症例紹介ADVATx(アドバテックス)

赤ら顔・毛細血管拡張・皮脂へアドバテックス5回を行った症例

顔全体の赤ら顔と肝斑が疑われる色調、小鼻周りの毛細血管拡張、皮脂を確認し、ADVATx(アドバテックス)レーザーの589nmと1319nmで5回治療した症例です。正面と斜位の写真で、赤み・血管・皮脂と肌質を分けて経過を追います。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2026年2月6日
実質更新日
2026年8月9日
赤ら顔・小鼻周りの毛細血管・皮脂へADVATxを5回行った治療前(左)と5回後(右)の正面・斜位症例

Contents

目次

  1. 5回後を、正面と斜位の同じ部位で比較します
  2. 面状の赤ら顔は、589nmで顔全体の分布を追います
  3. 小鼻周りの毛細血管は、線の太さと残る部位を確認します
  4. 皮脂と肌質は、1319nmの経過として赤みと分けて見ます
  5. 肝斑が疑われる色調は、赤みと同じ写真で別に記録します
  6. 5回コースの料金、国内未承認表示、照射後の確認点
  7. 診療で確認するポイント
  8. 治療選択の比較
  9. 費用の目安
  10. リスク・副作用・注意点
  11. 関連記事
  12. 関連施術・関連症状のご案内
  13. 執筆・監修
  14. 参考にした一次情報・ガイドライン
  15. よくあるご質問

5回後を、正面と斜位の同じ部位で比較します

治療前とADVATx 5回後を、正面と斜位で比較します。治療前は顔全体に赤ら顔があり、肝斑も疑われる色調と、小鼻周りの細い毛細血管、皮脂の多さが重なっていました。

この症例では589nmで赤み、肝斑が疑われた色調、小鼻周りの毛細血管拡張を追い、5回後に目立ちにくくなっています。1319nmでは皮脂の変化を追い、5回後に肌表面の見え方も変化しています。正面では顔全体の色調、斜位では頬から小鼻の血管と質感を比較します。

面状の赤ら顔は、589nmで顔全体の分布を追います

赤ら顔は、頬全体に広がる面状の赤み、ほてりに伴う変動、炎症性の赤み、細い血管が透ける赤みを分けます。この症例では正面と斜位で顔全体の赤みを記録し、589nmを用いた5回後まで同じ範囲を追いました。

589nmはヘモグロビンへの吸収を利用し、血管性の赤みへ用いる波長です。治療前後は、頬の赤みの面積、鼻周囲の血管、照射直後の赤み・熱感、次回までの戻り方を別々に記録します。

顔面紅斑へ589nmを複数回使う理由として、月1回の計4回後1か月に、医師評価の顔面紅斑が左右とも31%、本人評価が左右22.8〜23.2%改善したとの報告がありました(参考文献1)。

小鼻周りの毛細血管は、線の太さと残る部位を確認します

小鼻周りは、面で広がる赤みとは別に、線状または点状に見える毛細血管を左右で確認します。5回後に残る血管がある場合は、全顔の589nm照射と局所スポットの範囲を見直します。

線状血管が主な場合は、血管径、深さ、鼻翼の曲面、前回照射後の反応を見て、ADVATxの局所照射だけでなくPDLやIPLも比較します。血管が目立つ範囲と、肝斑が疑われる褐色調を同じ評価軸にしません。

面状紅斑と毛細血管拡張にPDLまたはIPLを比較する根拠として、月1回の計3回後に両者とも赤み・毛細血管拡張・自覚症状を改善し、治療間の差は認めなかったとの報告がありました(参考文献3)。

皮脂と肌質は、1319nmの経過として赤みと分けて見ます

1319nmは水分を含む真皮へ熱を加える波長で、皮脂、毛穴、肌表面の質感が赤みと重なるときに組み合わせます。この症例では、皮脂の多さと肌質を1319nmの評価項目に置き、5回後の正面・斜位で光沢、毛穴の見え方、乾燥、炎症性皮疹の有無を確認します。

皮脂は洗顔、保湿、季節、外用薬でも変わります。治療ごとに皮脂の戻る時期と乾燥・刺激感を記録し、1319nmを続ける範囲と次回時期を決めます。

赤みと皮脂を別の評価項目として追う理由として、589/1319nmを2〜3週おきに4回照射した結果、最終時点に炎症性皮疹が治療側23.1%減少、無治療側11.1%増加し、本人評価では赤み66.7%、皮脂77.8%に改善、全体満足77.8%との報告がありました(参考文献2)。

肝斑が疑われる色調は、赤みと同じ写真で別に記録します

この症例は顔全体の赤ら顔に加えて肝斑も疑い、ADVATxで治療を開始しました。5回後は赤み、小鼻周りの毛細血管とともに、肝斑が疑われた色調も薄く見えています。

褐色調は左右対称性、頬骨部の分布、炎症や摩擦との関係を記録し、赤みの変化と分けて追います。照射後に褐色調が濃くなる、熱感や乾燥が長引く場合は、次回の範囲・出力・間隔と遮光・外用を見直します。

5回コースの料金、国内未承認表示、照射後の確認点

ADVATx 589+1319nm全顔はスポット照射込みで1回30,000円、5回139,000円です。この症例は5回後の比較で、併用施術は記載されていません。

ADVATxは日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器で、医師の責任のもと適法な輸入手続きにより入手しています。米国ではK250189として510(k)クリアランスを受けていますが、日本の承認を意味しません。

照射中の痛み・熱感、照射後の赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感、色素沈着、水疱、やけどが起こることがあります。赤みが長引く、肝斑が疑われる色調が濃くなる、水疱・強い痛み・痂皮が生じる場合は次回を待たず確認します。

米国FDAのK250189では、589nmに顔面毛細血管拡張・酒さ・良性血管病変など、1319nmに小じわ、萎縮性ニキビ跡、軽症・中等症炎症性ニキビなどの適応が記載されています(参考文献4)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 正面と両斜位で、面状の赤ら顔、線状の小鼻周り毛細血管、肝斑が疑われる褐色調、皮脂・毛穴を同じ順序で記録します。
  • 589nmは顔全体の血管性の赤みと局所の毛細血管へ配分し、1319nmは皮脂と肌質が重なる範囲へ加えます。
  • 各回後に赤み・熱感・乾燥と、皮脂の戻り、褐色調の変化を確認して次の照射範囲と間隔を決めます。
  • 5回後は赤み、線状血管、皮脂・質感を別々に再評価し、残る所見に応じて589nmの局所照射、他の血管治療、外用・遮光を比較します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
ADVATx 589+1319nm全顔・スポット照射込み(掲載症例) 面状の赤ら顔、小鼻周りの毛細血管、皮脂・毛穴が同時に見られる状態 強い日焼け、照射部位の感染・強い皮膚炎、水疱・びらん、前回後の炎症や色素変化が続く状態 掲載症例は5回。各回後の赤み、血管、皮脂、褐色調を再評価 痛み、熱感、赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感。色素沈着、水疱、やけどの可能性 1回30,000円/5回139,000円 国内未承認。米国FDA K250189で波長別の複数適応に510(k)クリアランス
589nmの局所スポット 全顔の赤みの中に、小鼻周りなど限局した線状・点状血管が残る状態 褐色色素、炎症後色素沈着、肝斑が疑われる色調だけが主な状態 全顔治療時に必要部位へ追加し、次回同じ部位を再評価 局所の痛み、赤み、ほてり、腫れ、色素変化、水疱など 全顔料金はスポット照射込み ADVATxは国内未承認。血管径・部位と海外適応を確認して使用
PDLまたはIPL 面状の紅斑・毛細血管拡張が主で、血管径と範囲が機器特性に合う状態 皮脂・毛穴だけが主、強い日焼け、炎症・色素変化リスクが高い状態 複数回。前回反応と血管の残り方で調整 機器・設定により赤み、腫れ、紫斑、色素変化など 選択する機器・範囲の料金表を参照 使用する機器の販売名・承認番号・承認目的を個別確認

費用の目安

  • ADVATx 589+1319nm全顔・スポット照射込み:1回30,000円(税込)
  • 本症例と同じ5回コース:139,000円(税込)

この症例は5回後の比較です。併用施術の実施は記載されていないため、他施術の料金を加えていません。

リスク・副作用・注意点

  • 照射中の痛み、熱感、刺激感、照射後の一時的な赤み、ほてり、腫れ、乾燥など
  • 色素沈着、色素脱失、肝斑が疑われる色調や炎症の悪化、水疱、痂皮、やけど、まれに瘢痕など
  • 強い日焼け、照射部位の感染・強い皮膚炎、水疱・びらんがある場合は照射を延期することがあります。
  • 長引く赤み、褐色調の悪化、水疱、強い痛み、痂皮は次回を待たず確認が必要
  • 国内承認・適応: 本施術で使用するADVATxは日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。当院では医師の責任のもと適法な輸入手続きにより入手しています。米国ではK250189として、589nmに顔面毛細血管拡張・酒さ・良性血管病変など、1319nmに小じわ・萎縮性ニキビ跡・軽症中等症炎症性ニキビなどの510(k)クリアランスがあります。これは日本の承認ではなく、肝斑や1319nmによる皮脂低下の米国適応を示すものでもありません。未承認医療機器による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。

赤み、毛細血管、皮脂、肝斑が疑われる色調の評価を分け、安全情報はこの節とFAQへ集約しました。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Cohen DK, Gonzalez NE, Bloom BS, Goldberg DJ. J Cosmet Dermatol. 2018;17(5):770-774. doi:10.1111/jocd.12742. PMID:30291670.

    Use of a novel 589-nm solid-state laser for treatment of facial erythema

    研究デザイン: IRB承認の前向き単群研究。589nm固体レーザーを月1回、計4回照射し、各回前と最終照射1か月後に左右の顔面紅斑を医師と参加者が0〜4段階で評価した。 / 対象: 顔面紅斑の治療を希望した24人。女性16人、男性8人、平均51.1歳。 / 結果: 最終照射1か月後、医師評価の紅斑は左右とも31%、参加者評価は右23.2%、左22.8%改善し、副作用は照射直後の一過性紅斑に限られた。 / 限界: 対照群のない小規模単群研究で0〜4段階の主観尺度を用いた。肝斑、皮脂、1319nm、小鼻の線状血管、この症例の5回治療を直接検証していない。PubMed抄録を2026年8月9日に再確認し、原著全文は取得していない。 / 利益相反: PubMed助成情報にAdvalightが記載され、独立した利益相反記載は抄録で確認できない。

  2. Kang A, Lyons A, Herrmann J, Moy R. J Clin Aesthet Dermatol. 2019;12(3):28-31. PMID:30988870; PMCID:PMC6440707.

    Treatment of Moderate-to-severe Facial Acne Vulgaris with Solid-state Fractional 589/1,319-nm Laser

    研究デザイン: 米国単施設の前向き・無作為化・左右比較・単盲検研究。無作為に選んだ顔半側へ1319nmを1パス、続けて589nmを1パス照射し、2〜3週間隔で4回治療した。 / 対象: 17〜40歳の中等症〜重症顔面ニキビ9人。女性7人、男性2人。全員が完遂し、最終照射後は最長5.4週間追跡した。 / 結果: 最終時点の炎症性皮疹は治療側で23.1%減少、無治療側で11.1%増加した。本人評価では質感66.7%、赤み66.7%、皮脂77.8%に改善、全体満足77.8%だった。全員に24時間以内に消える一過性紅斑があった。 / 限界: 9人の小規模研究で標準治療との比較がなく、追跡は最長5.4週間。赤み・皮脂・質感は本人評価で、589nmと1319nmの各波長単独効果、肝斑・毛細血管拡張、本症例の5回結果を示さない。PMC原著全文を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 著者は関連する利益相反なしと記載している。

  3. Neuhaus IM, Zane LT, Tope WD. Dermatol Surg. 2009;35(6):920-928. doi:10.1111/j.1524-4725.2009.01156.x. PMID:19397667.

    Comparative efficacy of nonpurpuragenic pulsed dye laser and intense pulsed light for erythematotelangiectatic rosacea

    研究デザイン: 非紫斑形成性PDLとIPLを比較した無作為化・対照付き・評価者盲検の左右比較試験。月1回、計3回治療し、無治療対照も設けた。 / 対象: 中等症の顔面紅斑毛細血管拡張型酒さ患者29人。 / 結果: PDLとIPLはいずれも皮膚の赤み、毛細血管拡張、本人報告の関連症状を有意に減らし、両治療間に有意差はなかった。 / 限界: 29人の小規模試験で、特定のPDL・IPL設定と中等症の顔面酒さを扱った。ADVATx、小鼻だけの線状血管、肝斑、皮脂、5回治療を比較していない。PubMed抄録を2026年8月9日に再確認し、原著全文は取得していない。 / 利益相反: PubMed抄録・書誌に資金源と利益相反の記載はない。

  4. U.S. Food and Drug Administration. K250189 AdvaTx 510(k) Summary and Indications for Use. Decision date April 1, 2025.

    510(k) Premarket Notification K250189: AdvaTx

    研究デザイン: 米国FDAの510(k) substantially equivalent決定書、適応、機器概要、安全・性能比較を収載する公的規制資料。 / 対象: 589nmの適応には顔面・下肢毛細血管拡張、酒さ、良性血管・色素病変など、1319nmには小じわ、萎縮性ニキビ跡、軽症・中等症炎症性ニキビなどが記載される。 / 結果: AdvaTxは米国でK250189としてClass IIレーザー手術機器の510(k)クリアランスを受けている。 / 限界: 米国の510(k)クリアランスは日本国内の薬機法承認ではない。資料は本症例の5回結果、肝斑への有効性、1319nm単独の皮脂低下、院内設定を検証する臨床研究ではない。FDA PDF全11頁とPMDA医療機器検索を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 申請者AdvaLight APSが提出した規制資料をFDAが審査・公開した文書である。

よくあるご質問

Q. この症例は何回治療しましたか?

ADVATxを5回行いました。画像は左が治療前、右が5回後で、上段が正面、下段が斜位です。併用施術は記載されていません。

Q. 589nmは何を見ながら使いますか?

頬全体の面状の赤みと、小鼻周りの線状・点状の毛細血管を分けて使います。この症例では赤み、小鼻周りの毛細血管、肝斑が疑われた色調を5回後まで追いました。

Q. 1319nmは皮脂へどのように使いますか?

皮脂、毛穴、肌表面の質感が赤みと重なる範囲へ組み合わせます。洗顔・保湿・季節でも変わるため、皮脂の戻り、乾燥、炎症性皮疹を赤みとは別に確認します。

Q. 肝斑が疑われる場合も同じ設定で照射しますか?

褐色調の分布と赤みを分け、前回後の熱感・乾燥・色調変化を確認して範囲、出力、間隔を決めます。褐色調が濃くなる場合は照射計画と遮光・外用を見直します。

Q. 5回の料金と国内承認状況を教えてください。

全顔・スポット照射込みで5回139,000円、1回は30,000円です。ADVATxは国内未承認医療機器です。照射後に長引く赤み、色調悪化、水疱、強い痛み、痂皮があればご連絡ください。

ご予約・ご相談はこちら

気になる症状や治療方法について、初診予約・再診予約・お問い合わせからご相談いただけます。