両斜位を往復すると、片側だけを補いすぎず、頬と下顎の左右差を同じ終了点で確認できます。
2年前の4ccを踏まえ、今回は現在の頬とフェイスラインへ4ccを配分します
たるみではなく、皮下脂肪の少なさで生じる凹凸を補います
この症例はたるみがほとんどなく、皮下脂肪が少ないために頬骨や下顎の輪郭が強く出る状態でした。脂肪を減らす治療を足すのではなく、頬の影とフェイスラインの段差をボリューマXCでなだらかにつなぐ設計です。
頬の高点だけを大きくせず、目の下から頬へ移る影と、頬外側から下顎縁へ続く曲線を両斜位で見ます。クマ感と骨格の角が同時にやわらぐ位置を今回の終了点にしました。
ボリューマXC 4ccの承認範囲・料金・安全確認
頬とフェイスラインは、実際の注入位置が中顔面・下顎部の承認部位と深さに沿うよう計画します。この症例の治療対象は、頬とフェイスラインの中顔面・下顎部です。
現在の料金は1本1CC 77,000円で、今回と同じ4本4ccは308,000円です。カテラン針を使用する場合は11,000円が加算されます。
治療中と治療後は、通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化、暗紫色または網目状の変化、冷たさ、視力・視野の異常を確認します。これらがある場合は予定の再診日を待たず、直ちにご連絡ください。
ジュビダームビスタ ボリューマXCは、21歳以上の成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大を目的とする国内承認製剤です(参考文献4)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 2年前の施術日、製剤、総量と治療部位を診療記録で確かめ、当時と現在の斜位写真を同じ方向で並べます。
- 頬骨下の影、頬外側の凹み、下顎縁の段差を触診し、皮膚のゆるみよりもボリューム不足が輪郭を強く見せている部位を選びます。
- 頬の高点を整えた後にフェイスラインへ移り、目の下から頬、頬外側から下顎縁へ続く曲面を両斜位で往復しながら4ccを配分します。
- 腫れが引いた後も同じ両斜位でクマ感、骨格の角、左右差を見直し、追加する場合は今回と同じ4ccではなく、その時点で残る不足量から決めます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 頬・フェイスラインへボリューマXC 4cc(掲載症例) | 皮下脂肪が少なく、頬の影と骨格の凹凸が両斜位で目立つ状態 | 十分なボリュームがある、炎症・感染、硬い結節、既注入製剤の状態が判別できない状態 | 通常1回後、腫れが引いてから両斜位を再評価 | 腫れ、内出血、痛み、左右差、凹凸、硬さ・結節。まれに血管閉塞、壊死、視覚障害 | 4本4cc 308,000円。カテラン針使用時は11,000円加算 | ボリューマXCは中顔面・下顎部・こめかみが国内承認範囲 |
| 本数を分けた段階的な再調整 | 2年前の製剤が残る可能性があり、頬と下顎を分けて不足量を見たい状態 | 活動性炎症・感染、強い硬結、血流障害が疑われる状態 | 初回の腫れが引いてから、不足部位だけを再評価 | 各回の腫れ、内出血、痛み、左右差、凹凸、硬さ・結節。まれに血管閉塞 | 使用本数×1本1cc 77,000円 | 製剤の承認範囲に沿って部位・深さを選択 |
| 脂肪減少・引き締め治療 | 頬・顎下の脂肪量や皮膚のゆるみが輪郭の主因となる状態 | 本症例のように皮下脂肪が少なく、骨格の凹凸と影が主な状態 | 機器・施術により1回〜複数回 | 選択する機器・施術により異なる | 選択する治療の料金表を参照 | 使用する機器・目的ごとに承認範囲を確認 |
費用の目安
- ヒアルロン酸:1本1cc 77,000円(税込)
- 本症例と同じ4本4cc:308,000円(税込)
- カテラン針を使用する場合:11,000円(税込)追加
すべて税込・自由診療です。元素材に器具の記載がないため、カテラン針は使用する場合だけ加算します。
リスク・副作用・注意点
- 注入部位の腫れ、赤み、痛み、圧痛、内出血、左右差、凹凸、硬さ・結節など
- アレルギー、感染、遅発性の炎症・結節、過修正、製剤の移動など
- まれに血管閉塞、皮膚の虚血・壊死、視力・視野障害、失明、脳卒中など
- 通常と異なる強い痛み、青白化、暗紫色または網目状の変化、冷たさ、見え方の異常は直ちに確認が必要
- 国内承認・適応: 本症例のジュビダームビスタ ボリューマXCは国内承認医療機器(承認番号22800BZX00338000)です。21歳以上の成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大が承認目的で、皮下または骨膜上深部へ使用します。頬とフェイスラインのうち、実際の位置が中顔面・下顎部に該当し、電子添文の深さに沿う範囲で使用します。血管内注入は禁止され、眉間・眼窩周囲は適用部位に含まれません。
血管安全と緊急症状は患者本文の安全節とFAQへ集約しました。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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A Randomized, Controlled, Multicenter Study of Juvéderm Voluma for Enhancement of Malar Volume in Chinese Subjects
研究デザイン: 未治療対照を置いた前向き多施設無作為化比較試験。 / 対象: 18歳以上の中国人146人。ボリューマ処置群119人、未治療対照群27人。中顔面への注入量中央値は2mLで、三次元画像を用いて6か月評価した。 / 結果: 6か月時の頬部体積変化は処置群1.83mL、対照群0.11mLで、GAIS改善率は医師98.2%、本人93.8%だった。 / 限界: 中国人の中顔面にボリューマを用いた研究で、本症例の2年間の累積経過、頬・フェイスラインへの4cc配分、下顎部、個人のクマ感を直接検証していない。PubMed抄録と書誌を2026年8月9日に再確認し、原著全文は取得していない。 / 利益相反: 著者に製造企業関係者を含むが、資金・利益相反の詳細はPubMed抄録では確認できない。
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Long-term MRI Follow-up of Hyaluronic Acid Dermal Filler
研究デザイン: 複数回の顔面ヒアルロン酸注入後にMRIを2日、19か月、21か月、27か月で撮影し、部位ごとの信号変化を追跡した単一症例報告。 / 対象: 中顔面のボリューム不足、フェイスライン、顎を3回に分けて異なる製剤で治療した47歳男性1人。3回目は外側側頭頬部と顎周囲へ計4mLを使用した。 / 結果: 外側側頭頬部と中顔面のヒアルロン酸信号は27か月時も確認できた。顎周囲では19か月時に大部分が消失し、27か月時はmenton上にわずかな信号のみ残った。別の脂肪区画への移動は認めなかった。 / 限界: 1人の症例で、部位、製剤、量、注入層が異なる。初回・2回目直後のMRIと連続した臨床写真がなく、本症例の2年前の4ccと今回のボリューマXC 4ccの残存を示していない。 / 利益相反: 著者は本論文内容に関連する金銭的利益相反なしと申告している。
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Volumizing Hyaluronic Acid Filler for Midface Volume Deficit: Results After Repeat Treatment
研究デザイン: 多施設・単盲検・無作為化比較試験の長期追跡後に、12〜24か月後または24か月時点で任意の再治療を行った解析。 / 対象: 中顔面ボリューム減少に対してVYC-20Lの再治療を受けた成人167人。 / 結果: 再治療の平均注入量は3.13mLで、初回とタッチアップを合わせた平均6.8mLのおよそ半分。再治療6・12か月後に1段階以上改善した割合は82.8%・91.1%だった。 / 限界: 中顔面を対象とした任意再治療の解析で、再治療を選んだ患者の自己選択バイアスがある。本症例の下顎部、前回4cc、今回4ccの部位別配分や個人の結果を検証していない。PubMed抄録と書誌を2026年8月9日に再確認し、原著全文は取得していない。 / 利益相反: Allergan plcが研究を支援し、著者には同社の顧問、研究費受領者、講演者、社員・株式保有者が含まれる。
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ジュビダームビスタ ボリューマXC 電子添文
研究デザイン: PMDA公開の国内医療機器電子添文。使用目的、使用方法、警告、臨床成績、有害事象を収載。 / 対象: 承認目的は21歳以上の成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大。皮下または骨膜上深部へ注入する。承認時の比較臨床試験は加齢性中顔面ボリューム減少を対象とした。 / 結果: 血管内注入は禁止され、眉間・眼窩周囲には注入しない。承認時の中顔面試験では6か月時のMFVDS奏効率が処置群85.6%、未処置対照群38.9%だった。 / 限界: 電子添文は本症例の2年前の施術内容、今回4ccの頬・フェイスライン別配分、注入順、層、器具、個人の写真変化を示さない。比較臨床試験は中顔面が対象で、下顎部の有効性を直接比較した試験ではない。PDF全6頁を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 製造販売業者アッヴィ合同会社の承認製品電子添文である。
よくあるご質問
Q. この症例では、何を何cc使いましたか?
2年前にヒアルロン酸4ccの注入歴があり、今回はジュビダームビスタ ボリューマXCを頬とフェイスラインへ合計4cc追加しました。2回分は別の治療時点として扱います。
Q. 掲載写真は今回の直前と直後ですか?
左は「2 Years Before」、右は「After」と表示された2年間の比較です。今回直前だけの写真ではないため、2年前の注入と今回の追加を含む累積的な輪郭変化として見ます。
Q. たるみがないのに、なぜヒアルロン酸を使うのですか?
皮下脂肪が少なく、頬骨や下顎の凹凸が強く見える状態だったためです。脂肪を減らすのではなく、頬の影とフェイスラインの段差をなだらかにつなぐ目的で使用しました。
Q. 頬とフェイスラインに何ccずつ入れましたか?
頬とフェイスラインを合わせた総量は4ccです。部位別の量を固定せず、両斜位で頬の高点、骨格の角、下顎縁の左右差を見ながら配分します。
Q. 現在の料金と、すぐ連絡が必要な症状を教えてください。
4本4ccは308,000円です。カテラン針を使用する場合は11,000円が加算されます。皮膚の青白化や網目状変色、通常と異なる強い痛み、冷たさ、見え方の異常があれば直ちにご連絡ください。
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