医師解説毛穴アドバテックス

シミ・毛穴治療でビタミンA外用をどう位置づけるか

ZOスキン勉強会でシミ、ビタミンA、毛穴治療、診察の心得を医師間で共有しました。ビタミンA外用は、顔全体の色むら・光老化、面皰を伴う毛穴詰まりに役割があり、低濃度・低頻度から始めて機器治療と刺激時期を分けます。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2022年12月11日
実質更新日
2026年8月9日
ビタミンA外用とシミ・毛穴治療の勉強会画像

Contents

目次

  1. ZOスキン勉強会で共有したシミ・ビタミンA・毛穴治療
  2. シミでは、顔全体の色むらと光老化へビタミンAを組み込む
  3. 毛穴では、面皰・皮脂・瘢痕を分けて役割を決める
  4. 低濃度を夜2〜3回から始め、頻度と濃度を別々に上げる
  5. レーザー・ピーリングとは刺激の時期を分ける
  6. 診療で確認するポイント
  7. 治療選択の比較
  8. 費用の目安
  9. リスク・副作用・注意点
  10. 関連記事
  11. 関連施術・関連症状のご案内
  12. 執筆・監修
  13. 参考にした一次情報・ガイドライン
  14. よくあるご質問

ZOスキン勉強会で共有したシミ・ビタミンA・毛穴治療

広島の鼻岡先生にZOスキンの勉強会をしていただき、その後、シミ、ビタミンA、毛穴治療、診察の心得について医師間で話し合いました。掲載写真は、勉強会後に参加者が集まった場面です。

話題になったのは、シミを点だけでなく顔全体の色調としてどう見るか、ビタミンAの濃度と頻度をどこから始めるか、毛穴詰まりと瘢痕・皮脂による毛穴をどう分けるかという日常診療の課題です。同じ課題に苦心しながら、各医師が反応を見て工夫していることを共有できた勉強会でした。

シミでは、顔全体の色むらと光老化へビタミンAを組み込む

細かな褐色斑、黄ぐすみ、ざらつき、小じわが顔全体に重なるとき、ビタミンA外用は、表皮の角化と光老化による色むらを面として整えるホームケアに位置づけます。毎朝同じ条件の遮光を続け、8〜12週ごとに色調と刺激反応を写真で比べます。

輪郭が明瞭な日光黒子、左右対称に広がる肝斑、炎症後色素沈着は同じ『シミ』でも治療の中心が異なります。日光黒子は病変単位のレーザー、肝斑は遮光と色素産生を抑える外用、炎症後色素沈着は炎症を鎮める段階を先に置き、ビタミンAは顔全体の色むらと角化を整える役割として組み合わせます。

細かな色むらと光老化へビタミンA外用を継続する理由として、0.025〜0.1%のトレチノイン外用により、まだらな色素沈着、黄ぐすみ、日光黒子、しわが改善し、1か月から24か月の評価で変化が確認されたとの報告がありました(参考文献1)。

毛穴では、面皰・皮脂・瘢痕を分けて役割を決める

白い角栓や黒ずみを伴う毛穴は、毛包内の角化と面皰を中心に見ます。この場合は処方の外用レチノイドをニキビ治療として用い、炎症性丘疹があれば抗菌薬や過酸化ベンゾイルを同じ治療計画の中で組みます。ZOスキンの化粧品レチノールと、ニキビ治療に用いる処方レチノイドは区分と根拠が異なります。

皮脂が多く開いて見える毛穴では、洗顔後の皮脂量、赤み、ニキビの分布を一緒に記録します。凹んだニキビ跡、加齢による皮膚のゆるみ、毛の影で目立つ毛穴は角化だけの問題ではないため、瘢痕治療、RF・レーザー、脱毛などを原因に合わせて配置します。

面皰を伴う毛穴詰まりへ処方レチノイドを用いる理由として、外用レチノイドによる全般改善は24.1〜28.8%で基剤の13.3〜17.3%を上回り、過酸化ベンゾイル併用では12週の全般改善が26.1〜34.9%で基剤の7〜11.8%を上回ったとの報告がありました(参考文献3)。

低濃度を夜2〜3回から始め、頻度と濃度を別々に上げる

初めてZOスキンのレチノールを使う場合は、スキンブライセラム0.25を週2〜3回、夜の洗顔後の清潔で乾いた肌に塗るところから始めます。赤み、乾燥、皮むけが落ち着いて使えたら1日おきへ増やし、0.25を使い切った後に0.5、さらに継続できた後に1.0へ進めます。頻度と濃度を同じ日に上げず、どちらの変更で反応したか分かるようにします。

乾燥しやすい肌では保湿剤を組み合わせ、翌朝は日焼け止めを使用します。痛みを伴う赤み、亀裂、腫れ、湿疹が出た場合は外用を休み、保湿で落ち着いた後に、前に使えた濃度と頻度へ戻します。強いA反応を避け、予定した期間を継続できる濃度と頻度に整えます。

化粧品レチノールを低濃度から始め、実際の皮膚反応を見て一段ずつ上げる理由として、市販製品では細かいしわへの軽度改善がみられた一方、基剤との差がなかったとの報告がありました(参考文献2)。

ZOスキンの製品仕様として、製造元は、初めて使用する場合は低濃度を夜週2〜3回から始め、慣れたら1日おきへ増やすこと、スキンブライセラムは0.25から0.5、1.0へ段階的に進めることを示しています(参考文献4)。

レーザー・ピーリングとは刺激の時期を分ける

レーザー、ピーリング、マイクロニードル治療を予定するときは、照射や穿刺の前にレチノールを休み、施術後の赤み、熱感、乾燥、痂皮が落ち着いてから低い頻度で再開します。休薬日数は施術の深さと皮膚反応で決めるため、予約時に現在の製品名、濃度、最終使用日を記録します。

機器治療の直後に濃度を上げると、施術による反応と外用による反応を区別できません。施術の経過を確認する期間は洗顔、保湿、遮光を基本とし、皮膚が戻った後に外用を一つずつ再開して、色調、毛穴詰まり、赤みのどこが変化したかを評価します。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 最初に、シミは境界明瞭な病変と顔全体の色むら、毛穴は面皰・皮脂・瘢痕・皮膚のゆるみに分け、ビタミンAで扱う所見を決めます。
  • ZOスキンの化粧品レチノールは0.25を夜週2〜3回から始め、頻度を増やした後に0.5、1.0へ進みます。ニキビの面皰には処方レチノイドを別の治療として選びます。
  • レーザーやピーリングを組み合わせる場合は、外用の最終使用日、施術後の皮膚反応、再開した日を時系列で記録し、一度に変更する項目を一つにします。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
低〜中濃度レチノール 初めて使う、乾燥しやすい、長く継続したい 強い炎症中、妊娠中など使用を避ける条件がある 毎日のケアとして8〜24週を目安に評価 乾燥・赤み・皮むけ・刺激感 製品・処方内容により異なる 化粧品と医薬品を分け、医薬品は承認適応・禁忌を確認
高濃度レチノール 低濃度を継続でき、色むら・毛穴・小じわを段階的に見たい 刺激性皮膚炎、強い乾燥、近接する施術予定がある 毎日のケアとして8〜24週を目安に評価 乾燥・赤み・皮むけ・刺激感 製品・処方内容により異なる 化粧品と医薬品を分け、医薬品は承認適応・禁忌を確認
処方レチノイド/施術併用 診断に基づく治療やレーザーとの計画管理が必要 自己判断で外用と施術の刺激を重ねる状態 毎日のケアとして8〜24週を目安に評価 乾燥・赤み・皮むけ・刺激感 製品・処方内容により異なる 化粧品と医薬品を分け、医薬品は承認適応・禁忌を確認

費用の目安

  • ポテンツァ 赤ら顔・にきび・毛穴治療 全顔 1回 ¥55,000 / 3回 ¥156,750
  • アドバテックス 589nm + 1319nm 全顔 1回 ¥30,000 / 5回 ¥139,000
  • ヒアルロン酸注入 1本 1cc ¥77,000

ビタミンA外用そのものの費用は採用製品と濃度で変わり、院内治療の費用は、ニキビ、赤み、小じわのどれを優先するかで変わります。実際の提案内容は診察時にご確認ください。

リスク・副作用・注意点

  • ビタミンA外用では、赤み、乾燥、皮むけ、刺激感が出ることがあります。
  • ポテンツァやアドバテックスでは、一時的な赤み、腫れ、ほてり、ざらつきがみられることがあります。
  • ヒアルロン酸注入では、痛み、腫れ、内出血、アレルギー、血流障害などに注意が必要です。
  • 国内承認・適応: 製品・機器と使用目的により異なるため、販売名・承認番号・承認範囲をPMDAで照合

刺激を重ねすぎないよう、外用と施術の組み合わせや施術前後のスキンケアは診察時の説明をご確認ください。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Sitohang IBS, Makes WI, Sandora N, Suryanegara J. Int J Womens Dermatol. 2022;8(1):e003. doi:10.1097/JW9.0000000000000003.

    Topical tretinoin for treating photoaging: A systematic review of randomized controlled trials

    研究デザイン: 7件の無作為化比較試験を対象にしたシステマティックレビュー / 対象: 計739人、脱落113人。4研究は女性のみで、ほか3研究も女性が多数。 / 結果: 0.025〜0.1%のトレチノイン外用と1研究の5%ピーリングで、まだらな色素沈着、黄ぐすみ、日光黒子、しわの改善が報告された。評価期間は1か月から24か月。 / 限界: 製剤、濃度、評価項目、治療期間が異なり、異質性のためメタ解析は行われていない。ZOスキンの化粧品レチノールを直接検証したレビューではない。研究はインドネシア共和国研究技術省の助成を受け、利益相反はない。

  2. Spierings NMK. J Clin Aesthet Dermatol. 2021;14(9):33-40.

    Evidence for the Efficacy of Over-the-counter Vitamin A Cosmetic Products in the Improvement of Facial Skin Aging: A Systematic Review

    研究デザイン: 9件の無作為化二重盲検・基剤対照試験を批判的に評価したシステマティックレビュー / 対象: 市販レチノール・レチナール化粧品を評価した9試験 / 結果: 4試験は基剤との差がなく、5試験は細かいしわの軽度改善を示したが、主要評価項目や解析方法に重大な問題があった。 / 限界: 製品、濃度、基剤、評価期間が異なる。9試験中8試験は製品メーカーの支援を受けており、スキンブライセラム0.25・0.5・1.0の効果や濃度間の優劣を直接比較していない。レビュー著者は利益相反なしと申告している。

  3. Kolli SS, Pecone D, Pona A, Cline A, Feldman SR. Am J Clin Dermatol. 2019;20(3):345-365. doi:10.1007/s40257-019-00423-z.

    Topical Retinoids in Acne Vulgaris: A Systematic Review

    研究デザイン: 2008年から2018年の外用レチノイド54臨床試験を対象にしたシステマティックレビュー / 対象: 12歳以上・各試験20人超で、米国承認のアダパレン、トレチノイン、タザロテンを評価した54試験 / 結果: 外用レチノイドによる全般改善は24.1〜28.8%、基剤は13.3〜17.3%。過酸化ベンゾイル併用では12週の全般改善が26.1〜34.9%、基剤は7〜11.8%だった。 / 限界: 製剤、濃度、併用薬、評価尺度が異なる。ZOスキンの化粧品レチノールや、瘢痕・皮膚のゆるみによる毛穴を評価した研究ではない。PubMed抄録を2026年8月8日に再確認し、原著全文は取得していない。

  4. ZO Skin Health, Inc. The Power of Retinol. 日本向け公式製品教育情報.

    The Power of Retinol|レチノール製品の濃度と使用方法

    研究デザイン: 製造元による製品仕様・使用案内 / 対象: 患者を対象とした臨床研究ではない / 結果: 初回は低濃度を夜週2〜3回から開始し、慣れたら1日おきへ増やす。スキンブライセラム0.25は初心者・敏感肌、0.5は一般使用者、1.0は上級者向けと記載されている。 / 限界: 製造元情報であり、0.25・0.5・1.0の有効性や刺激性を同じ条件で比較した患者研究ではない。濃度と頻度は個別の皮膚反応に合わせる必要がある。

よくあるご質問

Q. ビタミンA外用はシミと毛穴の両方に使えますか?

顔全体の細かな色むら、光老化、面皰を伴う毛穴詰まりに役割があります。境界明瞭な日光黒子、肝斑、凹んだニキビ跡、皮膚のゆるみで目立つ毛穴は、レーザー、別の外用、瘢痕・たるみ治療を組み合わせます。

Q. ZOスキンのレチノールはどの濃度・頻度から始めますか?

初めての場合はスキンブライセラム0.25を夜週2〜3回から始め、使えたら1日おきへ増やします。0.25を使い切った後に0.5、さらに継続できた後に1.0へ進め、頻度と濃度を同時に上げません。

Q. 赤み・皮むけが出たときはどうしますか?

軽い乾燥は保湿を追加し、痛みを伴う赤み、亀裂、腫れ、湿疹があればレチノールを休みます。落ち着いた後は、前に使えた濃度と頻度へ戻して再開します。

Q. レーザーやピーリングの前後も使えますか?

施術前は案内された時点で休み、施術後の赤み、熱感、乾燥、痂皮が落ち着いてから低頻度で再開します。施術の種類で休薬期間が異なるため、製品名、濃度、最終使用日を予約時に伝えてください。

Q. ZOスキンのビタミンA製品の費用と区分は?妊娠中も使えますか?

スキンブライセラム0.25・0.5・1.0は化粧品で、現在の当院価格は14,300〜18,480円です。ニキビに用いる処方レチノイドとは別の製品です。妊娠中・授乳中はレチノールを使用しません。

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