1年半の複合美容治療を振り返る|治療履歴と全顔評価
この症例では、ZOスキン、マッサージピール、ポテンツァ、ウルトラセルQプラス、額ヒアルロン酸などを組み合わせ、正面・左右斜位で1年半の変化を追いました。疲れや重力を感じさせにくく、若々しく元気でありながら、施術感を出しすぎない全顔設計を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2023年7月1日
- 実質更新日
- 2026年8月9日



Contents
目次
1年半かけて肌・輪郭・支えを順番に整えた症例です
目標は『疲れ、重力、加齢を感じさせず、若々しく元気な印象に、でもやった感を出さない』ことです。1年半の治療には、ZOスキンとセラピューティック、マッサージピール、ポテンツァ、ハイフシャワー、ウルトラセルQプラスとリニア、額ヒアルロン酸、ボトックスを組み合わせました。
正面の1年半前と現在を比べると、目の下から前頬にかけての影、ほうれい線から口角下へ続く影がやわらぎ、頬から顎へつながる輪郭がまとまって見えます。特定の一部位だけを大きく変えず、顔全体が明るく元気に見える変化として確認します。
肌の色と質感は外用・ピーリング・ポテンツァで段階的に整えます
ZOスキンのセラピューティックは外用で色むらと光老化へ、マッサージピールは表面のつやと質感へ、ポテンツァは選択するチップに応じて皮膚へRFを届け、毛穴、赤み、肌のハリへ、それぞれ異なる役割を持ちます。刺激が重ならないように一つずつ反応を確認し、赤みや皮むけが落ち着いてから次の施術へ進みます。
画像2の斜位では、現在の頬で色むらと粗さが目立ちにくくなり、目の下から頬、口元へ続く影の境界がなだらかに見えます。肌表面を均一にすることは、輪郭そのものを変えなくても疲れた印象を減らす一部になります。
頬から顎の輪郭はHIFU、額の形はヒアルロン酸で役割を分けます
投稿当時のウルトラセルQプラスでは、ハイフシャワーで皮膚寄りの層、ドット照射で深い支持層、リニア照射で頬下部や顎下の脂肪層を狙い分けています。額ヒアルロン酸は、熱で引き締める治療とは別に、額の丸みと上顔面の連続性を支える治療です。
画像3の反対側の斜位では、現在の頬から口元、顎下へ続く線が滑らかになり、下顔面が重く見えにくくなっています。額や頬を大きく膨らませるのではなく、引き締める範囲と支えを足す範囲を分けることで、正面だけでなく左右斜位でも自然な輪郭を作ります。
頬から顎の輪郭をHIFU後も経時評価する根拠として、MFU-V後に何らかの全体的改善を認めた割合は医師評価89%、患者評価84%、満足した割合は84%との報告がありました(参考文献1)。
『やった感』を出さないため、変化が落ち着いてから次の一手を足します
ボトックスは強く働く表情筋、ヒアルロン酸は減った支持、HIFUは皮膚・皮下組織のゆるみ、外用・ピーリング・ポテンツァは肌の色と質感を担当します。最初に顔の印象へ最も影響している要素を一つ選び、前の変化が安定した時点で、まだ残る影や輪郭へ次の治療を重ねます。
1年半後の評価では、正面だけでなく左右斜位を並べ、目周り、前頬、ほうれい線、口角下、額、フェイスラインを同時に見ます。ふくらませすぎ、細くしすぎ、表情を止めすぎる変化を避け、本人らしい顔立ちを保ったまま、若々しく元気な印象へ近づけます。
HIFU・注入・ボトックスの順序を顔型と部位ごとに変える根拠として、上顔面・中顔面・下顔面の所見と治療前の顔型に応じて、MFU-V、ヒアルロン酸、ボツリヌストキシンAの組み合わせと順序を変えるとの報告がありました(参考文献2)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- この症例では、『疲れて見える影』『重力を感じる下向きの輪郭』『色むらと粗さ』を正面と左右斜位で地図にし、1年半後に同じ部位を見直します。
- 肌の色と質感にはZOスキン、マッサージピール、ポテンツァ、頬下部から顎下の重さにはHIFU、額の丸みと上顔面の支持にはヒアルロン酸、筋の強い動きにはボトックスと、担当する所見を分けます。
- 治療は、炎症を伴う肌治療、熱治療、注入、筋作用の評価時期を分け、前の反応が落ち着いてから次に残る一項目を追加します。
- 正面・左右斜位で目周りから顎までの連続性がそろい、表情時にも本人らしい動きが保たれたところを終了点にします。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| HIFU・RFによる熱治療 | 皮膚から支持組織の軽度〜中等度のゆるみ、輪郭のもたつき | 容量不足や強い皮膚余剰が主、痩せた頬へ過度な加熱を避けたい状態 | 機器により1回または複数回。反応後に再評価 | 赤み・熱感・圧痛・腫れ。まれに熱傷・神経症状・脂肪変化 | HIFU頬33,000円/目周り27,000円。RFは機器・範囲により異なる | 機器名・カートリッジ・目的ごとの国内承認範囲を確認 |
| ヒアルロン酸注入 | 目の下・頬・こめかみ・顎などの支持や容量不足による影 | 脂肪や皮膚の余りが主、炎症・感染、血管リスクを許容できない状態 | 通常1回後に評価し、必要量だけ段階追加 | 腫れ・内出血・凹凸・結節・感染。まれに血管閉塞、皮膚壊死、視機能障害 | 1cc 77,000円。部位により針代・施術料が加わる | 使用製剤の販売名、承認番号、承認部位・目的を確認 |
| ボツリヌストキシン治療 | 額・眉間・目尻・口角・咬筋など、筋肉の強い動きが印象へ影響する状態 | 容量不足や皮膚余剰が主、神経筋疾患、妊娠・授乳など製剤上の禁忌 | 通常1回。約2週間後に作用と左右差を評価 | 注射痛・内出血・左右差・表情の重さ・部位に応じた機能変化 | 部位・製剤・単位数により異なる | 製剤と部位・使用目的ごとの国内承認範囲を確認 |
費用の目安
- セルフケア製品や処方薬は選ぶ製品・処方内容により異なります。診察・施術を伴う場合は当院料金表で確認します。
この記事だけで特定の購入・施術を勧めるものではありません。料金と診療区分は各案内ページに記載しています。
リスク・副作用・注意点
- 一時的な赤み、熱感、腫れ、乾燥が出ることがあります。
- まれに内出血が出ることがあります。
- たるみの主因が凹みや支持低下である場合は、単独では十分に整理しにくいことがあります。
- 国内承認・適応: 製品・機器と使用目的により異なるため、販売名・承認番号・承認範囲をPMDAで照合
施術後の反応や適応は個人差があるため、顔の厚みや脂肪量を診察で確認したうえで判断します。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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可視化機能付きマイクロフォーカス超音波の有効性と安全性
研究デザイン: 2023年までのMFU-V研究を対象とし、PRISMAに沿って42研究を採用した系統的レビュー・メタ解析 / 対象: 医師による全体改善評価411人、患者による全体改善評価312人、満足度326人。顔・首とその他の部位を含み、42研究のうち比較対照試験は2研究、9研究は観察研究、31研究は前後比較研究だった。 / 結果: 何らかの全体的改善を認めた割合は医師評価89%、患者評価84%、満足した割合は84%、疼痛の平均は10点中4.85だったとの報告がありました。 / 限界: 多くが対照群のない前後比較で、照射部位、深さ、設定、評価尺度が不均一である。中立回答を改善または満足へ含めた研究では効果を過大評価する可能性があり、ウルトラセルQプラスまたはZi固有の効果や、本症例の変化量を示さない。PubMed書誌とPMC原著全文を2026年8月8日に再確認した。
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アジア人の顔面美容における注入・ボツリヌストキシン・MFU-V併用のコンセンサス
研究デザイン: アジア人の上顔面・中顔面・下顔面に対するBoNT-A、ヒアルロン酸・CaHA、MFU-Vの組み合わせと順序を検討した専門家コンセンサス / 対象: アジア人の治療経験を持つ専門医11人。70〜90%の賛同を中等度、90%以上を強い合意と定義した。 / 結果: 治療前の顔型と上・中・下顔面の所見に応じて、MFU-V、ヒアルロン酸・CaHA、BoNT-Aを単独または組み合わせ、治療順序を変える推奨が示されたとの報告がありました。 / 限界: 患者を対象に効果を比較した試験ではなく、11人の専門家合意である。特定の治療間隔、回数、製剤量、1年半の複合治療成績を示さず、複数著者に関連企業との利益相反がある。PubMed書誌とPMC原著全文を2026年8月8日に再確認した。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. この1年半では、どの施術を組み合わせていますか?
この1年半では、ZOスキン、セラピューティック、マッサージピール、ポテンツァ、ハイフシャワー、ウルトラセルQプラス、ウルトラセルQプラスリニア、額ヒアルロン酸、ボトックスを組み合わせました。肌表面、真皮、脂肪、支持、表情筋で役割を分けています。
Q. 写真では、どこが変化して見えますか?
正面では目の下から前頬、ほうれい線から口角下の影と下顔面のまとまりを見ます。左右斜位では頬の色と質感、頬から口元・顎下へ続く線、額から頬の連続性を比べます。現在の写真では、局所を大きく変えるより、全顔で影と輪郭がなだらかに見えます。
Q. なぜ1年半かけて治療するのですか?
外用やポテンツァ後の肌変化、HIFU後の引き締まり、ヒアルロン酸の形、ボトックスの筋作用は、評価できる時期が異なります。前の変化が落ち着いてから残る所見だけを追加すると、必要以上に熱・容量・筋作用を重ねずに全顔を整えられます。
Q. 治療の順番は、どのように決めますか?
最初に、色・質感、頬下部や顎下の重さ、額や頬の支持不足、表情筋の強さのどれが印象へ最も影響しているかを決めます。肌の炎症が強ければ安定化を先に、脂肪とゆるみが主ならHIFUを先に、形の不足が残ればヒアルロン酸、筋の動きが残ればボトックスを重ねます。
Q. 投稿当時と現在で、機器名・料金・承認状況は同じですか?
症例で用いた名称はウルトラセルQプラスですが、現在当院が案内するHIFUはウルトラセルZiです。現行総合料金表では、ウルトラセルZi全顔+首の医師施術128,000円、ハイフリニア頬または顎下33,000円、ポテンツァ全顔55,000円から、ヒアルロン酸1cc 77,000円です。ポテンツァとウルトラセルZiは国内未承認医療機器で、医師が個人輸入しています。HIFUでは赤み、腫れ、痛み、しびれ、熱傷、ポテンツァでは赤み、腫れ、点状出血、痂皮、色素沈着、注入では内出血、腫れ、しこり、まれに血管閉塞が起こることがあります。
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