おでこ・頬・あごへヒアルロン酸5ccを配分し、顔の重心を整える考え方
ヒアルロン酸製剤のボリューマXC 3本とボラックスXC 2本の計5ccを、おでこ・頬・あごへ配分した症例です。おでこの丸み、頬のチークトップ、あごからフェイスラインまでを正面と両斜位でつなぎ、中顔面が長く見える印象を整えました。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2026年5月7日
- 実質更新日
- 2026年8月9日



Contents
目次
一方の斜位では、おでこ・頬・あごの投影を上から順に追います
一方の斜位で、治療前後のおでこの曲面、頬の高い位置、あご先までを見比べます。治療後はおでこに丸みが加わり、頬のチークトップが上がって、あごからフェイスラインへ続く線も追いやすくなっています。
上顔面・中顔面・下顔面を同時に整えるときは、三つの投影が同じ斜位で連続する位置を終了点にします。治療後はメイクをした状態のため、ここでは肌色ではなく輪郭と立体感を見ています。
反対側の斜位では、あご先を輪郭の終点として確認します
反対側に近い斜位でも、おでこの丸み、頬の投影、あご先の位置を同じ順序で確認します。治療後は頬から口元、あご先へ視線が流れ、あごからフェイスラインのつながりが明瞭になっています。
あごは前方への投影と、下顎縁へつながる角度、下顔面の長さを同時に見ます。正面と二方向の斜位を往復し、あご先と下顎縁が連続する位置を選びます。
あご先と下顎輪郭を一緒に追う理由として、VYC-25Lによる治療後の医師評価の改善は3か月時100.0%、18か月時52.5%で、下顔面・下顎輪郭の満足度は18か月時も78.2%に改善がみられたとの報告がありました(参考文献1)。
正面では、頬の高い位置と顔の縦方向の重心を見ます
正面では、おでこの中央から左右の頬、あご先へ続く縦方向の重心を確認します。治療後は頬の高い位置が上がり、おでこの丸みとあご先が加わったことで、中顔面が長く見える印象がやわらいでいます。
頬は中央から外側までを追い、正面で左右の高さ、斜位で前方への投影を確認します。おでこ・頬・あごを同じ写真条件で再評価することで、5ccを顔全体のつながりとして判断します。
頬の高さと前方投影を正面・斜位の両方で評価する理由として、ボリューマによる頬の体積変化は6か月時に1.83mLで無治療の0.11mLを上回り、医師評価98.2%、本人評価93.8%が改善したとの報告がありました(参考文献2)。
5ccは、ボリューマXC 3本とボラックスXC 2本です
本症例の総量は5ccで、製剤の内訳はジュビダームビスタ ボリューマXC 3本とジュビダームビスタ ボラックスXC 2本です。治療部位はおでこ・頬・あごの三つです。
部位ごとの量は、斜位で必要な前方投影、正面で必要な左右差の調整、あご先までの輪郭を順に確認して配分します。おでこ・頬・あごのどこへ何ccを使ったかは、実際の製剤と注入位置を対応させて診療記録に残します。
おでこ・頬・あごで、承認範囲と血管安全を分けて確認します
頬では、ボリューマXCは成人の中顔面における減少したボリュームの増大が国内承認範囲です。あご・下顎では、ボリューマXCは成人の下顎部、ボラックスXCは成人顔面のボリューム回復・増大が国内承認範囲です。
おでこはボリューマXCの承認目的に含まれず、ボラックスXCも眉間・眼窩周囲は対象外です。前額では実際に使う製剤と位置を対応させ、適応外使用を含む場合は国内承認の範囲との差を説明します。
現在の料金は1本1CC 77,000円で、5本5ccは385,000円です。本症例は前額施術料22,000円を加えた407,000円で、カテラン針を使用する場合はさらに11,000円が加算されます。
通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化・暗紫色・網目状変化、冷たさ、視力・視野の異常がある場合は、予定の再診日を待たず直ちにご連絡ください。
ジュビダームビスタ ボリューマXCは、成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大を目的として、皮下または骨膜上深部へ使用する国内承認製剤です(参考文献3)。
ジュビダームビスタ ボラックスXCは、成人の顔面におけるボリューム回復・増大を目的として、皮下または骨膜上深部へ使用する国内承認製剤で、口唇・眉間・眼窩周囲は対象外です(参考文献4)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 最初に左右の斜位で、おでこの曲面、頬の高点、あご先までの投影を上から順に追います。
- 次に正面で頬の左右差と顔の縦方向の重心を確認し、斜位で必要な前方投影と正面で必要な幅の調整を分けます。
- ボリューマXC 3本とボラックスXC 2本の計5ccを、曲面と輪郭の終点が連続する量まで三つの部位へ配分します。
- 腫れが引いた後に同じ正面・両斜位で再評価し、メイクを落とした写真も加えて、形と肌色を別々に見直します。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| おでこ・頬・あごへ2製剤5cc(掲載症例) | おでこの平坦さ、頬の低い高点、あご先までの輪郭を同じ診察で整えたい状態 | 一部位だけの少量調整が主な状態、活動性炎症・感染、硬い結節、血流障害が疑われる状態 | 通常1回後、腫れが引いてから正面・両斜位を再評価 | 腫れ、内出血、痛み、左右差、凹凸、硬さ・結節。まれに血管閉塞、壊死、視覚障害 | 5本5cc 385,000円+前額施術料22,000円。カテラン針使用時は11,000円追加 | ボリューマXCは中顔面・下顎部が国内承認。前額は承認目的外。ボラックスXCは成人顔面が承認目的で、眉間・眼窩周囲は対象外 |
| おでこ・頬を中心に整える注入 | 前額の平坦さと頬の高点低下が主で、下顔面の支えが保たれている状態 | あご先や下顎縁の不足が顔全体の重心へ強く影響している状態 | 通常1回後、正面と左右斜位で前額・頬の曲面を再評価 | 腫れ、内出血、痛み、左右差、凹凸、硬さ・結節。前額では血管閉塞・視覚障害に特に注意 | 使用本数×1本1cc 77,000円+前額施術料22,000円 | ボリューマXCは中顔面が国内承認だが前額は承認目的に含まれない |
| あご・下顎輪郭を中心に整える注入 | あご先の投影や下顎縁の連続性が主な不足で、上・中顔面の曲面が保たれている状態 | おでこ・頬の平坦さが顔全体の重心へ強く影響している状態 | 通常1回後、正面と両斜位であご先・下顎輪郭を再評価 | 腫れ、内出血、痛み、左右差、凹凸、硬さ・結節。まれに血管閉塞 | 使用本数×1本1cc 77,000円 | ボリューマXCは成人の下顎部、ボラックスXCは成人顔面のボリューム回復・増大が国内承認範囲 |
費用の目安
- ヒアルロン酸:1本1cc 77,000円(税込)
- 本症例と同じ5本5cc:385,000円(税込)
- 前額施術料:22,000円(税込)
- 5本5cc+前額施術料:407,000円(税込)
- カテラン針を使用する場合:11,000円(税込)追加
すべて税込・自由診療です。本症例は前額治療を含むため、5本5ccに前額施術料を加えた407,000円です。元素材に器具の記載がないため、カテラン針は使用する場合だけ加算します。
リスク・副作用・注意点
- 注入部位の腫れ、赤み、痛み、圧痛、内出血、左右差、凹凸、硬さ・結節など
- アレルギー、感染、遅発性の炎症・結節、過修正、製剤の移動など
- まれに血管閉塞、皮膚の虚血・壊死、視力・視野障害、失明、脳卒中など
- 通常と異なる強い痛み、青白化、暗紫色または網目状の変化、冷たさ、見え方の異常は直ちに確認が必要
- 国内承認・適応: 本症例では国内承認医療機器のジュビダームビスタ ボリューマXC(承認番号22800BZX00338000)3本と、ジュビダームビスタ ボラックスXC(承認番号30200BZX00254000)2本を使用しています。ボリューマXCは成人の中顔面・下顎部・こめかみ、ボラックスXCは成人顔面のボリューム回復・増大が承認目的です。ボリューマXCの承認目的に前額は含まれず、ボラックスXCも眉間・眼窩周囲は対象外です。実際の製剤と注入位置を対応させ、適応外使用を含む場合は承認範囲との差を説明します。両製剤とも血管内注入は禁止されています。
前額・中顔面・下顎部の血管安全と緊急症状は患者本文の安全節とFAQへ集約しました。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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VYC-25L Hyaluronic Acid Injectable Gel Is Safe and Effective for Long-Term Restoration and Creation of Volume of the Lower Face
研究デザイン: 欧州10施設で行われた前向き・多施設・3対1無作為化・3か月待機対照試験。画像解析担当者のみ盲検化し、初回後に任意の追加注入、18〜24か月時に再処置を認めた。 / 対象: あごの後退がある成人120人を無作為化し、119人が初回処置を受けた。平均年齢46.2歳、女性91.7%、白人85.8%。初回・追加注入の総量中央値は3.43mLだった。 / 結果: 3か月時の医師GAIS改善率は100.0%、18か月時は52.5%だった。本人の下顔面・下顎輪郭満足度が改善した割合は18か月時78.2%だった。 / 限界: 長期の無処置対照がなく、18か月以降は再処置を選んだ人が多いため選択バイアスがある。本症例のボラックスXC 2本、三部位への5cc配分、正面・両斜位の変化を直接検証していない。 / 利益相反: Allerganが研究費、統計解析、メディカルライティングを提供し、著者に同社から研究費・謝金を受けた医師と同社社員を含む。
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A Randomized, Controlled, Multicenter Study of Juvéderm Voluma for Enhancement of Malar Volume in Chinese Subjects
研究デザイン: 未治療対照を置いた前向き多施設無作為化比較試験。三次元画像で両側頬部の体積変化を6か月時に評価した。 / 対象: 18歳以上の中国人146人。ボリューマ処置群119人、無治療対照群27人。中顔面への注入量中央値は2mLだった。 / 結果: 6か月時の頬部体積変化は処置群1.83mL、対照群0.11mL。GAIS改善率は医師98.2%、本人93.8%で、主な治療関連事象は軽度の注入部腫脹と内出血だった。 / 限界: 中国人の中顔面へボリューマを用いた研究で、本症例のおでこ・頬・あご合計5cc、製剤別3本・2本、部位別配分、メイクあり写真の変化を直接検証していない。 / 利益相反: Allerganが研究を支援し、メディカルライティングも同社が資金提供した。臨床著者はAllerganの治験担当、1著者はAllergan China社員、1著者はAllergan社員兼株主と開示されている。
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ジュビダームビスタ ボリューマXC 電子添文
研究デザイン: PMDA公開の国内医療機器電子添文。使用目的、使用方法、警告、臨床成績、有害事象を収載。 / 対象: 承認目的は成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大。皮下または骨膜上深部へ注入する。承認時の比較臨床試験は加齢性中顔面ボリューム減少を対象とした。 / 結果: 血管内注入は禁止され、眉間・眼窩周囲には注入しない。承認時の中顔面試験では6か月時のMFVDS奏効率が処置群85.6%、未処置対照群38.9%だった。 / 限界: 電子添文は前額を承認目的に含めず、本症例のボリューマXC 3本とボラックスXC 2本の部位別対応、注入順、層、器具、個人の写真変化を示さない。PDF全6頁を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 製造販売業者アッヴィ合同会社の承認製品電子添文である。
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ジュビダームビスタ ボラックスXC 電子添文
研究デザイン: PMDA公開の国内承認医療機器電子添文。使用目的、使用方法、警告、臨床成績、有害事象を収載。 / 対象: 成人。顔面におけるボリューム回復・増大を目的に使用し、口唇、眉間、眼窩周囲は適応に含まれない。 / 結果: 架橋ヒアルロン酸ナトリウム25mg/mLとリドカイン塩酸塩0.3wt%を含み、皮下または骨膜上深部への注入として承認されている。血管内注入を禁止し、血管障害、視力障害、失明、脳卒中、壊死等へ注意を求めている。 / 限界: 電子添文は本症例のボラックスXC 2本の部位別対応、おでこ・頬・あごへの配分、注入順、個人の写真変化を示さない。PDF全6頁を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 製造販売業者アッヴィ合同会社の承認製品電子添文である。
よくあるご質問
Q. この症例では、どの製剤を何cc使いましたか?
ジュビダームビスタ ボリューマXC 3本とジュビダームビスタ ボラックスXC 2本、合計5ccです。治療部位はおでこ・頬・あごです。
Q. おでこ・頬・あごへ何ccずつ使いますか?
三部位へ同量に分けるのではなく、正面と両斜位で、おでこの曲面、頬の高点、あご先までの投影を確認して配分します。実際の部位別の量と製剤は診療記録に残します。
Q. 治療後がメイクありでも変化を比べられますか?
輪郭、おでこの丸み、頬の高さ、あごからフェイスラインのつながりは比較できます。肌色や質感はメイクの影響を受けるため、次回のメイクなし写真で分けて確認します。
Q. この症例と同じ5ccの料金はいくらですか?
5本5ccは385,000円で、前額施術料22,000円を加えた合計は407,000円です。カテラン針を使用する場合は11,000円が追加となり、合計418,000円です。
Q. おでこ・頬・あごへの注入は国内承認範囲ですか?
ボリューマXCは成人の中顔面・下顎部が国内承認範囲ですが、前額は承認目的に含まれません。ボラックスXCは成人顔面のボリューム回復・増大が承認目的ですが、眉間・眼窩周囲は対象外です。実際の製剤と注入位置を対応させ、適応外使用を含む場合は承認範囲との差を説明します。
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