外傷・熱傷
外傷
外傷とは、外力(機械的、物理的、化学的)により生じた組織・臓器の損傷(けが)と定義されています。形成外科では顔面、手足などにおいて、骨、筋肉・腱、神経、血管の外傷を扱っておりますが、当院では日常生活で多く遭遇する、外力により生じた皮膚、軟部組織損傷、いわゆる創傷の治療を行っています。
こけて擦りむいた、包丁で指を切ってしまった、犬に噛まれたなど、想像しやすいかと思います。創傷は受傷の原因、受傷時の創部状態によって分類され、主なものとして以下があげられます。
こけて擦りむいた、包丁で指を切ってしまった、犬に噛まれたなど、想像しやすいかと思います。創傷は受傷の原因、受傷時の創部状態によって分類され、主なものとして以下があげられます。
- 切創(切りきず)
- 擦過傷(すりきず)
- 裂挫創(皮膚が裂けたきず)
- 刺創(刺しきず)
- 咬傷(咬みきず)
怪我くらいで病院は、、、と考えて受診しなかったり、形成外科の認知度が低く来院してもらえないことも少なくない印象です。
ですが、軽く思った怪我であっても、傷跡が残ったり、盛り上がって瘢痕になってしまったり、実は一筋縄で完治しないこともしばしば見受けられるんです。
それらをできるだけ綺麗に治そうとしているのが私たち形成外科です
治療
創をきれいに治すためには、初期治療がとても大切です。受傷した場合はできるだけ早く形成外科を受診することをお勧めします。
当院での治療例です。
- 傷が汚れていれば綺麗に洗浄
- 創部の状況から縫合、軟膏、テープ貼付などなるべく綺麗に治る治療を選択
- 感染の恐れがあれば抗生剤を指示することも
- 数日~1週間で再受診していただきアフターケア
縫合は局所麻酔を使用し、体の部位に合わせてなるべく傷跡が残らないよう糸を選択し丁寧に行います。日にちがたってしまうと縫合できなくなったり、瘢痕ができて追加の手術が必要になる可能性もあります。小さな怪我でも構いませんのでぜひ受傷早期の受診をお願いします。
熱傷
熱傷は日常生活において最も多い外傷の一つです。
高温で起こる場合、低温熱傷、この他、特殊なものとして、薬品による学熱傷、電撃傷などもあります。大人だけでなく、幼児や高齢者の熱傷も気をつけなければなりません。
熱傷は深さによりⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類され、それぞれ症状が異なります。その深さは皮膚のどの部位まで損傷されているかで決定されます。皮膚の薄い子供や老人では損傷レベルは深くなるので注意が必要です。
意外かもしれませんが、浅いやけどは痛みなどの症状が強く、深くなるに従い痛みは少なくなっていきます。
Ⅰ度 | Ⅱ度 | Ⅲ度 | |
損傷レベル | 表皮より浅い | 表皮、真皮 | 皮膚全層, 皮下組織 |
症状 (外見) |
赤み (充血、発赤) |
水泡 (水ぶくれ) |
乾燥 (白色、黒色) |
症状 (自覚) |
痛み、熱感 | 痛みはあるが損傷レベルが深くなると減少 | 無痛、感覚なし |
治癒期間 | 数日 | 1~4週間 | 1カ月以上 |
傷跡 | ほとんど残らない | 残る場合もある | 残る |
治療
受傷したら、直地ちに冷却してください。
これにより熱ダメージが皮膚深部へ広がるのを防ぐだけでなく、受傷部位の痛みをやわらげることができます。
服をで覆われている部位であれば流水を衣服の上から直接流します。20分程度行ってください。水疱(水ぶくれ)がある場合は出来るだけ破らないようにしてください。
応急処置後の治療方法
受傷したら、直地ちに冷却してください。
これにより熱ダメージが皮膚深部へ広がるのを防ぐだけでなく、受傷部位の痛みをやわらげることができます。
服をで覆われている部位であれば流水を衣服の上から直接流します。20分程度行ってください。水疱(水ぶくれ)がある場合は出来るだけ破らないようにしてください。
お子様のやけど
子供の皮膚は大人に比べて薄いため、深いやけどになり易いです。そのためまずは予防が大切です。
以下のような状況には十分注意して、万が一受傷した際には直ちに冷却し、受診をお願いします。
- 熱湯や汁物、コーヒーなどを小児の手の届く範囲に放置しない。
- テーブルクロスなどを使用しない(子供が引っ張る)。
- 炊飯器やポットの蒸気の吹き出し口は子どもが好奇心を示すので注意する。
- 温風ヒーターの吹き出し口に注意する。
- アイロン、ストーブなどの熱源に触れないよう配慮する。
- 電気コードや電源のソケットに注意する。