ヒアルロン酸・ボトックス・眼瞼下垂手術・クマ取りを段階的に行った14か月の症例
2024年2月から2025年4月までの14か月に、額・眉間のボトックス、眼瞼下垂手術、クマ治療手術(脱脂)、ジュビダームビスタ ボリューマXC 6ccを段階的に行った症例です。上まぶたの機能、目の下のふくらみ、表情筋、額から頬・口元・フェイスラインの輪郭を分け、正面と斜位で経過を確認しました。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2025年5月2日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
14か月の治療を、3段階の正面・斜位で追います
複合写真の上段は治療前、中段は額・眉間のボトックス、眼瞼下垂手術、クマ治療手術(脱脂)を行った段階、下段はその後にジュビダームビスタ ボリューマXC 6ccを用いた段階です。各段を正面と斜位で並べ、2024年2月から2025年4月までの変化を追っています。
中段では上まぶたの開きと目の下のふくらみ、眉間から額の表情を確認します。下段では額から頬のボリュームバランス、口元からフェイスラインのつながり、肌のハリ・ツヤを確認します。最終写真は複数治療を重ねた時点の全体像であり、部位ごとに直前の段階と比べて評価します。
上まぶたの開きと、額・眉間の動きを分けます
上まぶたが重く見えるときは、瞼縁の高さと左右差、まぶたを上げる機能、眉を上げて開瞼を補う動きを同時に見ます。眼瞼下垂手術は開瞼機能を扱い、額・眉間のボトックスは表情筋の動きを調整するため、同じ『目元』でも診察項目が異なります。
額・眉間の治療前後は、安静時だけでなく眉を上げたとき、眉を寄せたとき、開閉眼時を同じ条件で記録します。ボトックス後に眉を上げる力が変わることも含め、まぶたの開き、眉の高さ、額のしわを一緒に再評価します。
眼瞼下垂手術後は、開きが増えたかだけで終了せず、左右差と瞼縁の曲線、閉じやすさ、乾燥の有無を確認します。
眉間は同じ最大収縮で治療前後を比べる必要があり、治療後30日に医師・本人の双方が2段階以上改善と評価した割合は67.5%対1.2%、70.4%対1.3%だったとの報告がありました(参考文献1)。
まぶたの開きと輪郭を同時に見る理由として、MRD1が2〜4mm、左右差0.5mm以内、良好な瞼縁形状をすべて満たした割合は、2点固定79.4%、3点固定73.1%で有意差がなかったとの報告がありました(参考文献2)。
目の下は、脂肪のふくらみと術後のくぼみ・眼瞼位置を確認します
クマ治療手術(脱脂)の段階では、目の下の脂肪によるふくらみ、ふくらみの下にできる影、左右差を正面と斜位で確認します。上まぶたの開きとは別に、下眼瞼の位置、涙溝のくぼみ、皮膚色、むくみを記録します。
術後はふくらみの減少だけでなく、脂肪の取り残し、涙溝のくぼみ、下眼瞼後退がないかを追います。腫れが落ち着いてから中顔面の支持と輪郭を再評価し、次の注入段階へ進みます。
脱脂後にふくらみだけでなく下眼瞼全体を再評価する理由として、脂肪切除不足4.9%、涙溝変形9.7%、下眼瞼後退1.2%が認められ、満足度は100点中92.8点だったとの報告がありました(参考文献3)。
最後にボリューマXC 6ccで、額・頬から口元・フェイスラインまでを見直します
眼瞼と表情筋の治療後に残る顔全体の立体差を見て、ジュビダームビスタ ボリューマXCを6本・計6cc使用しました。写真では額から頬のボリュームバランス、口元からフェイスラインの印象を正面と斜位で確認します。6ccを一か所へ集めるのではなく、全顔の輪郭を見ながら不足する支持と容量へ配分する段階です。
中顔面への注入後は、頬の高点と下眼瞼との移行、口元の影、フェイスラインのつながりを再評価します。目元の変化は手術段階、輪郭の変化は注入前後というように隣り合う段階を比べることで、14か月の経過を読み取ります。
中顔面の立体感を作った後に下眼瞼との移行を見直す理由として、ボリューマによる頬のボリューム変化は6か月時に1.83mLで無治療の0.11mLを上回り、医師評価98.2%、本人評価93.8%が改善したとの報告がありました(参考文献4)。
ジュビダームビスタ ボリューマXCは、成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームを増大する目的で、皮下または骨膜上深部へ使用する国内承認製剤です(参考文献5)。
4つの治療は、料金と術後の確認点を分けて説明します
現在の料金は、ヒアルロン酸1本1cc 77,000円で、6本6ccは462,000円です。額・眉間のボトックスは2部位55,000円です。機能障害を伴う眼瞼下垂は術式により保険診療K219となり、クマ取り手術の現行関連メニューである経結膜脱脂術は189,000円です。14か月の総費用は、各時点で選んだ術式・製剤・本数・麻酔により決まります。
ヒアルロン酸後の皮膚の青白化・網目状の変色、通常と異なる強い痛み、見え方の異常、眼瞼手術後の急な視力低下、眼球突出、急速に増える腫れや出血は直ちに連絡が必要です。通常の腫れ、内出血、一時的なむくみは治療ごとに分けて経過を見ます。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 治療前に正面・両斜位、安静時・開閉眼時・表情時を撮影し、上眼瞼機能、下眼瞼の脂肪突出、額・眉間の筋活動、顔全体の支持を別々に記録します。
- まず開瞼機能と下眼瞼の形態を扱い、同じ段階で額・眉間の動きを確認します。中段の回復後に残る輪郭と容量不足を見て、最終段階のヒアルロン酸配分を決めます。
- 6cc使用後は額から頬の高点、下眼瞼との移行、口元からフェイスラインのつながりを正面と斜位で再評価します。
- 14か月の最終像を一つの施術効果として扱わず、上段から中段、中段から下段という隣り合う時点で各治療の役割を確認します。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 額・眉間のボトックス | 額・眉間の表情筋の動きが強く、動作時のしわや眉間の緊張を調整したい状態 | まぶたを上げるために眉を強く使っており、筋活動を弱めると開瞼がつらくなる状態 | 治療後約2週で表情と左右差を再評価。持続に合わせて次回を検討 | 内出血、腫れ、左右差、眉やまぶたの重さ、表情の違和感、頭痛など | 額・眉間2部位 55,000円 | 製剤ごとに単位と承認部位が異なる。本症例の製品名・単位は固定せず、治療時の製品情報を提示 |
| 眼瞼下垂手術 | 開瞼機能の低下、瞼縁位置の低下、視野への影響があり、原因に合う手術適応がある状態 | 額・眉間の筋活動や二重幅の希望だけが主で、開瞼機能低下を認めない状態 | 原則1回。腫れが引く過程で開き、左右差、閉瞼を継続評価 | 腫れ、内出血、左右差、低矯正・過矯正、閉瞼不全、乾燥、感染、まれに視機能障害 | 保険診療K219は術式により7,200点、18,530点、6,070点 | 診断と機能障害、選択術式により保険診療または自費診療を決定 |
| クマ治療手術(脱脂) | 眼窩脂肪のふくらみが目の下の影の主因となる状態 | 皮膚色、血管、涙溝のくぼみ、むくみだけが主因、下眼瞼位置や乾燥のリスクが高い状態 | 原則1回後、腫れの回復に合わせてふくらみ・くぼみ・眼瞼位置を再評価 | 腫れ、内出血、結膜浮腫、左右差、取り残し、くぼみ、下眼瞼後退、感染、まれに視機能障害 | 現行の経結膜脱脂術 189,000円。術式・麻酔で異なる | 手術手技。使用する医療機器・薬剤は販売名と使用目的を個別確認 |
| ボリューマXC 6cc | 眼瞼治療後に、額から頬・口元・フェイスラインの支持と容量の不足が残る状態 | 活動性炎症・感染、既注入製剤不明、硬い結節、血流障害が疑われる状態 | 6cc使用後、腫れが落ち着いてから正面・斜位で再評価 | 腫れ、内出血、痛み、左右差、凹凸、硬さ・結節。まれに血管閉塞、壊死、視覚障害 | 6本6cc 462,000円。カテラン針使用時は11,000円加算 | ボリューマXCは成人の中顔面・下顎部・こめかみが国内承認範囲。額は承認部位に含まれない |
費用の目安
- ヒアルロン酸:1本1cc 77,000円(税込)/本症例と同じ6本6cc 462,000円(税込)
- カテラン針を使用する場合:11,000円(税込)追加
- 額・眉間のボトックス:2部位55,000円(税込)
- 眼瞼下垂症手術K219:眼瞼挙筋前転法7,200点、筋膜移植法18,530点、その他6,070点
- クマ治療手術の現行関連メニュー:経結膜脱脂術189,000円(税込)
美容施術は税込・自由診療です。眼瞼下垂の窓口負担額は負担割合、片側・両側、診察、検査、麻酔、薬剤で変わります。クマ治療の術式・麻酔、ヒアルロン酸の器具で総額が変わります。
リスク・副作用・注意点
- ボトックス:内出血、腫れ、左右差、眉・まぶたの重さ、表情の違和感、頭痛など
- 眼瞼下垂手術:腫れ、内出血、左右差、低矯正・過矯正、閉瞼不全、乾燥、感染、瘢痕、まれに視機能障害など
- クマ治療手術(脱脂):腫れ、内出血、結膜浮腫、左右差、取り残し、くぼみ、下眼瞼後退、感染、まれに眼窩内出血・視機能障害など
- ヒアルロン酸:腫れ、内出血、左右差、凹凸、硬さ・結節、感染、まれに血管閉塞、皮膚壊死、視力・視野障害、失明、脳卒中など
- 急な視力低下、眼球突出、急速に増える腫れ・出血、皮膚の青白化・網目状変色、通常と異なる強い痛みは直ちに確認が必要
- 国内承認・適応: 本症例のジュビダームビスタ ボリューマXCは国内承認医療機器(承認番号22800BZX00338000)で、成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大が承認目的です。額は承認部位に含まれず、眉間・眼窩周囲への注入は電子添文で警告されています。額・眉間のボトックスは使用製剤により承認部位と単位が異なるため、治療時に販売名・承認範囲を提示します。眼瞼下垂手術とクマ治療手術は手術手技で、使用する薬剤・機器は製品ごとの承認範囲を確認します。承認範囲外の使用では、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
治療ごとの注意点を分け、緊急性のある視機能・血流所見を本文とFAQへ集約しました。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Efficacy and Safety of PrabotulinumtoxinA for the Treatment of Glabellar Lines in Adult Subjects: Results From 2 Identical Phase III Studies
研究デザイン: 同一設計の多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照第III相試験2本。単回治療後150日まで追跡した。 / 対象: 最大収縮時に中等度から重度の眉間線がある成人330人と324人。各試験でprabotulinumtoxinAとプラセボへ3対1に割り付けた。 / 結果: 30日後に医師・本人の双方が2段階以上改善と評価した割合は67.5%対1.2%、70.4%対1.3%だった。 / 限界: prabotulinumtoxinA 20単位を眉間5点へ注射した固定手技で、額治療、眼瞼下垂手術との併用、別製剤、製剤間の単位換算、本症例の個別経過を検証していない。著しい左右差や眼瞼下垂歴などは除外された。PMC原著全文を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: Evolusが資金・医薬品等を提供し、設計、データ収集・解析・報告に関与した。著者には同社の雇用、株式、報酬等の利益相反がある。
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Comparison of two- and three-point sutures for advancing the levator aponeurosis in Asian eyelids
研究デザイン: 挙筋腱膜前転の2点固定と3点固定を比較した単一術者・後ろ向き研究。術後3か月以上を追跡した。 / 対象: アジア人60人87眼。2点固定34人46眼、3点固定26人41眼。 / 結果: MRD1 2〜4mm、左右差0.5mm以内、良好な瞼縁形状をすべて満たした割合は2点固定79.4%、3点固定73.1%で、群間に有意差はなかった。 / 限界: 後ろ向き、単一術者・単一施設で、追跡は3〜17か月。視野や生活の質を評価せず、本症例の眼瞼下垂の原因、手術方法、固定点を示す資料ではない。PMC原著全文を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 論文は金銭的利益相反なしと申告している。
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Transconjunctival Lower Blepharoplasty: A 2-Sided Assessment of Results and Subjects' Satisfaction
研究デザイン: 経結膜的下眼瞼形成術の形態結果と本人・医師評価を追った連続症例研究。 / 対象: 164人。平均追跡22.8か月。 / 結果: 脂肪切除不足4.9%、涙溝変形9.7%、下眼瞼後退1.2%で、本人満足度は100点中92.8点だった。 / 限界: 比較対照のない単一施設の症例研究で、本症例の脱脂経路、脂肪量、併用手術、14か月の段階治療を直接評価していない。PubMed抄録・書誌を2026年8月9日に再確認し、原著全文は取得していない。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため申告内容は未確認。
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A Randomized, Controlled, Multicenter Study of Juvéderm Voluma for Enhancement of Malar Volume in Chinese Subjects
研究デザイン: 未治療対照を置いた前向き多施設無作為化比較試験。 / 対象: 18歳以上の中国人146人。ボリューマ処置群119人、未治療対照群27人。中顔面への注入量中央値は2mLで、三次元画像を用いて6か月評価した。 / 結果: 6か月時の頬部体積変化は処置群1.83mL、対照群0.11mLで、GAIS改善率は医師98.2%、本人93.8%だった。 / 限界: 中国人の中顔面へボリューマを使用した研究で、本症例の6cc全顔配分、眼瞼下垂手術・脱脂・ボトックス後の治療、額・口元・フェイスラインの写真変化を直接評価していない。PubMed抄録・書誌を2026年8月9日に再確認し、原著全文は取得していない。 / 利益相反: 著者に製造企業関係者を含むが、資金・利益相反の詳細はPubMed抄録では確認できない。
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ジュビダームビスタ ボリューマXC 電子添文
研究デザイン: PMDA公開の国内医療機器電子添文。使用目的、使用方法、警告、臨床成績、有害事象を収載。 / 対象: 承認目的は成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大。皮下または骨膜上深部へ注入する。承認時の比較臨床試験は加齢性中顔面ボリューム減少を対象とした。 / 結果: 血管内注入は禁止され、眉間・眼窩周囲には注入しない。承認時の中顔面試験では6か月時のMFVDS奏効率が処置群85.6%、未処置対照群38.9%だった。 / 限界: 電子添文は本症例の6ccの部位別配分、注入順、器具、眼瞼手術・ボトックスとの14か月の併用経過を示さない。額は承認部位に含まれず、症例captionの『額〜頬のボリュームバランス調整』だけから前額へ直接注入したとは判断できない。PDF全6頁を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 製造販売業者アッヴィ合同会社の承認製品電子添文である。
よくあるご質問
Q. 14か月に行った治療と順序を教えてください。
2024年2月から2025年4月までに、額・眉間のボトックス、眼瞼下垂手術、クマ治療手術(脱脂)を行い、その後にジュビダームビスタ ボリューマXC 6ccを使用しました。写真は治療前、眼瞼・ボトックス治療後、ヒアルロン酸治療後の3段階です。
Q. 眼瞼下垂手術と額・眉間のボトックスは、同じ目的ですか?
目的が異なります。眼瞼下垂手術はまぶたを上げる機能と瞼縁の位置を扱い、ボトックスは額・眉間の表情筋の動きを調整します。眉を上げる代償も含め、安静時と表情時の両方を確認します。
Q. クマ取り手術後に何を確認しますか?
脂肪のふくらみと影の変化に加え、取り残し、涙溝のくぼみ、下眼瞼の位置、左右差を確認します。急な視力低下、眼球突出、急速に増える腫れや出血があれば直ちにご連絡ください。
Q. ボリューマXC 6ccは、どこへ入れた症例ですか?
6ccは全顔に用いた総量です。公開症例では額から頬のボリュームバランス、口元からフェイスラインの印象を評価しています。部位別の配分量は固定せず、診察時の支持と容量不足に合わせます。
Q. 4つの治療を同じ日に行いますか?
この症例は14か月かけた段階治療です。上・下眼瞼と表情筋の治療後に回復と形態を確認し、残る顔全体の立体差へヒアルロン酸を用いました。治療間隔は術後経過と次に扱う部位に合わせます。
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