医師解説目の下のクマヒアルロン酸

頬・目の下・あご・こめかみにヒアルロン酸5ccで全顔の余白感を整える考え方

ジュビダームビスタ ボリューマXC 5ccで、目の下の凹みと頬の立体感、あごの終点、こめかみから頬へのつながりを一緒に整えた症例です。正面と両斜位で、顔の余白感が減り、明るく引き締まって見える変化を確認します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2024年8月24日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 笑顔の正面では、頬からあごまでの余白感を見ます
  2. 安静時の正面では、目の下の凹みと頬の支えを分けます
  3. 一方の斜位では、頬の投影とあごの終点を見ます
  4. 反対側の斜位では、こめかみからフェイスラインへのつながりを見ます
  5. 施術直後の注射痕・白さとボリューマXCの承認範囲
  6. 診療で確認するポイント
  7. 治療選択の比較
  8. 費用の目安
  9. リスク・副作用・注意点
  10. 関連記事
  11. 関連施術・関連症状のご案内
  12. 執筆・監修
  13. 参考にした一次情報・ガイドライン
  14. よくあるご質問

笑顔の正面では、頬からあごまでの余白感を見ます

頬、目の下、あご、こめかみにジュビダームビスタ ボリューマXCを合計5cc使用した症例です。笑顔の正面では、頬の高点、目の下から頬へのつながり、あご先までの輪郭を一枚の顔として確認します。

治療後はあごの形が明瞭になり、頬からフェイスラインへ続く輪郭が引き締まって見えます。ここでいう余白感の減少は顔の面積を小さくする意味ではなく、頬の立体感とあごの終点が加わることで、平坦に見えていた部分がまとまって見える変化です。

笑顔では頬が持ち上がるため、安静時には分かりにくい頬の支えと左右差も見えます。笑ったときに目の下が重くならず、頬の高点からあごまでが滑らかにつながる状態を確認します。

安静時の正面では、目の下の凹みと頬の支えを分けます

安静時の正面では、目の下の影、前頬の平坦さ、こめかみから頬外側へ続く曲線を確認します。治療後は目の下の凹みによる影がやわらぎ、顔の中央が明るく見えます。

目の下が暗く見えるときは、凹みだけでなく眼窩脂肪の膨らみ、むくみ、皮膚色を分けます。頬の支えで変化する影と、目の下へ直接補正が必要な影を分けることで、下眼瞼を膨らませ過ぎずに整えます。

目の下の凹みを脂肪突出やむくみと分けて治療する理由として、ヒアルロン酸で内側涙溝を整えた経過では、全員が改善を自覚し、75%が治療に満足したとの報告がありました(参考文献1)。

一方の斜位では、頬の投影とあごの終点を見ます

斜位では、前頬の投影、目の下から頬への段差、口元からあご先へ続く線を確認します。治療後は頬の立体感が増し、あご先が輪郭の終点として見えやすくなっています。

あごは長さだけを足すのではなく、正中、横幅、前方への投影、下唇との位置関係を見ます。頬の高点とあご先を同じ斜位で確認し、上顔面と下顔面のどちらかだけが強く見えない位置で整えます。

あごを正面だけでなく斜位の投影まで確認する理由として、VYC-20Lであごを整えた経過では、6か月時の1段階以上改善が56.3%、未処置27.5%で、治療効果は12か月時も認められたとの報告がありました(参考文献2)。

反対側の斜位では、こめかみからフェイスラインへのつながりを見ます

反対側の斜位では、こめかみのくぼみ、頬骨周囲の凹凸、頬から下顎へ続く輪郭を確認します。治療後はこめかみから頬への曲線がなだらかになり、フェイスラインまでのつながりがまとまって見えます。

こめかみを単独で丸くするのではなく、正面で顔幅、斜位で頬骨との段差を見ながら整えます。両側のこめかみと頬の高点を往復して、上顔面だけが広く見えない状態を終了点にします。

こめかみを正面の顔幅と斜位の曲線で再評価する理由として、VYC-20Lでこめかみを整えた経過では、3か月時の両側1段階以上改善が80.4%、未処置13.5%で、改善は13か月時まで維持されたとの報告がありました(参考文献3)。

施術直後の注射痕・白さとボリューマXCの承認範囲

掲載写真は施術直後です。頬には注射痕と赤みがあり、穿刺部位の一部が麻酔の影響で白く見えています。直後は腫れも加わるため、輪郭の方向を確認した後、腫れが落ち着いてから目の下、頬、あご、こめかみを同じ角度で再評価します。

同じボリューマXCを四つの部位へ使う症例でも、頬・あご・こめかみと目の下では承認範囲と注意点が異なります。部位ごとの目的と承認状況を分けて説明し、目周りは視機能を含む安全確認を追加します。

麻酔による白さが時間とともに落ち着く経過と、血流障害による蒼白は分けます。白い範囲が広がる、強い痛みが増す、網目状に暗紫色へ変わる、見え方が変わる場合は、通常の直後反応として待たず直ちにご連絡ください。

ジュビダームビスタ ボリューマXCの国内承認部位は中顔面・下顎部・こめかみです。目の下への直接使用は承認範囲に含まれず、眼窩周囲など側副血行路が乏しい領域へ注入しないよう警告されています(参考文献4)。

麻酔による一時的な白さと血流障害を分ける理由として、急に増す痛み、蒼白、その後の網目状の暗紫色変化を認めた段階で直ちに評価と治療を始めるとの報告がありました(参考文献5)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 最初に安静時と笑顔の正面で、こめかみの幅、目の下の影、頬の高点、あごの正中とフェイスラインを一枚の顔として記録します。
  • 次に目の下の凹みを、眼窩脂肪の膨らみ、むくみ、皮膚色、頬の支持不足と分け、頬で変化する影と目の下へ直接補正する範囲を決めます。
  • 両側の斜位で、こめかみから頬への段差、前頬の投影、口元からあご先への線を確認し、合計5ccを各部位の終了点へ配分します。
  • 施術直後は注射痕、麻酔による白さ、腫れを記録し、落ち着いた再診で同じ正面・両斜位を比較して、左右差や残る影へ追加が必要かを判断します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
頬・中顔面をボリューマXCで支える 前頬の平坦さや頬外側の段差が、目の下の影と顔の余白感を強めている状態 頬のボリュームが十分な状態、目の下の色・脂肪突出・むくみだけが主因の状態 1回後、腫れが落ち着いてから正面・笑顔・斜位を再評価 赤み、腫れ、痛み、内出血、硬さ、左右差。まれに血管閉塞・皮膚壊死・視覚障害 1本1cc 77,000円。使用本数で計算 中顔面の減少したボリューム増大で国内承認
目の下の凹みを直接補う 脂肪突出や強いむくみが主因ではなく、凹みによる影が残る状態 眼窩脂肪突出、強い浮腫、皮膚色だけが主因の状態 少量から1回。頬を整えた後も残る影を再評価 腫れ、内出血、青み、凹凸、長引くむくみ。まれに血管閉塞・視覚障害 1本1cc 77,000円。使用本数で計算 ボリューマXCの目の下への直接使用は国内承認範囲外。眼窩周囲は警告対象
あご・こめかみをボリューマXCで整える あごの投影不足や、こめかみから頬へ続くくぼみが全顔の輪郭を分断している状態 あご・こめかみのボリュームが十分な状態、筋活動や脂肪量だけが輪郭の主因の状態 1回後、両斜位であごの終点とこめかみの曲線を再評価 赤み、腫れ、痛み、内出血、硬さ、左右差。まれに血管閉塞、皮膚壊死、神経症状 1本1cc 77,000円。本症例の合計5本は385,000円 下顎部・こめかみの減少したボリューム増大で国内承認

費用の目安

  • ジュビダームビスタ ボリューマXC:1本1cc 77,000円(税込)
  • 本症例と同じ合計5本:385,000円(税込)
  • カテラン針使用料:11,000円(税込)。使用する場合の合計例396,000円

すべて自由診療です。本症例と同じボリューマXC 5本は385,000円です。カテラン針を使用する場合のみ11,000円が加わります。

リスク・副作用・注意点

  • 赤み、腫れ、痛み、圧痛、内出血、注射痕、左右差、凹凸、硬さ・しこり、違和感、アレルギー、感染など
  • 目周りの青み、長引くむくみ、こめかみ・あごの過不足、遅発性反応、遅発性結節など
  • まれに血管閉塞、皮膚虚血・壊死、神経障害、視力・視野障害、失明、脳卒中など
  • 国内承認・適応: ジュビダームビスタ ボリューマXCは国内承認の高度管理医療機器(承認番号22800BZX00338000)で、成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリューム増大を目的に、皮下または骨膜上深部へ使用します。目の下への直接使用は承認範囲外で、電子添文は眼窩周囲など側副血行路が乏しい領域へ注入しないよう警告しています。承認範囲外使用では、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。

白い範囲が広がる、強い痛みが増す、網目状に暗紫色へ変わる、見え方が変わる場合は直ちにご連絡ください。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Diwan Z, Trikha S, Etemad-Shahidi S, et al. A Prospective Study on Safety, Complications and Satisfaction Analysis for Tear Trough Rejuvenation Using Hyaluronic Acid Dermal Fillers. Plast Reconstr Surg Glob Open. 2020;8(4):e2753. doi:10.1097/GOX.0000000000002753. PMID:32440421; PMCID:PMC7209844.

    A Prospective Study on Safety, Complications and Satisfaction Analysis for Tear Trough Rejuvenation Using Hyaluronic Acid Dermal Fillers

    研究デザイン: 複数施設の前向き症例集積。カニューレを用いて内側涙溝の骨膜上へヒアルロン酸を注入し、2〜4週で評価した。 / 対象: 24人、48側の涙溝。女性22人、男性2人だった。 / 結果: 4週までに全員が改善を自覚し、75%が満足と回答した。2週時には一過性の腫れ、内出血、圧痛などが記録された。 / 限界: 比較群のない小規模症例集積で追跡は短く、使用製剤はボリューマXCではない。本症例の合計5cc、頬・あご・こめかみとの同時治療、部位別配分を直接検証しない。PMC原著全文とPubMed書誌を2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: 著者らは本論文内容に関する金銭的利益相反なしと申告した。

  2. Beer K, Kaufman-Janette J, Bank D, et al. Safe and Effective Chin Augmentation With the Hyaluronic Acid Injectable Filler, VYC-20L. Dermatol Surg. 2021;47(1):80-85. doi:10.1097/DSS.0000000000002795. PMID:33347003; PMCID:PMC7752233.

    Safe and Effective Chin Augmentation With the Hyaluronic Acid Injectable Filler, VYC-20L

    研究デザイン: 評価者盲検、無作為化3対1の比較試験。あごの後退がある成人をVYC-20L治療群と6か月未処置群に割り付けた。 / 対象: 192人。治療群144人、未処置対照群48人だった。 / 結果: 6か月時の1段階以上改善は治療群56.3%、対照群27.5%で、治療利益は12か月時も認められた。 / 限界: あご後退を対象とした単一製剤の試験で、本症例の頬・目の下・こめかみとの同時治療、合計5ccの配分、施術直後の画像変化を検証しない。PMC原著全文とPubMed書誌を2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: Allerganが資金提供し、著者に同社の研究者、顧問、トレーナー、社員、株式保有者が含まれた。

  3. Montes JR, Hooper D, Jones D, et al. Improvement in Temple Hollowing with VYC-20L Hyaluronic Acid Filler: A Multicenter Randomized Controlled Trial of Safety and Effectiveness. Plast Reconstr Surg. 2025;156(1):25e-36e. doi:10.1097/PRS.0000000000011957. PMID:39808069; PMCID:PMC12184970.

    Improvement in Temple Hollowing with VYC-20L Hyaluronic Acid Filler: A Multicenter Randomized Controlled Trial of Safety and Effectiveness

    研究デザイン: 多施設、評価者盲検、無作為化2対1の比較試験。こめかみのくぼみがある成人をVYC-20L治療群と未処置群に割り付け、13か月追跡した。 / 対象: 成人171人を無作為化し、VYC-20L治療群113人、未処置対照群58人だった。 / 結果: 3か月時の両側1段階以上改善は治療群80.4%、未処置群13.5%。改善率は13か月時まで高く維持された。 / 限界: こめかみを対象とした単一製剤の試験で、本症例の頬・目の下・あごとの同時治療、合計5ccの配分、直後写真の変化を検証しない。PMC原著全文とPubMed書誌を2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: 複数著者がAllergan Aestheticsの顧問、研究者、講師、トレーナーで、2人は同社社員かつAbbVie株を保有する可能性があると申告した。

  4. アッヴィ合同会社. ジュビダームビスタ ボリューマXC 電子添文. 2023年8月(第1版). 医療機器承認番号22800BZX00338000.

    ジュビダームビスタ ボリューマXC 電子添文

    研究デザイン: PMDA公開の国内承認医療機器電子添文。承認目的、使用方法、禁忌、警告、有害事象、臨床成績を記載する公的資料。 / 対象: 成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームを増大する目的で、皮下または骨膜上深部へ使用する。 / 結果: 中顔面・下顎部・こめかみが承認部位で、目の下への直接使用は含まれない。血管内注入を禁止し、眼窩周囲など側副血行路が乏しい領域へ注入しないよう警告する。 / 限界: 電子添文は承認範囲と安全情報を示す資料で、本症例の5ccの部位別配分、治療順序、画像変化を検証する研究ではない。PMDA公式PDF全6頁を2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: 公的承認資料のため該当しない。

  5. Murray G, Convery C, Walker L, Davies E. Guideline for the Management of Hyaluronic Acid Filler-induced Vascular Occlusion. J Clin Aesthet Dermatol. 2021;14(5):E61-E69. PMID:34188752; PMCID:PMC8211329.

    Guideline for the Management of Hyaluronic Acid Filler-induced Vascular Occlusion

    研究デザイン: Complications in Medical Aesthetics Collaborativeの創設理事4人が作成した、架橋ヒアルロン酸フィラーによる血流障害の認識・段階評価・初期対応に関する診療指針。 / 対象: 患者集団を登録して効果を比較した研究ではなく、血管閉塞を疑う臨床所見と対応を対象とする。 / 結果: 急に増す強い痛み、蒼白、暗紫色、網目状変化、毛細血管再充満時間の遅延を評価し、蒼白または網目状変化があれば直ちに治療するよう推奨した。 / 限界: 特定製品、全顔5cc、施術直後の麻酔による白さを比較した試験ではなく、まれな合併症のため根拠の多くは理論、症例経験、専門家合意に基づく。PMC原著全文とPubMed書誌を2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: 著者らは本論文への資金提供なし、内容に関する利益相反なしと申告した。著者全員はCMAC創設理事である。

よくあるご質問

Q. この症例では、どの製剤を何cc使いましたか?

ジュビダームビスタ ボリューマXCを5本、合計5cc使用しました。対象部位は頬、目の下、あご、こめかみです。部位別・左右別の配分は固定せず、正面と両斜位の終了点に合わせます。

Q. 顔の余白感が減るとは、顔が小さくなることですか?

顔の面積や骨格を小さくする意味ではありません。頬の立体感、目の下の影、あごの終点、こめかみとのつながりが整うことで、平坦に見えていた部分がまとまり、余白が少なく見える変化です。

Q. 施術直後の白い部分は問題ありませんか?

この症例写真では麻酔の影響による一時的な白さと注射痕を記録しています。ただし、白い範囲が広がる、強い痛みが増す、暗紫色へ変化する、見え方が変わる場合は直ちにご連絡ください。

Q. ボリューマXC 5ccの料金はいくらですか?

ボリューマXCは1本1cc 77,000円で、5本は385,000円です。カテラン針を使用する場合は11,000円が加わり、合計396,000円です。

Q. 頬・目の下・あご・こめかみへの使用は国内承認されていますか?

ボリューマXCは中顔面・下顎部・こめかみの減少したボリューム増大で国内承認されています。目の下への直接使用は承認範囲外で、眼窩周囲は電子添文の警告対象です。

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