下顎ラインとあごをヒアルロン酸5ccで再調整して、下顔面の輪郭を整える考え方
2年10か月前にボリューマXC 5ccを頬中心へ受け、今回は同製剤5ccをフェイスラインとあごへ追加した症例です。正面と両斜位で、下顎縁からあご先へ続く輪郭を整えました。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2025年10月4日
- 実質更新日
- 2026年8月9日



Contents
目次
正面では、頬中心だった治療から下顔面へ重心を移した変化を見ます
正面は、左が2年10ヶ月前、右が今回の治療後です。たるみが気になっていたため、2年10か月前にはヒアルロン酸製剤のジュビダームビスタ ボリューマXC 5ccを頬中心へ使用し、今回は同製剤5ccをフェイスラインとあごへ追加しました。
右の治療後では、口横から下顎縁へ続く線と、左右の下顎からあご先へ集まる輪郭が追いやすくなっています。頬をさらに前へ出すのではなく、今回気になっていた下顔面を治療の中心に置いた変化です。
一方の斜位では、フェイスラインからあご先までを一続きで整えます
一方の斜位では、頬の下から下顎角、あご先へ向かう輪郭を確認できます。治療後は下顎縁の途中に生じていた影がなだらかになり、フェイスラインとあご先のつながりが明瞭になっています。
下顔面では、フェイスラインだけを横へ延ばすのではなく、あご先を含めて輪郭の終点を作ります。
下顎縁からあご先までを同じ治療範囲として扱う理由として、ヒアルロン酸による下顎輪郭治療後、88.8%が見た目の満足度を85〜100%と評価したとの報告がありました(参考文献1)。
反対側の斜位でも、下顎縁の途切れとあご先の位置を確かめます
反対側の斜位でも、頬下から下顎縁へ移る部分と、あご先までの曲線を見比べます。治療後は下顔面の輪郭が両方向から連続し、あご周りがすっきりしたことで、顔全体も引き上がって若く見える印象です。
片側の斜位だけで終了点を決めず、正面と両斜位を往復します。片側だけが直線的になったり、あご先だけが強く見えたりしない位置を、今回の5ccの終了点にしました。
同じ5ccでも、2年10か月後は現在の不足部位へ配分します
ボリューマXC 5ccの承認範囲・料金・安全確認
本症例では、フェイスラインとあごのうち下顎部に該当する位置をジュビダームビスタ ボリューマXCで治療しました。
現在の料金は1本1CC 77,000円で、今回と同じ5本5ccは385,000円です。カテラン針を使用する場合は11,000円が加算されます。本症例では前額を治療していないため、前額施術料22,000円は加算しません。
治療中と治療後は、通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化、暗紫色または網目状の変化、冷たさ、視力・視野の異常を確認します。これらがある場合は予定の再診日を待たず、直ちにご連絡ください。
ジュビダームビスタ ボリューマXCは、成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームを増大する目的で、皮下または骨膜上深部へ使用する国内承認製剤です(参考文献4)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 2年10か月前の施術日、ジュビダームビスタ ボリューマXC 5cc、頬中心という治療部位を診療記録で確かめ、今回と同じ正面・両斜位で並べます。
- 正面では口横から下顎縁へ続く影とあご先の中心を見て、斜位では頬下から下顎角、あご先までの線を左右それぞれ追います。
- 前回の頬中心の形を再現するのではなく、現在目立つフェイスラインの途切れとあご先の不足を同じ診察内で扱い、今回の5ccを下顔面へ配分します。
- 腫れが引いた後に同じ3方向で輪郭と左右差を見直し、次回は今回と同じ5ccを前提にせず、その時点で残る不足部位から再調整量を決めます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| フェイスライン・あごへボリューマXC 5cc(掲載症例) | 下顎縁の途中に影があり、あご先までの輪郭を一続きに整えたい状態 | 十分な下顔面ボリュームがある、活動性炎症・感染、硬い結節、血流障害が疑われる状態 | 通常1回後、腫れが引いてから正面・両斜位を再評価 | 腫れ、内出血、痛み、左右差、凹凸、硬さ・結節。まれに血管閉塞、壊死、視覚障害 | 5本5cc 385,000円。カテラン針使用時は11,000円加算 | ボリューマXCは成人の下顎部が国内承認範囲 |
| 頬中心のボリューマXC注入 | 頬のボリューム低下が主で、目の下から頬へ続く影や中顔面の平坦さが目立つ状態 | 主な不足が下顎縁・あご先にあり、頬の支えが保たれている状態 | 通常1回後、腫れが引いてから正面・斜位を再評価 | 腫れ、内出血、痛み、左右差、凹凸、硬さ・結節。まれに血管閉塞 | 使用本数×1本1cc 77,000円 | ボリューマXCは成人の中顔面が国内承認範囲 |
| 脂肪減少・引き締め治療 | 頬・あご下の脂肪量や皮膚のゆるみがフェイスライン不明瞭の主因となる状態 | 下顎縁からあご先までのボリューム不足が主な状態 | 機器・施術により1回〜複数回 | 選択する機器・施術により異なる | 選択する治療の料金表を参照 | 使用する機器・目的ごとに承認範囲を確認 |
費用の目安
- ヒアルロン酸:1本1cc 77,000円(税込)
- 本症例と同じ5本5cc:385,000円(税込)
- カテラン針を使用する場合:11,000円(税込)追加
すべて税込・自由診療です。元素材に器具の記載がないため、カテラン針は使用する場合だけ加算します。前額を治療していないため、前額施術料22,000円は本症例の総額へ含めません。
リスク・副作用・注意点
- 注入部位の腫れ、赤み、痛み、圧痛、内出血、左右差、凹凸、硬さ・結節など
- アレルギー、感染、遅発性の炎症・結節、過修正、製剤の移動など
- まれに血管閉塞、皮膚の虚血・壊死、視力・視野障害、失明、脳卒中など
- 通常と異なる強い痛み、青白化、暗紫色または網目状の変化、冷たさ、見え方の異常は直ちに確認が必要
- 国内承認・適応: 本症例のジュビダームビスタ ボリューマXCは国内承認医療機器(承認番号22800BZX00338000)です。成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大が承認目的で、皮下または骨膜上深部へ使用します。本症例ではフェイスライン・あごのうち、実際の位置が下顎部に該当し、電子添文の深さに沿う範囲で使用します。血管内注入は禁止され、眉間・眼窩周囲は適用部位に含まれません。
血管安全と緊急症状は患者本文の安全節とFAQへ集約しました。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Nonsurgical Reshaping of the Lower Jaw With Hyaluronic Acid Fillers: A Retrospective Case Series
研究デザイン: 下顔面のヒアルロン酸注入を受けた連続症例の後ろ向きケースシリーズ。 / 対象: 42〜71歳の女性36人。下顎輪郭の再形成に4〜7本を使用し、3か月〜2年追跡した。 / 結果: 32人(88.8%)が治療後の見た目を85〜100%の満足度と評価し、感染、知覚異常、血腫、壊死は報告されなかった。 / 限界: 対照群のない単施設の女性症例で、自己申告の満足度が主要結果。複数の製剤・層・手技を使用しており、ボリューマXC単独、本症例の5cc、2年10か月の再治療、正面・両斜位の変化を直接検証していない。PubMed書誌とPMC原著全文を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 一部著者はNeauvia International、Nyuma Pharma、Merz Pharma、Teoxaneとの講演・顧問関係を申告している。
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Long-term MRI Follow-up of Hyaluronic Acid Dermal Filler
研究デザイン: 複数回の顔面ヒアルロン酸注入後にMRIを2日、19か月、21か月、27か月で撮影し、部位ごとの信号変化を追跡した単一症例報告。 / 対象: 中顔面、外側側頭頬部、フェイスライン、あごを3回に分けて異なる製剤で治療した47歳男性1人。 / 結果: 外側側頭頬部と中顔面ではヒアルロン酸信号が27か月時も確認できた。あご周囲では19か月時に大部分が消失し、27か月時はmenton上にわずかな信号だけが残った。別の脂肪区画への移動は認めなかった。 / 限界: 1人の症例で、部位、製剤、量、注入層が異なる。初回・2回目直後のMRIと連続した臨床写真がなく、本症例のボリューマXC 5ccの残存量を示していない。 / 利益相反: 著者は本論文内容に関連する金銭的利益相反なしと申告している。
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Volumizing Hyaluronic Acid Filler for Midface Volume Deficit: Results After Repeat Treatment
研究デザイン: 多施設・単盲検・無作為化比較試験の長期追跡後に、12〜24か月後または24か月時点で任意の再治療を行った解析。 / 対象: 中顔面ボリューム減少に対してVYC-20Lの再治療を受けた成人167人。 / 結果: 再治療の平均注入量は3.13mLで、初回とタッチアップを合わせた平均6.8mLのおよそ半分。再治療6・12か月後に1段階以上改善した割合は82.8%・91.1%だった。 / 限界: 中顔面を対象とした任意再治療の解析で、再治療を選んだ患者の自己選択バイアスがある。本症例の下顎部、前回5cc、今回5ccの部位別配分や個人の写真変化を検証していない。PubMed抄録と書誌を2026年8月9日に再確認し、原著全文は取得していない。 / 利益相反: Allergan plcが研究を支援し、著者には同社の顧問、研究費受領者、講演者、社員・株式保有者が含まれる。
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ジュビダームビスタ ボリューマXC 電子添文
研究デザイン: PMDA公開の国内医療機器電子添文。使用目的、使用方法、警告、臨床成績、有害事象を収載。 / 対象: 承認目的は成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大。皮下または骨膜上深部へ注入する。承認時の比較臨床試験は加齢性中顔面ボリューム減少を対象とした。 / 結果: 血管内注入は禁止され、眉間・眼窩周囲には注入しない。承認時の中顔面試験では6か月時のMFVDS奏効率が処置群85.6%、未処置対照群38.9%だった。 / 限界: 電子添文は本症例の2年10か月前の頬中心5cc、今回5ccのフェイスライン・あご別配分、注入順、層、器具、個人の写真変化を示さない。比較臨床試験は中顔面が対象で、下顎部の有効性を直接比較した試験ではない。PDF全6頁を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 製造販売業者アッヴィ合同会社の承認製品電子添文である。
よくあるご質問
Q. この症例では、いつ・何を・何cc使いましたか?
2年10か月前にジュビダームビスタ ボリューマXC 5ccを頬中心へ使用し、今回は同製剤5ccをフェイスラインとあごへ追加しました。2回の治療時点と治療部位は分けて記録します。
Q. 掲載写真は今回の直前と直後ですか?
左は2年10か月前、右は今回の治療後です。今回だけの直前・直後比較ではなく、頬中心だった以前の治療と、今回のフェイスライン・あご治療を含む長期の輪郭変化です。
Q. フェイスラインとあごに何ccずつ入れましたか?
フェイスラインとあごを合わせた総量は5ccです。部位別の量を同数に固定せず、正面と両斜位で下顎縁の途切れ、あご先の位置、左右差を見ながら配分します。
Q. 現在の料金はいくらですか?
ヒアルロン酸は1本1cc 77,000円で、5本5ccは385,000円です。カテラン針を使用する場合は11,000円が加算されます。本症例は前額治療ではないため、前額施術料は加算しません。
Q. 治療後、すぐに連絡した方がよい症状はありますか?
通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化・暗紫色・網目状変化、冷たさ、視力や視野の異常があれば、予定の再診日を待たず直ちにご連絡ください。
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