医師解説クマ治療料金表

クマとり手術直後の凹凸と赤みの見方

CO2レーザーを用いた経結膜切除の術前と術直後を、正面・左右斜位で比較した症例です。直後の赤みと下眼瞼の凹凸、切除した脂肪、術後1週間の過ごし方、涙溝への追加治療を考える時期を順に解説します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2022年4月1日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 正面では赤みと下眼瞼の凹凸を分けて見ます
  2. 左右斜位で、ふくらみの先に残る涙溝まで確認します
  3. 動画では正面から両側面まで連続して比べます
  4. 切除した脂肪は写真で記録し、術後の輪郭と照合します
  5. 最初の1週間は創部をこすらず、出血と内出血を追います
  6. 急な眼窩痛と視機能の変化は、通常の赤みと分けます
  7. 涙溝への追加注入は、腫れが落ち着いた後に考えます
  8. 診療で確認するポイント
  9. 治療選択の比較
  10. 費用の目安
  11. リスク・副作用・注意点
  12. 関連記事
  13. 関連施術・関連症状のご案内
  14. 執筆・監修
  15. 参考にした一次情報・ガイドライン
  16. よくあるご質問

正面では赤みと下眼瞼の凹凸を分けて見ます

本症例は、CO2レーザーを用いた経結膜切除によるクマとりです。手術時間は1時間弱で、正面写真の上段が術前、下段が術直後です。直後には手術操作による結膜と下眼瞼の赤みがありますが、術前に目の下で影を作っていたふくらみと段差は平らになっています。

術直後の正面では、赤みの強さだけでなく、内側から外側までのふくらみ、左右差、下眼瞼の高さ、閉瞼、急に増える腫れや出血を確認します。色味は手術操作で変わるため、形の変化と分けて記録します。

左右斜位で、ふくらみの先に残る涙溝まで確認します

左右の斜位写真でも、上段の術前に比べ、下段の術直後は眼窩脂肪による前方への張り出しが減っています。斜位では、下眼瞼から頬へ移る輪郭、外側まで続くふくらみ、左右の高さを正面より立体的に確認できます。

眼窩脂肪のふくらみが減っても、内側の涙溝や頬へ続くゴルゴラインは別の凹みとして残ることがあります。術直後から位置を分けて記録し、腫れが落ち着いた時点で追加注入の必要性を判断します。

経過後に涙溝と下眼瞼位置を再評価する理由として、脂肪の切除不足は外科医評価で4.9%、涙溝変形は9.7%、下眼瞼後退は1.2%で、患者満足度は100点換算で平均92.8点だったとの報告がありました(参考文献2)。

動画では正面から両側面まで連続して比べます

動画は、術前と術直後を上下に並べ、片側の側面から正面、反対側の側面まで連続して比較しています。見る方向が変わっても、下眼瞼のふくらみが減り、頬へ続く輪郭が滑らかになっているかを確認できます。

同じ照明と表情でも、視線や顔の向きで目の下の影は変わります。正面だけで終了点を決めず、左右斜位と側面で突出部位、涙溝、下眼瞼位置を見直します。

切除した脂肪は写真で記録し、術後の輪郭と照合します

切除した脂肪組織は、4つの小片を定規とともに記録しています。切除組織の記録を術前後の正面・斜位写真と照合し、ふくらみが減った位置と下眼瞼から頬への輪郭を確認します。

CO2レーザーは結膜側の切開と止血に用います。器具の特徴だけで回復を判断せず、術後は赤み、結膜浮腫、内出血、結膜創、下眼瞼位置を追います。

CO2レーザー後も結膜と皮膚側を同じ項目で追う理由として、CO2レーザーではモノポーラ電気手術より術中の熱感と術後の結膜浮腫が少ない一方、術後内出血、結膜炎、審美的満足度には差がなく、モノポーラ群の3人に結膜肉芽腫が生じたとの報告がありました(参考文献1)。

最初の1週間は創部をこすらず、出血と内出血を追います

術後は点眼液と内服薬を使用し、1日クーリングとテーピングを行います。薬剤名は処方内容に沿って案内します。コンタクトレンズの使用と目を強くこする行為は1週間控えます。

創部からの少量の出血は術後数日、内出血は1週間ほど続くことがあり、吸収される過程で頬が黄色く見える場合があります。内出血を伴う腫れは1ヶ月ほど続くこともあるため、日ごとの増減と左右差を確認します。

急な眼窩痛と視機能の変化は、通常の赤みと分けます

急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視、止まりにくい出血は、通常の赤みや内出血とは異なる経過として直ちに評価します。

急な眼窩痛と視機能変化を緊急対応へ分ける理由として、眼窩内出血は約0.055%、永久的な視力喪失を伴うものは約0.0045%で、多くは術後3時間以内でしたが数日後にも起こり得るとの報告がありました(参考文献3)。

涙溝への追加注入は、腫れが落ち着いた後に考えます

経結膜切除で整えるのは眼窩脂肪によるふくらみです。涙溝やゴルゴラインの凹みが経過後も目立つ場合は、残る範囲に対する注入治療を追加するか検討します。追加する材料と量は、腫れが落ち着いた後の凹みの幅・深さ、下眼瞼の支持、注入歴に合わせて選びます。

現在の総合料金表では、経結膜脱脂術は189,000円(税込)です。美容目的のクマとりは自由診療で、後日に注入治療を追加する場合は、選ぶ方法と使用量に応じた別の施術費が必要です。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 術前に正面・左右斜位・側面で、眼窩脂肪のふくらみ、涙溝、ゴルゴライン、下眼瞼位置を分けて記録します。
  • 術直後は同じ方向で輪郭を照合し、赤みと形の変化を分けながら、左右差、閉瞼、出血、下眼瞼位置を確認します。
  • 最初の1週間は点眼・内服、1日のクーリングとテーピング、コンタクトと擦過の休止を案内し、少量出血と内出血の経過を追います。
  • 腫れが落ち着いてから涙溝・ゴルゴラインを再評価し、残る凹みに追加注入が必要かを決めます。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
CO2レーザーを用いた経結膜切除 眼窩脂肪の突出が目の下のふくらみと影の中心で、皮膚切除を必要としない状態 涙溝・ゴルゴライン、色調、皮膚弛緩だけが見え方の中心で、脂肪突出が乏しい状態 通常1回。術直後と経過後に正面・斜位で再評価 少量出血は数日、内出血は約1週間。内出血を伴う腫れは約1か月続くことがある 経結膜脱脂術 189,000円(税込) 手術手技。CO2レーザー機器は機種と使用目的ごとに承認範囲を確認
術直後からの経過観察 赤み・腫れ・少量出血が日ごとに改善し、眼球突出、視力・視野変化、複視がない状態 急な眼窩痛、急速な片側腫脹、眼球突出、視力・視野変化、複視、止まりにくい出血がある状態 術直後に確認し、指定日に再診。症状があれば予定を待たず評価 1日のクーリングとテーピング、コンタクトと強い擦過は1週間休止 術後診察・処置は手術契約と実施内容により異なる 経過観察自体は医薬品・医療機器の承認対象ではない
経過後の追加注入 脱脂後の腫れが落ち着いても、涙溝・ゴルゴラインの凹みが残る状態 脱脂だけで輪郭が整った状態、腫れ・出血が残る術直後、使用材料や既往が確認できない状態 形態が落ち着いた後に方法と範囲を決定 選ぶ注入材料・方法により腫れ、内出血、左右差、凹凸、しこり、感染など 注入材料・使用量・部位により別途 使用する製剤・材料・注入部位ごとに承認範囲と適応外使用を説明

費用の目安

  • 現行料金:経結膜脱脂術 189,000円(税込)
  • 涙溝・ゴルゴラインへ後日注入治療を追加する場合:材料・使用量・部位により別途

2026年8月9日に現行総合料金表を確認しました。目の下のふくらみを整える美容目的の経結膜脱脂は自由診療です。

リスク・副作用・注意点

  • 経結膜切除:痛み、赤み、腫れ、内出血、血腫、感染、左右差、脂肪の残存・取りすぎによる凹み、軽い下眼瞼外反、凹凸の残存
  • 結膜浮腫、結膜充血、異物感、流涙、ドライアイ、閉瞼不全、複視
  • まれに眼窩内出血、眼球突出、視力・視野障害など、緊急処置を要する合併症
  • 注入治療を追加する場合:使用材料・方法に応じて腫れ、内出血、左右差、凹凸、しこり、感染、血管障害など
  • 国内承認・適応: 経結膜切除は手術手技です。CO2レーザーは使用機種と承認された使用目的が異なり、眼瞼結膜の切開への使用が承認範囲外となる場合があります。後日に注入治療を行う場合は、使用する製剤・材料、注入部位、併用する薬剤・機器の承認状況を個別に説明します。

急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視、止まりにくい出血がある場合は直ちにご連絡ください。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Chen CF, Mao SH, Yen CI, et al. Plast Reconstr Surg. 2023;152(4):747-753. doi:10.1097/PRS.0000000000010255. PMID:36723988.

    Carbon Dioxide Laser Transconjunctival Lower Blepharoplasty: An Objective and Quantitative Comparison to Monopolar Electrosurgery

    研究デザイン: 経結膜的下眼瞼形成術でCO2レーザーとモノポーラ電気手術を比較した無作為化比較試験。 / 対象: 2018年8月から2021年3月に経結膜的下眼瞼形成術を受けた78人。年齢、性別、局所麻酔量、脂肪切除量は両群で差がなかった。 / 結果: CO2レーザー群は術中の熱感と術後結膜浮腫が少なかった。術後内出血、結膜炎、審美的満足度には差がなく、モノポーラ群の3人(7.89%)に結膜肉芽腫が生じた。 / 限界: CO2レーザーとモノポーラ電気手術だけの比較で、冷刃メスやバイポーラとの直接比較ではない。PubMed抄録では機器設定、割付隠蔽、追跡期間の詳細を確認できず、この症例の出血量や回復を予測する資料ではない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にNCBI PubMed抄録と書誌情報を再確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。

  2. Kashkouli MB, Pakdel F, Kiavash V, et al. Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2013;29(4):249-255. doi:10.1097/IOP.0b013e31828ecfb9. PMID:23645352.

    Transconjunctival Lower Blepharoplasty: A 2-Sided Assessment of Results and Subjects' Satisfaction

    研究デザイン: 単一眼形成外科医が行った経結膜的下眼瞼形成術の診療録と術前後写真を用い、外科医評価と患者評価を比較した後ろ向き横断研究。 / 対象: 6か月以上追跡できた164人(女性133人)。平均年齢50.7歳、平均追跡22.8か月。 / 結果: 外科医評価では脂肪の切除不足4.9%、涙溝変形9.7%、下眼瞼後退1.2%。患者評価では順に3.7%、0.6%、1.2%で、満足度は100点換算で平均92.8点だった。 / 限界: 単施設・単一術者の後ろ向き研究で、術式の詳細や併用手技がこの症例と同一ではない。再手術例と追跡6か月未満を除外しており、CO2レーザーの効果、術直後の赤み・腫れ、個人の結果を示さない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にNCBI PubMed抄録と書誌情報を再確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。

  3. Hass AN, Penne RB, Stefanyszyn MA, Flanagan JC. Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2004;20(6):426-432. doi:10.1097/01.iop.0000143711.48389.c5. PMID:15599241. Erratum: Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2005;21(2):169.

    Incidence of Postblepharoplasty Orbital Hemorrhage and Associated Visual Loss

    研究デザイン: 米国眼形成再建外科学会会員への質問票による回顧的調査。出血の発症時期、治療、視力喪失を集計。 / 対象: 237人の回答医師が経験した眼瞼美容手術269,433件。眼窩内出血149件、一時的視力喪失48件、永久的視力喪失12件。 / 結果: 眼窩内出血は約0.055%、永久的視力喪失を伴う出血は訂正後約0.0045%。多くは術後0〜3時間に起き、24時間後にリスクは低下したが、数日後にも発症した。 / 限界: 医師の記憶に基づく質問票で想起バイアスがある。上・下眼瞼、術式、切開器具が混在し、CO2レーザーによる経結膜切除だけの発生率ではない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にNCBI PubMed抄録、訂正文、書誌情報を再確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。

  4. 厚生労働省

    医療広告ガイドライン

    自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。

よくあるご質問

Q. 術直後の赤みは手術結果に影響しますか?

術直後は結膜と下眼瞼に手術操作による赤みがみられます。この時点では、赤みと、眼窩脂肪のふくらみ・下眼瞼の段差の変化を分けて確認し、色味は経過後にあらためて評価します。

Q. 術後のクーリングとテーピングは何日行いますか?

本症例では1日行いました。固定期間を延長するかどうかは術後の出血や腫れに応じて案内します。強く圧迫したり、自己判断で固定を続けたりせず、術後指示に沿ってください。

Q. コンタクトレンズはいつから使えますか?

本症例の案内では、コンタクトレンズと目を強くこする行為を1週間控えます。再開時は、出血、結膜の腫れ、痛みや異物感がないことを確認します。

Q. 術後の少量出血や頬の黄色みはどのくらい続きますか?

創部からの少量出血は数日、内出血は1週間ほど続くことがあり、吸収の途中で頬が黄色く見える場合があります。出血が止まりにくい、片側だけ腫れが増える、痛みが強くなる場合は予定を待たずご連絡ください。

Q. クマとりで涙溝やゴルゴラインも消えますか?

経結膜切除は眼窩脂肪のふくらみを整える手術です。涙溝やゴルゴラインの凹みが残る場合は、腫れが落ち着いてから追加注入の必要性と方法を検討します。

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