症例紹介

上まぶたのたるみ・脂肪切除と下まぶた経結膜脱脂を行った術後1か月症例

上まぶたのたるみと脂肪、下まぶたのふくらみを上下別の手術で整えた症例です。上眼瞼のたるみ取り・脂肪切除と経結膜脱脂を行い、術前にあった目周りの腫れぼったさと疲れた印象が、術後1か月にはすっきりした印象へ変化しました。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2026年3月2日
実質更新日
2026年8月9日
上眼瞼たるみ取り・脂肪切除と下眼瞼脱脂の術前と術後1か月を開眼正面で比較した症例写真(上段が術前、下段が術後)

Contents

目次

  1. 術前は上まぶたと下まぶたのふくらみを分けて見ます
  2. 術後1か月は正面の輪郭と開閉瞼を確認します
  3. 予定の経過診察と急いで確認する症状を分けます
  4. 診療で確認するポイント
  5. 治療選択の比較
  6. 費用の目安
  7. リスク・副作用・注意点
  8. 関連記事
  9. 関連施術・関連症状のご案内
  10. 執筆・監修
  11. 参考にした一次情報・ガイドライン
  12. よくあるご質問

術前は上まぶたと下まぶたのふくらみを分けて見ます

術前は目の周囲が腫れぼったく、疲れて見える印象がありました。上まぶたには皮膚のたるみと脂肪による厚み、下まぶたには眼窩脂肪による前方へのふくらみがあり、上下の変化が目元全体の重さにつながっていました。

上まぶたにはたるみ取りと脂肪切除、下まぶたには結膜側から眼窩脂肪を整える経結膜脱脂を行いました。上眼瞼の皮膚と脂肪、下眼瞼の脂肪は位置と役割が異なるため、それぞれの所見に対応する手術を組み合わせています。

術後1か月は正面の輪郭と開閉瞼を確認します

正面の比較では、上段が術前、下段が術後1か月です。術後は上まぶたの厚みと下まぶたのふくらみが軽くなり、目元がすっきりして元気な印象になっています。

開眼時は上眼瞼の曲面と下眼瞼から頬へ続く輪郭を、閉眼時は上まぶたの傷、閉じ方、左右差を見ます。1か月時点では、乾燥感や異物感、下眼瞼の凹み・結膜浮腫・位置変化も一緒に確かめます。

術後1か月に下眼瞼の輪郭を再評価する理由として、腫れ、内出血、結膜浮腫は多くが1〜2週間で改善し、異物感は48〜72時間で治まったとの報告がありました(参考文献1)。

術後1か月に閉瞼と乾燥を確認する理由として、上眼瞼手術後の1か月と6か月にドライアイ症状と角結膜染色が増え、涙液層破壊時間が短くなったとの報告がありました(参考文献2)。

予定の経過診察と急いで確認する症状を分けます

術後1か月は、上下眼瞼の腫れが引く方向、開閉瞼、眼表面、左右差を見直す時期です。上眼瞼のくぼみや二重線、下眼瞼の残るふくらみ・凹みは、その後の変化も追って追加治療の要否を決めます。

一方、急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、止まりにくい出血、眼球突出、見えにくさ・視野変化、複視は予定日を待たず確認が必要です。通常の腫れや内出血の経過と分けて対応します。

急な痛みと視機能変化を緊急対応へ分ける理由として、眼瞼手術後の眼窩内出血は約0.055%、永久的な視力喪失を伴うものは約0.0045%で、多くは術後3時間以内でしたが数日後にも起こり得るとの報告がありました(参考文献3)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 術前は、上まぶたの皮膚のかぶさり・脂肪の厚み・まぶた縁の高さ・眉の代償・閉瞼を見た後、下まぶたの脂肪のふくらみ・涙溝・下眼瞼位置を同じ正面でつなげて確認します。
  • この症例では、上まぶたのたるみと脂肪には上眼瞼手術、下まぶたの突出脂肪には経結膜脱脂を組み合わせ、上下で異なる原因を一度に整えました。
  • 術後1か月は術前と同じ開眼・閉眼で、上眼瞼の厚みと閉じ方、下眼瞼から頬への輪郭、乾燥・左右差・凹凸を確認し、その後も形が落ち着くまで変化を追います。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
上眼瞼たるみ取り・脂肪切除 上まぶたの皮膚のかぶさりと脂肪の厚みが、腫れぼったさや重い印象につながる状態 上眼瞼の容量不足によるくぼみ、挙筋機能低下、閉瞼不全・眼表面症状への対応を先に行う状態 通常1回。術後1か月以降も傷・厚み・閉瞼・左右差を再評価 痛み、腫れ、内出血、傷あと、左右差、閉瞼不全、乾燥感、二重線・くぼみの変化 上眼瞼術式と自由診療・保険診療の区分により異なる 要確認
経結膜脱脂術 下まぶたの眼窩脂肪が前方へ膨らみ、目の下にふくらみと影ができる状態 涙溝の凹み・色調だけが主、脂肪を減らすと凹みが強くなる状態 通常1回。術後1か月以降に膨らみ・凹み・下眼瞼位置を再評価 痛み、腫れ、内出血、血腫、結膜浮腫、左右差、脂肪の残存・取りすぎ、凹み、複視 189,000円。手術時の吸入麻酔11,000円を含める場合200,000円(税込) 要確認
上下眼瞼の同時手術 上まぶたのたるみ・脂肪と下まぶたの脂肪突出が重なり、目元全体が腫れぼったく見える状態 上または下の一方だけが主、眼表面や開瞼機能への治療を先に行う状態 通常1回。上下の腫れ、開閉瞼、左右差、凹凸を同じ時点で追跡 上下に広がる腫れ・内出血、開閉瞼の違和感、乾燥、左右差、傷あと、凹凸 経結膜脱脂200,000円(吸入麻酔代込)に、選択する上眼瞼手術の費用が加わる 要確認

費用の目安

  • 経結膜脱脂術 189,000円(税込)
  • 手術時の吸入麻酔 11,000円(税込)。経結膜脱脂術と合わせる場合200,000円
  • 上眼瞼たるみ取り・脂肪切除は、選択する上眼瞼術式と自由診療・保険診療の区分により費用が異なります。

美容目的の上眼瞼たるみ取り・脂肪切除と経結膜脱脂は自由診療です。機能性眼瞼下垂と診断され、保険診療の術式を行う場合は区分が異なります。

リスク・副作用・注意点

  • 上眼瞼たるみ取り・脂肪切除:痛み、腫れ、内出血、血腫、感染、傷あと、左右差、閉瞼不全、乾燥感、二重線・上眼瞼のくぼみの変化
  • 経結膜脱脂術:痛み、腫れ、内出血、血腫、感染、左右差、凹凸、脂肪の残存・取りすぎ、下眼瞼位置異常、結膜浮腫、流涙、ドライアイ、複視
  • 上下眼瞼を同時に手術する場合、腫れと内出血が目の周囲へ広がり、開閉瞼の違和感が重なることがあります。
  • まれに眼窩内出血、眼球突出、視力・視野障害など緊急処置を要する合併症
  • 国内承認・適応: 上眼瞼たるみ取り・脂肪切除と経結膜脱脂は手術手技であり、手技自体に医薬品・医療機器の承認番号はありません。使用する薬剤、縫合材料、医療機器がある場合は、それぞれの販売名・承認範囲を説明します。美容目的は自由診療です。

急な眼窩痛、急速な片側腫脹、眼球突出、視力・視野変化、複視、止まりにくい出血がある場合は直ちに連絡してください。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Gupta R, Khosa A, Bansal P, Chaudhury G. Exploring the Versatility of Transconjunctival Blepharoplasty: A Retrospective Single-Center Study. Cureus. 2024;16(11):e72929. doi:10.7759/cureus.72929. PMID:39628738. PMCID:PMC11614186.

    Exploring the Versatility of Transconjunctival Blepharoplasty: A Retrospective Single-Center Study

    研究デザイン: 経結膜的・後隔膜法下眼瞼形成術を術後1、2、3、6、12週に追跡した単施設後ろ向き観察研究 / 対象: 20〜76歳の88人。31人に皮膚切除、19人に外眼角形成・固定、87人に脂肪移植を併用 / 結果: 腫れ、内出血、結膜浮腫は術後によくみられ、多くが1〜2週間で改善した。14人の異物感は48〜72時間で消失したとの報告がありました。 / 限界: 単施設・後ろ向きで比較群がなく、ほぼ全例に脂肪移植などの併用手技がある。本症例の経結膜脱脂と上眼瞼手術の同時施行後1か月を直接評価した研究ではない。 / 利益相反: 著者らは関連する金銭的関係・その他の影響し得る関係なしと申告し、第三者英文校正を受けたと記載している。

  2. Aygun O, Arat YO, Dikmetas O, Karakaya J, Baytaroglu A, Irkec M. Effect of upper eyelid blepharoplasty on the ocular surface, tear film, and corneal microstructure. Arq Bras Oftalmol. 2024;87(3):e2022-0220. doi:10.5935/0004-2749.2022-0220. PMID:38537039. PMCID:PMC11627281.

    Effect of upper eyelid blepharoplasty on the ocular surface, tear film, and corneal microstructure

    研究デザイン: 皮膚と眼輪筋の一部を切除する上眼瞼形成前後を比較した単施設前向き研究 / 対象: 22人22眼を術前、術後1か月、6か月で評価。眼窩脂肪は切除していない / 結果: 術後1か月と6か月でドライアイ症状スコアと角膜フルオレセイン・リサミングリーン染色が増え、涙液層破壊時間が短縮したとの報告がありました。 / 限界: 少数・単一術者で対照群がなく、皮膚・眼輪筋切除のみの結果である。上眼瞼脂肪切除や経結膜脱脂との同時手術を評価していない。 / 利益相反: 著者らは利益相反なしと申告し、研究は外部資金を受けていない。

  3. Hass AN, Penne RB, Stefanyszyn MA, Flanagan JC. Incidence of postblepharoplasty orbital hemorrhage and associated visual loss. Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2004;20(6):426-432. doi:10.1097/01.iop.0000143711.48389.c5. PMID:15599241. Erratum: Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2005;21(2):169.

    Incidence of postblepharoplasty orbital hemorrhage and associated visual loss

    研究デザイン: 米国眼形成再建外科学会会員への質問票による回顧的調査 / 対象: 237人の回答医師が経験した眼瞼美容手術269,433件。眼窩内出血149件、一時的視力喪失48件、永久的視力喪失12件 / 結果: 眼窩内出血は約0.055%、永久的視力喪失を伴う出血は訂正後約0.0045%だった。多くは術後0〜3時間に起き、24時間後にリスクは低下したが、数日後にも発症したとの報告がありました。 / 限界: 医師の記憶に基づく質問票で想起バイアスがある。上・下眼瞼、術式、切開器具が混在し、本症例と同じ上下同時手術だけの発生率ではない。原著全文は購読制限があり、PubMed抄録、訂正文、書誌情報で確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。

  4. 厚生労働省

    医療広告ガイドライン

    自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。

よくあるご質問

Q. この症例ではどの手術を行いましたか?

上まぶたにはたるみ取りと脂肪切除、下まぶたには経結膜脱脂を行いました。掲載している経過は、術前と術後1か月の正面比較です。

Q. 術後1か月で完成と考えますか?

術後1か月は上下の腫れが引く方向と輪郭を比べやすい時期です。上眼瞼の傷・厚み・閉じ方、下眼瞼のふくらみ・凹み・位置、乾燥や左右差はその後も変化するため、同じ条件の写真と診察所見で経過を追います。

Q. 経結膜脱脂の料金はいくらですか?

経結膜脱脂術は189,000円(税込)で、手術時の吸入麻酔11,000円を含める場合は200,000円です。上眼瞼たるみ取り・脂肪切除の独立料金と、上下眼瞼を同時に行う総額は現行総合料金表に掲載がないため、選ぶ上眼瞼術式に応じた費用をご案内します。

Q. 保険診療になる手術ですか?

目元の見た目を整える上眼瞼たるみ取り・脂肪切除と経結膜脱脂は自由診療です。まぶた縁の低下や開けづらさ、視野障害があり眼瞼下垂と診断され、保険診療の術式を行う場合は区分が異なります。

Q. 予定の診察を待たず連絡した方がよい症状はありますか?

急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、止まりにくい出血、眼球突出、視力・視野の変化、複視、発熱や膿、強い異物感と閉じにくさがある場合は、予定日を待たず直ちに連絡してください。

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