医師解説赤みポテンツァ

にきび跡と赤みが続くときの治療の考え方

5年間にわたり外用・内服、ビタミンA、ピーリング、ダーマペンなどを続けても、頬の赤みと新しいにきびが残った症例です。ポテンツァのマックーム導入3回とWテクスチャーを併用し、3か月で赤みと炎症性皮疹が減りました。残る凹凸は瘢痕型ごとに次の治療を選びます。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2023年8月22日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 5年間続いた赤みと新しいにきびへ、施術と外用を組み合わせました
  2. 斜位と正面で、赤み・炎症性皮疹・凹凸の変化を分けて見ます
  3. 新しいにきびが続く間は、ホームケアも治療の一部にします
  4. 残る凹凸は、アイスピック・ボックスカー・ローリング型で治療を変えます
  5. にきびが減った後に赤みが残る場合は、血管治療を別に考えます
  6. 診療で確認するポイント
  7. 治療選択の比較
  8. 費用の目安
  9. リスク・副作用・注意点
  10. 関連記事
  11. 関連施術・関連症状のご案内
  12. 執筆・監修
  13. 参考にした一次情報・ガイドライン
  14. よくあるご質問

5年間続いた赤みと新しいにきびへ、施術と外用を組み合わせました

この方は5年間、7つ以上の医療機関で、保険診療の外用・内服、ビタミンAの外用・内服、ピーリング、ダーマペン、ハイドラフェイシャルなどを続けていました。正面の治療前では、両頬を中心に広い赤みとにきび跡があり、新しい炎症性のにきびも見られます。

当院では、ポテンツァによるマックーム導入を3回行い、ホームケアに高濃度ビタミンA外用のWテクスチャーを併用しました。3か月後は頬の面状の赤みと炎症性皮疹が減り、肌表面の凹凸も浅く見えます。今後も残る赤みと瘢痕を見ながら治療を継続します。

斜位と正面で、赤み・炎症性皮疹・凹凸の変化を分けて見ます

斜位では、治療前に頬全体へ広がっていた赤みと複数の炎症性皮疹が、3回後には少なくなっています。正面でも赤みの面積と濃さが減り、毛穴と浅い凹凸がなだらかになっています。一方で、小さな赤い跡と陥凹は残っているため、残った所見を分類して次の治療を選びます。

ポテンツァは細い針から真皮へRFを届け、面状の凹凸を再構築しながら薬剤を導入します。マックームはポリD,L-乳酸製剤で、浅い瘢痕が広く分布する頬へ組み合わせました。施術と外用を同じ期間に行った症例なので、3か月後の変化は両者を含む治療経過として評価します。

広い範囲の萎縮性瘢痕へRFマイクロニードリングを選ぶ根拠として、治療後の改善が一貫して報告され、そのうち一つでは80.64%が2段階改善したとの報告がありました(参考文献2)。

ポリD,L-乳酸製剤をポテンツァで導入した経過では、にきび瘢痕のECCAスコアが36.99%改善し、満足度のVASは79.65%改善したとの報告がありました(参考文献3)。

新しいにきびが続く間は、ホームケアも治療の一部にします

新しい丘疹や膿疱が出続けると、赤みと瘢痕が増えるため、凹凸の施術と並行して活動性にきびを減らします。この症例では、皮脂が多く慢性的な炎症が続く頬へWテクスチャーを併用し、乾燥、赤み、皮むけを確認しながら使用頻度を調整しました。

色調は赤みと褐色の色素沈着に分けます。褐色調が主体ならピーリング、ハイドロキノンやトレチノインの外用、シナールやトラネキサム酸の内服を候補にし、血管性の赤みや活動性炎症とは別の経過写真で追います。

新しいにきびを外用で抑える根拠として、にきび診療ガイドラインでは外用レチノイドが強く推奨され、作用の異なる外用療法を組み合わせることが推奨されています(参考文献4)。

残る凹凸は、アイスピック・ボックスカー・ローリング型で治療を変えます

萎縮性にきび瘢痕は、狭く深いアイスピック型、縁が明瞭なボックスカー型、皮下の癒着で緩やかにへこむローリング型に分けます。斜光で深さと縁を見て、指で皮膚を伸ばしたときに凹みが浅くなるかを確認すると、表面の欠損と皮下癒着を分けやすくなります。

広い範囲の浅い凹凸にはポテンツァのRFと薬剤導入を使い、大きめのボックスカー型やローリング型で皮下癒着が強い部位にはサブシジョンを行います。サブシジョン後の再癒着を抑える目的で、ヒアルロン酸を併用することがあります。

コラーゲンブースターは、頬全体や浅い瘢痕にはマックームまたはジュベルックをポテンツァで導入し、深さのある局所瘢痕にはジュベルックの手打ちを組み合わせます。狭く深いアイスピック型や小型ボックスカー型には、TCA CROSSで瘢痕の内側へ限局して作用させます。

にきびが減った後に赤みが残る場合は、血管治療を別に考えます

新しいにきびが減っても赤い跡が残る場合は、凹凸の追加治療より先に、赤みの範囲と圧迫で薄くなるかを確認します。面状の炎症後紅斑や線状の毛細血管が中心なら、589nmを含む血管レーザーを追加候補にします。

赤みの濃さ、活動性にきび、皮脂、凹凸を同じ写真条件で記録し、血管治療を加える前後で赤みだけを評価します。この症例で行った3回の治療に血管レーザーは含まれていません。

残る赤みへ血管レーザーを選ぶ際の見通しとして、最終評価時の改善はレーザー側72%、外用ゲル側69%で群間差はなく、レーザー側は赤みの反応が早かったとの報告がありました(参考文献1)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 正面・斜位で、新しい丘疹や膿疱、面状の赤み、褐色の色素沈着、陥凹を部位ごとに記録し、まず増え続けている病変を止めます。
  • この症例のように活動性にきび、赤み、浅い凹凸が頬へ重なる場合は、RFマイクロニードリングと薬剤導入に、皮脂と炎症を管理する外用を組み合わせます。
  • 3回後は同じ撮影条件で再評価し、残るローリング型の癒着にはサブシジョン、狭く深い瘢痕にはTCA CROSS、赤みには血管治療という順に次の一手を決めます。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
ポテンツァ薬剤導入+マックーム 頬へ広く分布する浅い萎縮性瘢痕、毛穴、活動性にきびと赤みが重なる状態 皮下癒着だけが主因の深いローリング型、狭く深いアイスピック型、感染や強い皮膚炎がある状態 症例は3回。通常は複数回を反応で調整 赤み、腫れ、熱感、点状出血、針跡、乾燥、かさぶた、色素沈着 瘢痕治療・薬剤導入 全顔1回66,000円/3回188,100円、マックーム1回+22,000円 要確認
Wテクスチャー 皮脂と新しいにきびをホームケアでも管理したい状態 強い乾燥、湿疹、炎症がある時期、妊娠中・授乳中・妊娠を希望している場合 自宅で使用。頻度は赤み・乾燥・皮むけに合わせて調整 乾燥、赤み、ヒリつき、皮むけ、刺激性皮膚炎 Wテクスチャーリペア24,640円 要確認
サブシジョン+必要時ヒアルロン酸 皮下癒着を伴うローリング型、大きめのボックスカー型 活動性にきびや感染が強い状態、アイスピック型だけが主な状態 1回ごとに癒着と再陥凹を評価し、必要時に追加 痛み、腫れ、内出血、血腫、硬結、色素沈着、感染 2×2cm 33,000円、こめかみ片側・片頬半分55,000円、片頬88,000円、ヒアルロン酸追加55,000円 要確認
TCA CROSS 狭く深いアイスピック型、小型ボックスカー型 広いローリング型、活動性炎症や傷がある状態、色素沈着が強く出やすい状態 20か所までを1回単位で行い、上皮化と色調を見て追加 白変、赤み、かさぶた、色素沈着、瘢痕の拡大・悪化、感染 20か所まで22,000円 要確認

費用の目安

  • ポテンツァ 瘢痕治療・薬剤導入 全顔1回66,000円/3回188,100円
  • 追加薬剤 マックーム1回22,000円
  • Wテクスチャーリペア24,640円
  • サブシジョン2×2cm 33,000円から
  • TCA CROSS 20か所まで22,000円

症例で行ったポテンツァ・マックーム3回とWテクスチャーの現行料金を院内総合料金表で確認した。症例実施時の支払総額を示すものではない。

リスク・副作用・注意点

  • ポテンツァ:痛み、赤み、腫れ、熱感、点状出血、針跡、乾燥、かさぶた、色素沈着、感染、まれな熱傷
  • マックーム:赤み、腫れ、内出血、しこり、結節、感染、遅発性炎症反応
  • Wテクスチャー:乾燥、赤み、ヒリつき、皮むけ、刺激性皮膚炎
  • サブシジョン・TCA CROSS:痛み、腫れ、内出血、血腫、硬結、色素沈着、感染、神経・血管損傷、瘢痕の拡大・悪化
  • 国内承認・適応: ポテンツァは国内未承認医療機器、マックームは国内未承認医薬品です。医師の責任のもと個人輸入等により使用し、健康被害は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。Wテクスチャーは化粧品で、承認医薬品の外用レチノイドとは区別します。サブシジョンは手術手技、TCA CROSSはにきび瘢痕への国内未承認の使用です。

症例治療と本文で比較する追加治療のリスクを、当院ニキビ・ポテンツァ・ゼオスキンページと確認済み原著へ集約した。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Boonpethkaew S, Anansiripun P, Maitrisathit W, et al. Efficacy and Safety of a Dual-Wavelength 589/1319 nm Laser for the Treatment of Acne Erythema: A Split-Face Randomized Controlled Trial. J Cosmet Dermatol. 2026;25:e70894. doi:10.1111/jocd.70894.

    Efficacy and Safety of a Dual-Wavelength 589/1319 nm Laser for the Treatment of Acne Erythema: A Split-Face Randomized Controlled Trial

    研究デザイン: 顔の左右を589/1319nmレーザー6回とアロエベラゲル18週間へ割り付けた単盲検無作為化比較試験。最終レーザー後8週間まで追跡 / 対象: 両側性のにきび関連紅斑を有する30人を登録し29人が完遂。18〜50歳、Fitzpatrick III〜V型で、27人は女性 / 結果: 最終評価時に1段階以上改善した割合はレーザー側72%、外用ゲル側69%で群間差はなかった。レーザー側はベースラインから2週で有意に改善し、平均疼痛は1.52/10だった。 / 限界: 小規模・単一民族・短期で、活動性にきびの変化が赤み評価へ影響した可能性がある。使用機器はADVATxだが本症例の3回治療には含まれず、ポテンツァとの比較試験でもない。機器はタイ販売代理店から短期貸与され、研究への関与はないと記載。PMC全文を確認した。

  2. Niaz G, Ajeebi Y, Alshamrani HM, et al. Fractional Radiofrequency Microneedling as a Monotherapy in Acne Scar Management: A Systematic Review of Current Evidence. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2025;18:19-29. doi:10.2147/CCID.S502295.

    Fractional Radiofrequency Microneedling as a Monotherapy in Acne Scar Management: A Systematic Review of Current Evidence

    研究デザイン: RFマイクロニードリング単独療法を扱う16研究のシステマティックレビュー。前向き6件、無作為化比較6件、後ろ向き3件、比較研究1件 / 対象: 計481人。英語で公表された15歳以上・10人以上の研究を対象 / 結果: 収載された全研究で萎縮性にきび瘢痕の改善が報告され、1研究では80.64%が2段階改善した。 / 限界: 機器、針深度、回数、評価尺度、追跡期間が不均一でメタ解析は行われず、Fitzpatrick VI型を含まず追跡は最長6か月。単独療法のレビューのため、マックームやWテクスチャーの追加効果、本症例の変化を分離して示さない。PMC全文を確認した。

  3. Hyeong JH, Jung JW, Seo SB, Kim HS, Kim KH. Intradermal Injection of Poly-D,L-Lactic Acid Using Microneedle Fractional Radiofrequency for Acne Scars: An Open-Label Prospective Trial. Dermatol Surg. 2022;48(12):1306-1311. doi:10.1097/DSS.0000000000003627.

    Intradermal Injection of Poly-D,L-Lactic Acid Using Microneedle Fractional Radiofrequency for Acne Scars: An Open-Label Prospective Trial

    研究デザイン: ポテンツァのCP16チップでポリD,L-乳酸製剤を4週ごとに4回導入した単施設・単群前向き試験。2人のみ上腕皮膚を組織評価 / 対象: 治療を完遂した韓国人42人。19〜38歳、Fitzpatrick III型20人・IV型22人 / 結果: 4回後、ECCAスコアは開始時から36.99%、満足度VASは79.65%改善した。赤み4人、色素変化2人は2週間以内に後遺症なく軽快した。 / 限界: 対照群がなく、単施設・若年韓国人・皮膚型III〜IVに限られ、組織評価は上腕2人だけ。研究製剤はJuvelookで本症例のMcCoomとは製剤が異なり、3回治療やWテクスチャー併用の効果を示さない。著者は商業的支援者との重要な利害関係なしと記載。PubMed抄録と原著PDF全文を確認した。

  4. Reynolds RV, Yeung H, Cheng CE, et al. Guidelines of care for the management of acne vulgaris. J Am Acad Dermatol. 2024;90(5):1006.e1-1006.e30. doi:10.1016/j.jaad.2023.12.017.

    Guidelines of care for the management of acne vulgaris

    研究デザイン: American Academy of Dermatologyの作業部会が系統的レビューとGRADEを用いて作成したにきび診療ガイドライン / 対象: 成人、思春期、小児期前の9歳以上を対象とする推奨。単一試験の患者数ではない / 結果: 外用レチノイド、過酸化ベンゾイル、外用抗菌薬、ドキシサイクリンを強く推奨し、異なる作用機序の外用療法を組み合わせることをgood practice statementとした。 / 限界: 米国の診療環境と作成時点のエビデンスに基づく。化粧品のWテクスチャー固有の効果、RF施術との相乗効果、当該症例の経過を示す資料ではない。PubMed抄録を確認した。

よくあるご質問

Q. この症例ではどの治療を何回行いましたか?

ポテンツァによるマックーム導入を3回行い、ホームケアに高濃度ビタミンA外用のWテクスチャーを併用しました。3か月後に頬の赤みと炎症性皮疹が減った経過です。

Q. ポテンツァとWテクスチャーは何を分担しますか?

ポテンツァは針とRFで真皮の凹凸へ働きかけ、マックームを導入します。Wテクスチャーは高濃度レチノール製品としてホームケアに用い、皮脂と新しいにきびを管理します。乾燥や赤みが出たときは使用頻度を調整します。

Q. 残る凹凸にはどの治療を選びますか?

広い浅い凹凸にはRFマイクロニードリング、皮下癒着を伴うローリング型や大きめのボックスカー型にはサブシジョン、狭く深いアイスピック型や小型ボックスカー型にはTCA CROSSを候補にします。

Q. 赤みが残った場合もポテンツァを続けますか?

活動性にきびと凹凸が落ち着き、赤みだけが残る場合は、血管性の赤みを評価して589nmを含む血管レーザーを候補にします。残っている所見に合わせて治療の標的を変えます。

Q. 施術や外用後に早く連絡した方がよい症状はありますか?

強い痛み、広がる腫れ、水疱、膿、発熱、暗紫色や白色の皮膚変化、長く続く強い赤みがあれば早めに連絡してください。外用で強いヒリつき、腫れ、湿疹が出た場合は使用を休止してください。

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