医師解説しわ・たるみウルトラセルZi

ウルトラセルZiとは|HIFUとヒアルロン酸を選ぶたるみ治療の考え方

ウルトラセルZiは、ドットとリニアを切り替え、照射する深さを調整できる医療HIFUです。ゆるみを引き締めるドット、脂肪層へ熱を届けるリニア、減った支えを補うヒアルロン酸を、正面・斜位・横顔の所見から使い分けます。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2023年1月27日
実質更新日
2026年8月9日
ウルトラセルZiの機器とHIFU治療を案内する画像

Contents

目次

  1. ウルトラセルZi導入時のご案内
  2. HIFUは、ゆるみと脂肪へ狙った深さで熱を届ける
  3. ヒアルロン酸は、減った支えとボリュームを補う
  4. 引き締める場所と、補う場所を一枚の顔に描く
  5. 直後の腫れではなく、経過写真の輪郭で評価する
  6. 診療で確認するポイント
  7. 治療選択の比較
  8. 費用の目安
  9. リスク・副作用・注意点
  10. 関連記事
  11. 関連施術・関連症状のご案内
  12. 執筆・監修
  13. 参考にした一次情報・ガイドライン
  14. よくあるご質問

ウルトラセルZi導入時のご案内

当院ではウルトラセルZiの導入により、ドットとリニアを使い分けるHIFU治療を行っています。画像は導入時の機器本体と院内告知です。

たるみ治療では、HIFUで引き締めるべき所見と、ヒアルロン酸で支えるべき所見を分けます。正面だけでなく斜位・横顔を撮影し、頬とあご下の脂肪、フェイスラインのゆるみ、こめかみ・頬のボリュームを順に見ます。

HIFUは、ゆるみと脂肪へ狙った深さで熱を届ける

ウルトラセルZiは、高密度焦点式超音波を一点へ集め、皮膚表面を切開せずに狙った深さへ熱凝固点をつくる機器です。ドットモードは点状の熱を並べて頬・口元・フェイスラインを引き締め、リニアモードは線状に熱を届けて頬下部やあご下の脂肪を含む輪郭を整えます。

照射範囲は、下頬のもたつき、下顎縁のぼやけ、あご下の厚みを触診して決めます。こめかみや頬上部にくぼみがある場合は、その部位の脂肪を残し、HIFUを当てる場所と当てない場所を先にマーキングします。

軽度から中等度のゆるみへHIFUを選び、約3か月後に写真で評価する理由として、90日時点で医師評価の92%に改善がみられ、患者評価は90日42%から360日53%へ増え、眉毛の挙上は0.47〜1.7mmだったとの報告がありました(参考文献1)。

ヒアルロン酸は、減った支えとボリュームを補う

こめかみや中顔面のくぼみ、頬の前方への張り出しの低下、下顎部の支持不足が主な場合は、熱で引き締めるより、ヒアルロン酸で減ったボリュームを補う方が輪郭を整えやすくなります。正面では頬の高さ、斜位では頬からほうれい線へ続く影、横顔では下顎部の前後位置を見ます。

注入では、製剤の硬さと国内承認された部位・深度を照合し、骨膜上深部または皮下へ少量ずつ置きます。中顔面を支えた後にほうれい線の影がどれだけ残るかを見て、線へ直接入れる量を決めます。

くぼみと支持不足へヒアルロン酸を選ぶ根拠として、ジュビダームビスタ ボリューマXCの国内添付文書では、成人の中顔面・下顎部・こめかみで減少したボリュームを増大する目的で、皮下または骨膜上深部へ注入する製剤と記載されています(参考文献3)。

引き締める場所と、補う場所を一枚の顔に描く

下頬・フェイスライン・あご下のゆるみが中心で、こめかみと頬のボリュームが保たれている場合は、HIFUを先に検討します。上頬やこめかみのくぼみが中心で、さらに熱を入れると影が強く見える顔立ちでは、ヒアルロン酸で支持を補う計画を優先します。

両方が重なる場合は、HIFUを当てる下頬・下顎縁・あご下と、脂肪を残すこめかみ・頬上部を別の色でマーキングします。まず輪郭を引き締め、経過写真で残る支持不足を見て、ヒアルロン酸の部位と量を最終決定します。くぼみが主な部位にはHIFUを重ねません。

直後の腫れではなく、経過写真の輪郭で評価する

HIFU後は、施術前と同じ照明・距離・角度で正面、左右斜位、横顔を撮影し、下顎縁の連続性、下頬の張り出し、あご下の面積を比べます。熱刺激後の変化には時間がかかるため、直後の引き締まりだけで追加照射やヒアルロン酸量を決めません。

ヒアルロン酸を併用した場合は、注入直後の腫れが落ち着いた後に、頬の高さと左右差、ほうれい線の影を再確認します。HIFUで減らす部位とヒアルロン酸で補う部位を同じ写真に記録すると、次回の治療が過剰になりにくくなります。

写真上の変化と患者実感を分けて追う理由として、改善ありと判定された割合は医師評価89%、患者評価84%、満足した割合84%で、施術時の平均疼痛は10点中4.85だったとの報告がありました(参考文献2)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 最初に、正面・斜位・横顔と触診から、下頬・下顎縁・あご下のゆるみと、こめかみ・中顔面・下顎部の支持不足を一枚の設計図にします。
  • HIFUは引き締める範囲と脂肪を残す範囲を分け、ヒアルロン酸は深い支持点と皮下へ補う部位を分けて、先に改善したい所見から治療します。
  • 施術前と経過写真を同じ条件で比べ、HIFU後に残るくぼみへヒアルロン酸を足すのか、注入後に残る下顔面のゆるみへHIFUを組むのかを決めます。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
HIFU 診察で主因と治療層が一致し、期待できる変化と限界を理解できる状態 活動性炎症・感染、強い日焼け、妊娠等で安全条件を満たさない場合 施術内容と反応により1回または複数回 施術により赤み・腫れ・内出血・痂皮など オールタイト 300ショット 1回 ¥55,000 / 3回コース ¥139,000 製品・機器と使用目的により異なるため、販売名・承認番号・承認範囲をPMDAで照合
外科的リフト/切除 皮膚余剰が強く、変化量を優先 手術侵襲を許容できない場合 通常1回 腫れ・内出血・瘢痕。完成まで数か月 術式により異なる 手術手技は機器承認とは別に説明
治療を急がず経過観察 診断が未確定、症状が軽い、生活要因の調整を先に評価できる状態 急速な悪化、出血・潰瘍、感染、視機能障害など早期評価が必要な状態 必要時に再診 なし 診察料・検査料は診療区分により異なる 医薬品・医療機器を使用しない場合は該当なし

費用の目安

  • オールタイト 300ショット 1回 ¥55,000 / 3回コース ¥139,000
  • ウルトラセルZi オーダーメイドハイフ 全顔+首コース 医師施術 ¥128,000
  • ヒアルロン酸注入 1本 1cc ¥77,000

たるみ治療は、狙う層や併用治療の有無で費用が変わります。実際の提案内容は診察時にご確認ください。

リスク・副作用・注意点

  • 一時的な赤み、熱感、腫れ、乾燥が出ることがあります。
  • まれに内出血が出ることがあります。
  • たるみの主因が凹みや支持低下である場合は、単独では十分に整理しにくいことがあります。
  • 国内承認・適応: 製品・機器と使用目的により異なるため、販売名・承認番号・承認範囲をPMDAで照合

施術後の反応や適応は個人差があるため、顔の厚みや脂肪量を診察で確認したうえで判断します。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Contini M, et al. Int J Environ Res Public Health. 2023;20(2):1522. doi:10.3390/ijerph20021522.

    A Systematic Review of the Efficacy of Microfocused Ultrasound for Facial Skin Tightening

    研究デザイン: 顔の皮膚引き締めへ単回のマイクロフォーカス超音波を用いた16研究のシステマティックレビュー。無作為化比較試験、比較試験、コホート、症例集積を含み、10人以上・3か月以上追跡を選定 / 対象: 全16研究に女性が含まれ、医師評価GAISの統合対象337人、患者評価81人。研究ごとに年齢、男女比、照射部位、機器と設定が異なる / 結果: 90日時点の医師評価では92%に皮膚の引き締めまたはしわの改善があり、患者評価は90日42%、360日53%だった。眉毛挙上は0.47〜1.7mmで、まれな有害事象は2%だった。 / 限界: 機器、トランスデューサー、エネルギー、照射法が不均一で、重度のゆるみやBMI30超では反応が乏しい傾向があった。男性と1年を超える成績が限られ、ウルトラセルZi固有の効果量やヒアルロン酸との直接比較を示さない。外部資金と利益相反はないと申告されている。

  2. Amiri M, et al. Aesthet Surg J. 2025;45(3):NP86-NP94. doi:10.1093/asj/sjae228.

    Microfocused Ultrasound With Visualization (MFU-V) Effectiveness and Safety: A Systematic Review and Meta-Analysis

    研究デザイン: 2023年までの42研究を採用したMFU-Vのシステマティックレビュー・メタ解析。対照試験2件、観察研究9件、前後比較31件を含む / 対象: 医師による全般改善評価411人、患者評価312人、満足度326人、疼痛785人を統合。顔・首のほか身体部位も含み、研究ごとに背景と照射条件が異なる / 結果: 改善ありは医師評価89%、患者評価84%、満足した割合84%、平均疼痛は10点中4.85だった。主な有害事象は軽度から中等度の紅斑、浮腫、腫れ、内出血、圧痛だった。 / 限界: 多くが対照のない前後比較で、参加者背景、照射条件、評価尺度が不均一。中立回答を設けない研究では満足度を過大評価する可能性があり、医師評価と満足度には出版バイアスが示された。ウルトラセルZi固有の研究ではなく、Merz North Americaの研究費と複数著者の企業関係が開示されている。

  3. アラガン・ジャパン株式会社. ジュビダームビスタ ボリューマXC 添付文書. 2023年8月(第1版). 医療機器承認番号22800BZX00338000.

    ジュビダームビスタ ボリューマXC 添付文書

    研究デザイン: PMDAが公開する国内承認医療機器の添付文書 / 対象: 中顔面、下顎部、こめかみの減少したボリュームを増大する治療を受ける成人 / 結果: 使用目的は成人の中顔面、下顎部、こめかみで減少したボリュームの増大で、皮下または骨膜上深部へ注入する。血管内注入を禁じ、異常な痛み、皮膚の蒼白、視力異常があれば直ちに注入を止めるよう警告している。 / 限界: 添付文書は症例ごとの注入量、左右配分、ウルトラセルZiとの施術順序や間隔、ほうれい線への追加量を示す比較研究ではない。他のヒアルロン酸製剤には、それぞれ異なる承認部位と注入層がある。

  4. 厚生労働省

    医療広告ガイドライン

    自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。

よくあるご質問

Q. ウルトラセルZiのドットモードとリニアモードは何が違いますか?

ドットモードは狙った深さへ点状に熱を並べ、頬・口元・フェイスラインの引き締めに用います。リニアモードは広い範囲へ線状に熱を届け、頬下部やあご下の脂肪を含む輪郭調整に用います。

Q. HIFUとヒアルロン酸は、どちらを選べばよいですか?

下頬・下顎縁・あご下のゆるみや厚みが主ならHIFU、こめかみ・中顔面・下顎部のボリューム不足が主ならヒアルロン酸を軸にします。両方がある場合は、HIFUで引き締める部位とヒアルロン酸で支える部位を分けます。

Q. HIFUとヒアルロン酸は同日に受けられますか?

同日に行う場合は、先にHIFUの照射範囲を決めて照射し、その後にヒアルロン酸注入を行います。HIFU後の輪郭変化を見て注入量を決めたい場合は、経過写真を撮る再診日に別の施術として計画します。

Q. 費用と回数の目安を教えてください。

2026年8月8日確認の料金表では、ウルトラセルZiのオーダーメイドHIFU全顔+首は医師施術128,000円、ハイフリニアはあご下・頬が各33,000円、目周りは27,000円です。リニアは2〜4週間隔で3回が目安です。ヒアルロン酸は1本1cc 77,000円で、部位により施術料が加わります。

Q. 主なリスクと国内の承認状況を教えてください。

HIFUでは赤み、熱感、腫れ、圧痛、内出血があり、まれに熱傷、水疱、しびれ、神経症状、脂肪萎縮、色素沈着が生じます。ウルトラセルZiは国内未承認で、当院医師がJeisys Medical Inc.から個人輸入しており、韓国MFDSの承認を取得しています。ヒアルロン酸は腫れ・内出血に加え、まれに血管閉塞や視覚障害があり、使用製剤ごとに国内承認の部位と注入層を確認します。

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