医師解説しわ・たるみヒアルロン酸注入

おでこ・頬・あごへヒアルロン酸5ccを配分し、顔の重心を整える考え方

ヒアルロン酸製剤のボリューマXC 3本とボラックスXC 2本の計5ccを、おでこ・頬・あごへ配分した症例です。おでこの丸み、頬のチークトップ、あごからフェイスラインまでを正面と両斜位でつなぎ、中顔面が長く見える印象を整えました。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2026年5月7日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 一方の斜位では、おでこ・頬・あごの投影を上から順に追います
  2. 反対側の斜位では、あご先を輪郭の終点として確認します
  3. 正面では、頬の高い位置と顔の縦方向の重心を見ます
  4. 5ccは、ボリューマXC 3本とボラックスXC 2本です
  5. おでこ・頬・あごで、承認範囲と血管安全を分けて確認します
  6. 診療で確認するポイント
  7. 治療選択の比較
  8. 費用の目安
  9. リスク・副作用・注意点
  10. 関連記事
  11. 関連施術・関連症状のご案内
  12. 執筆・監修
  13. 参考にした一次情報・ガイドライン
  14. よくあるご質問

一方の斜位では、おでこ・頬・あごの投影を上から順に追います

一方の斜位で、治療前後のおでこの曲面、頬の高い位置、あご先までを見比べます。治療後はおでこに丸みが加わり、頬のチークトップが上がって、あごからフェイスラインへ続く線も追いやすくなっています。

上顔面・中顔面・下顔面を同時に整えるときは、三つの投影が同じ斜位で連続する位置を終了点にします。治療後はメイクをした状態のため、ここでは肌色ではなく輪郭と立体感を見ています。

反対側の斜位では、あご先を輪郭の終点として確認します

反対側に近い斜位でも、おでこの丸み、頬の投影、あご先の位置を同じ順序で確認します。治療後は頬から口元、あご先へ視線が流れ、あごからフェイスラインのつながりが明瞭になっています。

あごは前方への投影と、下顎縁へつながる角度、下顔面の長さを同時に見ます。正面と二方向の斜位を往復し、あご先と下顎縁が連続する位置を選びます。

あご先と下顎輪郭を一緒に追う理由として、VYC-25Lによる治療後の医師評価の改善は3か月時100.0%、18か月時52.5%で、下顔面・下顎輪郭の満足度は18か月時も78.2%に改善がみられたとの報告がありました(参考文献1)。

正面では、頬の高い位置と顔の縦方向の重心を見ます

正面では、おでこの中央から左右の頬、あご先へ続く縦方向の重心を確認します。治療後は頬の高い位置が上がり、おでこの丸みとあご先が加わったことで、中顔面が長く見える印象がやわらいでいます。

頬は中央から外側までを追い、正面で左右の高さ、斜位で前方への投影を確認します。おでこ・頬・あごを同じ写真条件で再評価することで、5ccを顔全体のつながりとして判断します。

頬の高さと前方投影を正面・斜位の両方で評価する理由として、ボリューマによる頬の体積変化は6か月時に1.83mLで無治療の0.11mLを上回り、医師評価98.2%、本人評価93.8%が改善したとの報告がありました(参考文献2)。

5ccは、ボリューマXC 3本とボラックスXC 2本です

本症例の総量は5ccで、製剤の内訳はジュビダームビスタ ボリューマXC 3本とジュビダームビスタ ボラックスXC 2本です。治療部位はおでこ・頬・あごの三つです。

部位ごとの量は、斜位で必要な前方投影、正面で必要な左右差の調整、あご先までの輪郭を順に確認して配分します。おでこ・頬・あごのどこへ何ccを使ったかは、実際の製剤と注入位置を対応させて診療記録に残します。

おでこ・頬・あごで、承認範囲と血管安全を分けて確認します

頬では、ボリューマXCは成人の中顔面における減少したボリュームの増大が国内承認範囲です。あご・下顎では、ボリューマXCは成人の下顎部、ボラックスXCは成人顔面のボリューム回復・増大が国内承認範囲です。

おでこはボリューマXCの承認目的に含まれず、ボラックスXCも眉間・眼窩周囲は対象外です。前額では実際に使う製剤と位置を対応させ、適応外使用を含む場合は国内承認の範囲との差を説明します。

現在の料金は1本1CC 77,000円で、5本5ccは385,000円です。本症例は前額施術料22,000円を加えた407,000円で、カテラン針を使用する場合はさらに11,000円が加算されます。

通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化・暗紫色・網目状変化、冷たさ、視力・視野の異常がある場合は、予定の再診日を待たず直ちにご連絡ください。

ジュビダームビスタ ボリューマXCは、成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大を目的として、皮下または骨膜上深部へ使用する国内承認製剤です(参考文献3)。

ジュビダームビスタ ボラックスXCは、成人の顔面におけるボリューム回復・増大を目的として、皮下または骨膜上深部へ使用する国内承認製剤で、口唇・眉間・眼窩周囲は対象外です(参考文献4)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 最初に左右の斜位で、おでこの曲面、頬の高点、あご先までの投影を上から順に追います。
  • 次に正面で頬の左右差と顔の縦方向の重心を確認し、斜位で必要な前方投影と正面で必要な幅の調整を分けます。
  • ボリューマXC 3本とボラックスXC 2本の計5ccを、曲面と輪郭の終点が連続する量まで三つの部位へ配分します。
  • 腫れが引いた後に同じ正面・両斜位で再評価し、メイクを落とした写真も加えて、形と肌色を別々に見直します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
おでこ・頬・あごへ2製剤5cc(掲載症例) おでこの平坦さ、頬の低い高点、あご先までの輪郭を同じ診察で整えたい状態 一部位だけの少量調整が主な状態、活動性炎症・感染、硬い結節、血流障害が疑われる状態 通常1回後、腫れが引いてから正面・両斜位を再評価 腫れ、内出血、痛み、左右差、凹凸、硬さ・結節。まれに血管閉塞、壊死、視覚障害 5本5cc 385,000円+前額施術料22,000円。カテラン針使用時は11,000円追加 ボリューマXCは中顔面・下顎部が国内承認。前額は承認目的外。ボラックスXCは成人顔面が承認目的で、眉間・眼窩周囲は対象外
おでこ・頬を中心に整える注入 前額の平坦さと頬の高点低下が主で、下顔面の支えが保たれている状態 あご先や下顎縁の不足が顔全体の重心へ強く影響している状態 通常1回後、正面と左右斜位で前額・頬の曲面を再評価 腫れ、内出血、痛み、左右差、凹凸、硬さ・結節。前額では血管閉塞・視覚障害に特に注意 使用本数×1本1cc 77,000円+前額施術料22,000円 ボリューマXCは中顔面が国内承認だが前額は承認目的に含まれない
あご・下顎輪郭を中心に整える注入 あご先の投影や下顎縁の連続性が主な不足で、上・中顔面の曲面が保たれている状態 おでこ・頬の平坦さが顔全体の重心へ強く影響している状態 通常1回後、正面と両斜位であご先・下顎輪郭を再評価 腫れ、内出血、痛み、左右差、凹凸、硬さ・結節。まれに血管閉塞 使用本数×1本1cc 77,000円 ボリューマXCは成人の下顎部、ボラックスXCは成人顔面のボリューム回復・増大が国内承認範囲

費用の目安

  • ヒアルロン酸:1本1cc 77,000円(税込)
  • 本症例と同じ5本5cc:385,000円(税込)
  • 前額施術料:22,000円(税込)
  • 5本5cc+前額施術料:407,000円(税込)
  • カテラン針を使用する場合:11,000円(税込)追加

すべて税込・自由診療です。本症例は前額治療を含むため、5本5ccに前額施術料を加えた407,000円です。元素材に器具の記載がないため、カテラン針は使用する場合だけ加算します。

リスク・副作用・注意点

  • 注入部位の腫れ、赤み、痛み、圧痛、内出血、左右差、凹凸、硬さ・結節など
  • アレルギー、感染、遅発性の炎症・結節、過修正、製剤の移動など
  • まれに血管閉塞、皮膚の虚血・壊死、視力・視野障害、失明、脳卒中など
  • 通常と異なる強い痛み、青白化、暗紫色または網目状の変化、冷たさ、見え方の異常は直ちに確認が必要
  • 国内承認・適応: 本症例では国内承認医療機器のジュビダームビスタ ボリューマXC(承認番号22800BZX00338000)3本と、ジュビダームビスタ ボラックスXC(承認番号30200BZX00254000)2本を使用しています。ボリューマXCは成人の中顔面・下顎部・こめかみ、ボラックスXCは成人顔面のボリューム回復・増大が承認目的です。ボリューマXCの承認目的に前額は含まれず、ボラックスXCも眉間・眼窩周囲は対象外です。実際の製剤と注入位置を対応させ、適応外使用を含む場合は承認範囲との差を説明します。両製剤とも血管内注入は禁止されています。

前額・中顔面・下顎部の血管安全と緊急症状は患者本文の安全節とFAQへ集約しました。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Ogilvie P, Benouaiche L, Philipp-Dormston WG, et al. Aesthet Surg J. 2020;40(9):NP499-NP510. doi:10.1093/asj/sjaa013. PMID:31960896; PMCID:PMC7427156.

    VYC-25L Hyaluronic Acid Injectable Gel Is Safe and Effective for Long-Term Restoration and Creation of Volume of the Lower Face

    研究デザイン: 欧州10施設で行われた前向き・多施設・3対1無作為化・3か月待機対照試験。画像解析担当者のみ盲検化し、初回後に任意の追加注入、18〜24か月時に再処置を認めた。 / 対象: あごの後退がある成人120人を無作為化し、119人が初回処置を受けた。平均年齢46.2歳、女性91.7%、白人85.8%。初回・追加注入の総量中央値は3.43mLだった。 / 結果: 3か月時の医師GAIS改善率は100.0%、18か月時は52.5%だった。本人の下顔面・下顎輪郭満足度が改善した割合は18か月時78.2%だった。 / 限界: 長期の無処置対照がなく、18か月以降は再処置を選んだ人が多いため選択バイアスがある。本症例のボラックスXC 2本、三部位への5cc配分、正面・両斜位の変化を直接検証していない。 / 利益相反: Allerganが研究費、統計解析、メディカルライティングを提供し、著者に同社から研究費・謝金を受けた医師と同社社員を含む。

  2. Li D, Wang X, Wu Y, et al. Plast Reconstr Surg. 2017;139(6):1250e-1259e. doi:10.1097/PRS.0000000000003355. PMID:28538556; PMCID:PMC5444429.

    A Randomized, Controlled, Multicenter Study of Juvéderm Voluma for Enhancement of Malar Volume in Chinese Subjects

    研究デザイン: 未治療対照を置いた前向き多施設無作為化比較試験。三次元画像で両側頬部の体積変化を6か月時に評価した。 / 対象: 18歳以上の中国人146人。ボリューマ処置群119人、無治療対照群27人。中顔面への注入量中央値は2mLだった。 / 結果: 6か月時の頬部体積変化は処置群1.83mL、対照群0.11mL。GAIS改善率は医師98.2%、本人93.8%で、主な治療関連事象は軽度の注入部腫脹と内出血だった。 / 限界: 中国人の中顔面へボリューマを用いた研究で、本症例のおでこ・頬・あご合計5cc、製剤別3本・2本、部位別配分、メイクあり写真の変化を直接検証していない。 / 利益相反: Allerganが研究を支援し、メディカルライティングも同社が資金提供した。臨床著者はAllerganの治験担当、1著者はAllergan China社員、1著者はAllergan社員兼株主と開示されている。

  3. アッヴィ合同会社. ジュビダームビスタ ボリューマXC 電子添文. 2023年8月(第1版). 医療機器承認番号22800BZX00338000.

    ジュビダームビスタ ボリューマXC 電子添文

    研究デザイン: PMDA公開の国内医療機器電子添文。使用目的、使用方法、警告、臨床成績、有害事象を収載。 / 対象: 承認目的は成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大。皮下または骨膜上深部へ注入する。承認時の比較臨床試験は加齢性中顔面ボリューム減少を対象とした。 / 結果: 血管内注入は禁止され、眉間・眼窩周囲には注入しない。承認時の中顔面試験では6か月時のMFVDS奏効率が処置群85.6%、未処置対照群38.9%だった。 / 限界: 電子添文は前額を承認目的に含めず、本症例のボリューマXC 3本とボラックスXC 2本の部位別対応、注入順、層、器具、個人の写真変化を示さない。PDF全6頁を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 製造販売業者アッヴィ合同会社の承認製品電子添文である。

  4. アッヴィ合同会社. ジュビダームビスタ ボラックスXC 電子添文. 2023年8月(第1版). 医療機器承認番号30200BZX00254000.

    ジュビダームビスタ ボラックスXC 電子添文

    研究デザイン: PMDA公開の国内承認医療機器電子添文。使用目的、使用方法、警告、臨床成績、有害事象を収載。 / 対象: 成人。顔面におけるボリューム回復・増大を目的に使用し、口唇、眉間、眼窩周囲は適応に含まれない。 / 結果: 架橋ヒアルロン酸ナトリウム25mg/mLとリドカイン塩酸塩0.3wt%を含み、皮下または骨膜上深部への注入として承認されている。血管内注入を禁止し、血管障害、視力障害、失明、脳卒中、壊死等へ注意を求めている。 / 限界: 電子添文は本症例のボラックスXC 2本の部位別対応、おでこ・頬・あごへの配分、注入順、個人の写真変化を示さない。PDF全6頁を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 製造販売業者アッヴィ合同会社の承認製品電子添文である。

よくあるご質問

Q. この症例では、どの製剤を何cc使いましたか?

ジュビダームビスタ ボリューマXC 3本とジュビダームビスタ ボラックスXC 2本、合計5ccです。治療部位はおでこ・頬・あごです。

Q. おでこ・頬・あごへ何ccずつ使いますか?

三部位へ同量に分けるのではなく、正面と両斜位で、おでこの曲面、頬の高点、あご先までの投影を確認して配分します。実際の部位別の量と製剤は診療記録に残します。

Q. 治療後がメイクありでも変化を比べられますか?

輪郭、おでこの丸み、頬の高さ、あごからフェイスラインのつながりは比較できます。肌色や質感はメイクの影響を受けるため、次回のメイクなし写真で分けて確認します。

Q. この症例と同じ5ccの料金はいくらですか?

5本5ccは385,000円で、前額施術料22,000円を加えた合計は407,000円です。カテラン針を使用する場合は11,000円が追加となり、合計418,000円です。

Q. おでこ・頬・あごへの注入は国内承認範囲ですか?

ボリューマXCは成人の中顔面・下顎部が国内承認範囲ですが、前額は承認目的に含まれません。ボラックスXCは成人顔面のボリューム回復・増大が承認目的ですが、眉間・眼窩周囲は対象外です。実際の製剤と注入位置を対応させ、適応外使用を含む場合は承認範囲との差を説明します。

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