POTENZA PRIMEのチップ選択と肌悩み別の考え方
POTENZA PRIMEは、肝斑、赤み・酒さ、ハリ・肌質、薬剤導入、小さな丘疹、針なし引き締めでチップを分けます。肌悩みの名称だけで選ばず、色・血管・凹凸・丘疹・ゆるみのうち今回変えたい所見を決め、届かせる層と工程を組み立てます。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2026年6月13日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
6つの目的から最初のチップ候補を決めます
当院が初回導入チップの例として示したのは、肝斑のMLS1616、赤み・酒さのRSC-N25、ハリ・肌質改善のRJV-X36、ドラッグデリバリーのPMP-I25・PMP-N25、汗管腫など小病変のMIL1、針を使わないDIA-F・SFA-E・DDR-Rです。
最初に、茶色い色調、持続する赤み、凹凸・質感、診断できる小丘疹、輪郭のゆるみのどれを写真で追うか決めます。次に、針で真皮へRFを届けるのか、薬剤導入まで行うのか、針を使わず表面からRFを届けるのかを選び、深度・出力・ショット数を組みます。
主訴からRFを届ける層を決め、最後にチップを選ぶ理由として、モノポーラは深部、バイポーラは電極間の比較的浅い層、マイクロニードルRFは針深度と絶縁部位によって加熱層が変わるとの報告がありました(参考文献1)。
肝斑のMLS1616と赤み・酒さのRSC-N25を分けます
左右の頬や額へ広がる褐色斑が主で、摩擦や紫外線の後に濃淡が変わる肝斑にはMLS1616を候補にします。治療前後を同じ照明で撮影し、色の濃さだけでなく照射後の赤み、乾燥、色素沈着も記録して、次回の刺激量を決めます。
びまん性の赤み、細い血管、ほてりが主な場合はRSC-N25を候補にします。診察では一時的な紅潮と持続する紅斑を分け、酒さ様の炎症、活動性ニキビ、外用刺激の有無を確認して、赤みを追う範囲を先に地図にします。
茶色と赤みが同じ頬に重なる場合は、MLS1616とRSC-N25を一律に重ねません。今回優先する所見を一つ決め、色と紅斑を別々の写真指標で追い、次のチップまたは外用・遮光へつなげます。
肝斑の色調を1回直後だけで決めず、同じ条件で経過を追う理由として、マイクロニードリング併用治療の改善差は4週から現れ、3回で有意差がみられ、6回で最大になったとの報告がありました(参考文献2)。
RJV-X36の真皮治療とPMP-I25・PMP-N25の薬剤導入を分けます
毛穴の縁が緩んで見える、細かな凹凸やハリ低下が面で広がる場合は、真皮を狙うリジュビネーション用のRJV-X36を候補にします。部位ごとの皮膚厚と凹凸の深さを見て、顔全体を同じ深度・同じショット密度にしません。
ニキビ跡や毛穴へマックームなどを導入する場合は、PMP-I25またはPMP-N25を候補にします。先に導入薬剤、対象範囲、使用量を決め、RFで加熱する工程と、微細なチャネルを通じて薬剤を導入する工程を分けて記録します。
質感を整えるだけなら薬剤を必ず加えるわけではありません。瘢痕の癒着、深いアイスピック型、活動性ニキビが主な場合は、PMPだけで完結させず、サブシジョン、TCA CROSS、炎症治療との順序を別に組みます。
MIL1の小病変治療とDIA-F・SFA-E・DDR-Rの針なしRFを分けます
MIL1は、汗管腫など小さな丘疹を一つずつ治療する候補です。下まぶたに多発する肌色から淡褐色の汗管腫を、白く硬い稗粒腫、中央にくぼみがある脂腺増殖症、平らなイボなどと見分け、汗管腫と診断した病変の大きさ・部位・深さへ合わせます。
大きさや色が不揃い、急に増える、出血・潰瘍がある、単発で硬く固定する丘疹はMIL1へ進めず、ダーモスコピー、切除または生検で診断します。小さなブツブツという見え方だけで同じチップを使わないことが、この群の最初の分岐です。
DIA-F・SFA-E・DDR-Rは、針を使わない引き締め・肌質改善の候補です。フェイスラインや頬のゆるみを正面・斜位で確認し、凹み瘢痕や薬剤導入ではなく、皮膚表面からRFを届ける目的に用います。
顔を5つの所見に分け、1回ごとに同じ指標を追います
診察では、褐色斑、持続する紅斑、毛穴・凹凸、小丘疹、輪郭のゆるみを別の色で顔写真へ記録します。主訴が複数あるときも、今回の治療で追う指標を一つ決め、チップ、針の有無、深度、出力、ショット数、薬剤を設定表へ残します。
施術後は、針ありRFなら赤み、腫れ、点状出血、痂皮、鱗屑が戻るまでの日数、針なしRFなら熱感、赤み、腫れ、輪郭写真の変化を確認します。次回は反応と主指標を照合し、チップ、深度、ショット密度、薬剤のうち一項目ずつ調整します。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 褐色斑、持続する紅斑、毛穴・凹凸、小丘疹、輪郭のゆるみを同じ写真上で分け、今回もっとも変えたい所見を一つ決めます。
- その所見からMLS1616、RSC-N25、RJV-X36、PMP-I25・PMP-N25、MIL1、DIA-F・SFA-E・DDR-Rの候補を絞り、針の有無とRFを届ける層を決めます。
- 薬剤導入では薬剤と対象範囲を先に決め、小丘疹では病名を確定してから、深度・出力・ショット数を部位別に設定します。
- 施術後の写真と回復日数を設定表へ戻し、次回は主指標に関係する一項目だけを調整します。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| MLS1616 | 左右の頬・額へ広がる褐色斑が主で、肝斑の色調を追う状態 | 診断未確定の色素病変、強い炎症・日焼け直後、赤みや血管だけが主な状態 | 肝斑治療コースは全顔5回。色調と刺激反応を毎回再評価 | 赤み、腫れ、刺激感、乾燥、点状出血、痂皮、炎症後色素沈着 | 肝斑治療コース 全顔5回165,000円 | POTENZA PRIMEは国内未承認医療機器 |
| RSC-N25 | 持続するびまん性紅斑、細い血管、酒さ様の赤みを追う状態 | 一過性の紅潮だけ、活動性の強い皮膚炎・感染、褐色斑だけが主な状態 | 1回ごとに紅斑と回復日数を評価。赤ら顔メニューは3回料金あり | 痛み、赤み、腫れ、点状出血、痂皮、鱗屑、色素沈着 | 赤ら顔・ニキビ・毛穴 全顔1回55,000円/3回156,750円 | POTENZA PRIMEは国内未承認医療機器 |
| RJV-X36 | 毛穴の縁の緩み、細かな凹凸、面状のハリ・肌質低下を真皮から整えたい状態 | 深いアイスピック型瘢痕、強い癒着、活動性ニキビ、小丘疹の診断が必要な状態 | 1回ごとに毛穴・凹凸と回復日数を評価。3回料金あり | 痛み、赤み、腫れ、点状出血、痂皮、鱗屑、乾燥、色素沈着 | 赤ら顔・ニキビ・毛穴 全顔1回55,000円/3回156,750円 | POTENZA PRIMEは国内未承認医療機器 |
| PMP-I25・PMP-N25+薬剤導入 | ニキビ跡・毛穴へRFとマックーム等の薬剤導入を一続きで行う状態 | 薬剤へのアレルギー歴、感染・強い炎症、薬剤導入を必要としない状態 | 凹凸と薬剤反応を1回ごとに評価。3回料金あり | ニードルRFの反応に加え、感染、アレルギー、結節、遷延する赤み・腫れ | 瘢痕治療・薬剤導入 全顔1回66,000円/3回188,100円。薬剤追加各22,000円 | 機器とマックーム等の導入薬剤は国内未承認 |
| MIL1 | 汗管腫と診断し、病変ごとに大きさ・部位・深さを合わせる小丘疹 | 稗粒腫、脂腺増殖症、診断不一致、急な増大・出血・潰瘍がある病変 | 痂皮・腫れが落ち着いた後に残存と再発を評価し、病変ごとに調整 | 痛み、赤み、腫れ、点状出血、痂皮、色素沈着、凹み・瘢痕、感染 | 小病変の固定料金は料金正本に未掲載。病変数・部位・必要回数で案内 | POTENZA PRIMEは国内未承認医療機器 |
| DIA-F・SFA-E・DDR-R(針なしRF) | フェイスライン・頬の軽度のゆるみ、針を使わず肌質を整えたい状態 | 針での瘢痕治療、薬剤導入、小丘疹への限局治療が目的の状態 | 輪郭写真と熱反応を1回ごとに再評価 | 一時的な赤み、熱感、腫れ、痛み。まれに熱傷・色素変化 | ダイヤモンドチップ:ほうれい線・フェイスライン38,000円/全顔48,400円。SFA-E・DDR-Rのチップ別料金は未掲載 | POTENZA PRIMEは国内未承認医療機器 |
費用の目安
- 肝斑治療コース 全顔:5回165,000円
- 赤ら顔・ニキビ・毛穴治療 全顔:1回55,000円/3回156,750円
- 瘢痕治療・薬剤導入 全顔:1回66,000円/3回188,100円
- 薬剤追加:マックーム、ボトックス、ジュベルック 各22,000円
- ダイヤモンドチップ:ほうれい線・フェイスライン1回38,000円/全顔1回48,400円
- MIL1など小病変治療の固定料金は料金正本に掲載なし
自由診療・税込です。料金表にはPrime専用の別加算は掲載されていません。SFA-E・DDR-Rのチップ別料金とMIL1の固定料金は掲載がないため、確認できたメニュー料金だけを記載しています。
リスク・副作用・注意点
- ニードルRFでは、痛み、赤み、腫れ、点状出血、痂皮、鱗屑、乾燥、炎症後色素沈着、熱傷、瘢痕が生じることがあります。
- 薬剤導入では、使用薬剤による刺激、アレルギー、感染、硬結・結節、遷延する赤み・腫れが生じることがあります。
- 小病変治療では、痂皮、色素沈着、凹み・瘢痕、感染、残存・再発が生じることがあります。
- 針なしRFでは、一時的な赤み、熱感、腫れ、痛み、まれに熱傷・色素変化が生じることがあります。
- 国内承認・適応: POTENZA PRIMEは日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。当院ではJeisys Medical Inc.から医師の責任で個人輸入しています。国内に同一性能を有する承認医療機器はなく、未承認機器による健康被害は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。マックーム、ジュベルックなどの導入薬剤も国内未承認で、製剤ごとに入手経路、承認の有無、主なリスクを説明します。
当院施術ページでは、針を用いる設定の目安として赤み約3日、腫れ約2日、鱗屑3〜7日を案内しています。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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The Landscape of Radiofrequency Technology for Skin Rejuvenation
研究デザイン: PubMedとWeb of Scienceを検索し、モノポーラ、バイポーラ、マルチポーラ、マイクロニードルRFの機序、方式、臨床研究を比較したシステマティックレビュー / 対象: 複数のRF方式と患者研究を横断したレビューで、単一の総対象人数は設定されていません / 結果: モノポーラは深部へ、バイポーラは電極間の比較的浅い層へ熱を届け、マイクロニードルRFでは針深度と絶縁・非絶縁構造によって加熱層が変わるとの報告がありました。 / 限界: 検索期間、採択研究数、バイアス評価の詳しい記載が乏しく、機器、出力、対象、評価法が不均一です。POTENZA PRIME固有のMLS1616、RSC-N25、RJV-X36、PMP-I25・PMP-N25、MIL1、DIA-F・SFA-E・DDR-Rを比較した研究ではありません。著者は利益相反なしと申告しています。原著全文を2026年8月8日に確認しました。
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Efficacy of Microneedle as an Assisted Therapy for Melasma: A Meta-analysis and Systematic Review of Randomized Controlled Trials
研究デザイン: 肝斑へのマイクロニードリング併用療法を対照治療と比較した18件の無作為化比較試験のシステマティックレビュー・メタ解析 / 対象: 5か国の計1,245人。女性98.23%、18〜60歳、Fitzpatrick皮膚型I〜V / 結果: 併用治療の改善差は4週から現れ、24週で最大でした。回数別では3回から有意差がみられ、6回で最大でした。患者満足度は高く、有害反応は軽度との報告がありました。 / 限界: 薬剤、治療計画、針の種類・長さ・深度、患者集団が不均一で、一部解析は2〜3研究のみでした。RFマイクロニードリングは除外されており、POTENZA PRIME、MLS1616、RSC-N25の効果や回数を検証した研究ではありません。四川省科学技術プログラムの助成を受け、著者は利益相反なしと申告しています。原著全文を2026年8月8日に確認しました。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. 6つのチップ群はどう使い分けますか?
肝斑の褐色斑にはMLS1616、持続する赤み・酒さにはRSC-N25、面状のハリ・肌質にはRJV-X36、薬剤導入にはPMP-I25・PMP-N25、汗管腫など診断した小病変にはMIL1、針なし引き締めにはDIA-F・SFA-E・DDR-Rを候補にします。
Q. 肝斑と赤みが同じ頬にある場合はどちらを先に治療しますか?
褐色斑と紅斑を別々に撮影し、今回優先して変化を追う所見を一つ決めます。色が主ならMLS1616、持続する赤み・血管が主ならRSC-N25を候補にし、外用・遮光と照射後の反応を見て次の治療を組みます。
Q. RJV-X36とPMP-I25・PMP-N25の違いは何ですか?
RJV-X36は真皮を狙うハリ・肌質改善の候補です。PMP-I25・PMP-N25は、RF治療にマックームなどの薬剤導入を組み合わせるときに用います。薬剤が不要な質感治療へ一律にPMPを選ぶわけではありません。
Q. 小さなブツブツにはMIL1を使いますか?
まず汗管腫、稗粒腫、脂腺増殖症、イボ、腫瘍性病変を見分けます。汗管腫と診断した丘疹ではMIL1を候補にしますが、急な増大、出血・潰瘍、診断が一致しない病変は生検または切除を先に行います。
Q. 費用、ダウンタイム、国内承認状況を教えてください。
肝斑コースは全顔5回165,000円、赤ら顔・ニキビ・毛穴は全顔1回55,000円・3回156,750円、瘢痕・薬剤導入は1回66,000円・3回188,100円、薬剤追加は各22,000円、ダイヤモンドチップ全顔は48,400円です。針ありでは赤み約3日、腫れ約2日、鱗屑3〜7日が目安です。POTENZA PRIMEとマックーム等の導入薬剤は国内未承認で、医師の責任で個人輸入等により使用します。
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