アドバテックスで何を治療するかの考え方
アドバテックスは、面状の赤み、線状の毛細血管、ニキビ後の赤み、炎症性ニキビに皮脂・毛穴が重なる状態へ、589nmと1319nmを組み合わせるレーザーです。赤みの形と活動性炎症を先に分け、全顔とスポット、外用・内服との順序を決めます。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2025年1月16日
- 実質更新日
- 2026年8月9日


Contents
目次
赤みがほかの悩みに重なるときのために導入しました
当院では2025年1月20日にアドバテックスの施術を開始しました。ニキビ、ニキビ跡、シミ、たるみを相談される方にも、頬の赤み、糸状に見える血管、炎症後の赤みが同時にみられることが多く、赤みを治療計画へ加えるために導入した機器です。
診察では、面で続く赤み、線状の毛細血管、赤い丘疹・膿疱、ニキビ後の平らな赤みを分けます。さらに皮脂、毛穴、乾燥、刺激感を重ねて記録し、赤みを先に整えるのか、活動性ニキビの治療と同時に進めるのかを決めます。
589nmと1319nmで、血管・炎症・皮脂・毛穴を分けます
589nmはヘモグロビンに吸収されやすく、面状の赤み、細く浮く毛細血管、ニキビに伴う赤みを主な標的にします。1319nmは真皮の水分へ吸収される熱を利用し、皮脂の多さ、毛穴、ハリや質感が赤みと重なるときに組み合わせます。
全顔照射の候補は、持続する赤み、ニキビ後の赤み、炎症性ニキビ、皮脂・毛穴が同じ範囲に重なる状態です。限局した糸状の血管は589nmのスポット照射を加えます。赤あざなどの血管性病変は、色、厚み、範囲を診断してから全顔照射、スポット照射、ほかの血管レーザーを選びます。
2025年1月の導入時案内では、全顔1回33,000円を26,500円、モニター5回121,000円、メソナJオプション16,000円としていました。現在は全顔・スポット照射込み1回30,000円、5回139,000円、メソナJオプション18,000円です。
炎症性ニキビに赤みと皮脂が重なる状態へ両波長を組み合わせる根拠として、5回後1か月に72.5%で炎症性皮疹が75%を超えて減少し、赤みがあった人の65.5%で75%を超える改善がみられたとの報告がありました(参考文献1)。
ニキビでは活動性炎症、赤み、皮脂を同じ時点で追います
赤い丘疹・膿疱が続く時期は、外用・内服で新しい炎症を抑える治療を土台にします。そのうえで、炎症性皮疹と面状の赤みが重なる範囲へ589nm、皮脂と毛穴が目立つ範囲へ1319nmを組み合わせ、皮疹数、赤みの面積、皮脂、乾燥を同じ撮影条件で比べます。
赤い色だけが残ったニキビ跡は、活動性ニキビとは分けて赤みの変化を追います。凹みや癒着が主なニキビ跡は別の治療層であり、炎症と赤みを落ち着かせた後にポテンツァやサブシジョンなどの瘢痕治療を組み立てます。
ニキビ後の赤みを早く整える選択肢として、レーザー側は2週で治療前より赤みが減り、8週後の反応率は72%でしたが、対照側も69%で群間差は有意ではなかったとの報告がありました(参考文献2)。
面状の赤みと糸状の血管では照射範囲を変えます
頬全体へ広がる赤みは、同じ照明で撮影し、押したときに色が薄くなるか、ほてりや刺激感があるか、丘疹・膿疱を伴うかを確認して全顔照射を設計します。鼻周囲などに糸状の血管が限局するときは、血管の太さと走行を見ながら589nmをスポットで重ねます。
赤あざ、盛り上がる血管性病変、太い血管では、血管の深さや必要な出力が異なります。紫斑や腫れをどこまで許容できるかも含め、アドバテックスの蓄熱・スポット照射と、パルス色素レーザーなどの血管治療を所見別に選びます。
肝斑・シミ、ハリやツヤは別の標的として組み合わせます
肝斑やシミに赤みが重なる場合は、色素の分布と血管性の赤みを同じ写真上で分けます。アドバテックスは背景の赤みや炎症を扱い、色素には外用、ルビーフラクショナルトーニングなどを別の標的として配分します。
ポテンツァ、プルリアル、ルビーフラクショナルトーニング、メソナJでも、施術後に赤みが和らぐ経過はあります。血管の形を標的にする必要があるときは589nm、皮脂・毛穴・ハリを同時に扱うときは1319nmを選び、質感や凹凸への治療と役割を分けます。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 同じ照明の正面・左右斜位で撮影し、面状の赤み、糸状の毛細血管、ニキビ後の平らな赤み、赤い丘疹・膿疱を分けます。
- 押したときの退色、ほてり・刺激感、皮脂、毛穴、乾燥を確認し、589nmを全顔またはスポット、1319nmを皮脂・毛穴が重なる範囲へ配分します。
- 活動性ニキビや酒さの丘疹・膿疱には外用・内服を土台に置き、アドバテックスは赤みと皮脂を同じ時点で追う補助治療として組み込みます。
- 毎回、炎症性皮疹数、赤みの面積、目立つ血管、皮脂・乾燥を同じ条件で比較し、全顔とスポット、2波長の割合を次の治療へ反映します。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ADVATx 589+1319nm 全顔 | 面状の赤み、ニキビ後の赤み、炎症性ニキビに皮脂・毛穴・肌質の変化が重なる状態 | 感染、強い皮膚炎、日焼け直後、診断が定まっていない色素・血管病変 | 1回ごとに反応を確認。料金には5回コースあり | 赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感。まれに色素沈着、水疱、やけど | 全顔・スポット照射込み 1回30,000円/5回139,000円 | 国内未承認医療機器 |
| ADVATx 589nm スポット | 鼻周囲などの糸状の毛細血管、限局した赤み、目立つ炎症性皮疹を医師が照射する状態 | 顔全体へ均一に広がる赤み、血管以外の色素・凹凸・たるみが主な状態 | 血管の色・太さ・照射後反応を見て再評価 | 局所の赤み、ほてり、腫れ、色素沈着。まれに水疱、やけど | 1cm×1cmまで6,600円/1cm×1cmを超える場合は1cm2ごと4,400円 | 国内未承認医療機器 |
| 外用・内服によるニキビ・酒さ治療 | 面皰、活動性の丘疹・膿疱、ほてり・刺激感、皮膚炎など原因治療が必要な状態 | 炎症が落ち着いた後に毛細血管やニキビ後の赤みだけが残る状態 | 薬剤と症状に合わせて継続し、炎症・刺激・乾燥を再評価 | 乾燥、刺激、赤みなど薬剤固有の副作用 | 保険診療・自由診療、処方内容により異なる | 処方薬ごとに国内承認された適応・用法を確認 |
費用の目安
- ADVATx 589+1319nm 全顔・スポット照射込み:1回30,000円/5回139,000円
- 顎下オプション:1回6,000円
- 589nmスポット・医師施術:1cm×1cmまで6,600円/1cm×1cmを超える場合は1cm²ごと4,400円
- メソナJオプション:1回18,000円
全顔料金には必要な部位へのスポット照射が含まれます。2025年1月の導入時キャンペーン料金とは異なります。
リスク・副作用・注意点
- 照射中の痛み、照射後の赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感
- 色素沈着、水疱、やけどが起こることがあります。
- 日焼け直後、照射部位の感染・強い皮膚炎がある場合は照射できないことがあります。
- 国内承認・適応: 本施術で使用するADVATxは日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。当院では医師の責任のもと適法な輸入手続きにより入手しています。製造元は米国FDAで複数の適応について510(k)クリアランスを取得し、欧州CE認証を受けていると公表しています。未承認医療機器による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
平均疼痛は炎症性ニキビへの照射で3.68/10、ニキビ後の赤みへの照射で1.52/10で、後者では軽い一過性の赤み・熱感が報告されています。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Efficacy and Safety of Solid-state Dual-wavelength Lasers for the Treatment of Moderate-to-severe Inflammatory Acne in Asian Populations
研究デザイン: 外用レチノイドを夜に継続し、1319nmに続けて589nmを2〜3週間隔で計5回照射した前向き単群研究。最終照射1か月後に全員、3か月後に一部を評価 / 対象: Fitzpatrick III〜V型で中等症〜重症の炎症性ニキビ40人。平均23歳、女性28人・男性12人。3か月評価は15人 / 結果: 最終照射1か月後、72.5%で炎症性皮疹数が75%を超えて減少しました。赤みのあった29人の65.5%で75%を超える改善がみられ、34人で自覚的皮脂スコアが1〜3点低下し、平均疼痛は3.68/10でした。 / 限界: 対照群のない単施設研究で、全員が外用レチノイドを併用したためレーザー単独効果を示しません。3か月評価は15人だけで、赤みと皮脂は評価法に限界があります。著者は金銭的利益なしとし、Advalightがメディカルライティングと編集費用を負担しています。原著全文を2026年8月8日に確認しました。
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Efficacy and Safety of a Dual-Wavelength 589/1319 nm Laser for the Treatment of Acne Erythema: A Split-Face Randomized Controlled Trial
研究デザイン: 単施設・単盲検の左右比較無作為化試験。片側へ589/1319nmレーザーを2週間隔で6回、反対側へアロエベラゲルを1日2回18週間使用し、最終照射8週間後まで追跡 / 対象: 両頬にニキビ関連紅斑がある30人を登録し29人が完遂。女性27人・男性2人、Fitzpatrick III〜IV型、タイの単施設 / 結果: レーザー側は2週、対照側は4週で治療前より赤みが有意に減少しましたが、群間差はありませんでした。最終照射8週後の反応率はレーザー側72%、対照側69%、平均疼痛は1.52/10で、重篤な有害事象はありませんでした。 / 限界: 小規模・短期・単一民族の研究で、活動性ニキビの変動が赤み評価へ影響した可能性があります。対照のアロエベラゲルにも抗炎症作用があり、最適な照射条件・回数や長期効果は未確定です。研究費はRamathibodi Hospitalが負担し、レーザー機器はタイの販売会社が短期貸与しましたが、研究設計・解析・論文作成には関与しなかったと記載されています。原著全文を2026年8月8日に確認しました。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. アドバテックスは何を治療するレーザーですか?
面状に続く赤み、糸状の毛細血管、ニキビ後の平らな赤み、炎症性ニキビに皮脂・毛穴が重なる状態が主な候補です。赤あざや盛り上がる血管性病変は、色、厚み、範囲を確認してスポット照射やほかの血管レーザーと使い分けます。
Q. 589nmと1319nmはどう使い分けますか?
589nmはヘモグロビンに吸収されやすく、赤み、毛細血管、炎症性の赤みへ用います。1319nmは真皮へ熱を加え、皮脂、毛穴、ハリ・質感を同時に扱うときに組み合わせます。
Q. ニキビが出ている時期にも受けられますか?
赤い丘疹・膿疱がある時期にも候補になります。外用・内服で新しい炎症を抑える治療を土台にし、アドバテックスは炎症性皮疹、赤み、皮脂を同じ時点で追う補助治療として組み込みます。
Q. 導入時キャンペーンと現在の料金は同じですか?
異なります。2025年1月の案内は全顔1回26,500円、モニター5回121,000円、メソナJオプション16,000円でした。現在は全顔・スポット照射込み1回30,000円、5回139,000円、メソナJオプション18,000円です。
Q. 国内で承認された医療機器ですか?
ADVATxは国内未承認医療機器です。医師の責任で適法に輸入して使用します。製造元は米国FDAで複数適応の510(k)クリアランス、欧州CE認証を公表していますが、国内未承認機器による健康被害は救済制度の対象外となる場合があります。
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