ルビーレーザーとピコレーザーの違い|シミにはどちらが向く?
ルビーレーザーとピコレーザーの違いは、単純に新旧や性能の上下ではありません。ルビーは主に694nmの波長、ピコレーザーは機種により532nm、755nm、1064nmなどを使い、パルス幅や照射方法も異なります。
日光黒子、そばかす、ADM、太田母斑、肝斑、炎症後色素沈着では、同じ茶色でも治療の考え方が変わります。まず診断し、色素の深さと広がり、肌質、ダウンタイムの許容度から選びます。
Medical Information
この記事について
- 執筆・監修
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 公開日
- 2026年9月23日
- 最終更新日
- 2026年09月24日
画像・症例資料

シミの種類を診断してからレーザーを選びます
境界明瞭な日光黒子、細かなそばかす、頬に左右対称に広がる肝斑、灰褐色に見えるADM、青褐色の太田母斑、炎症後色素沈着は、見た目が似ていても標的の深さと刺激への反応が異なります。
盛り上がり、左右非対称、不規則な色、急な変化がある病変は、美容レーザーを急がず拡大鏡や病理検査を含む診断を優先します。
シミ全体の見分け方は、シミの種類と治療法で詳しく解説します。 シミの種類と治療法
波長・パルス幅・照射方法の違い
ルビーレーザー
694nmはメラニンへ吸収されやすく、酸化ヘモグロビンへの吸収が比較的低い波長です。Qスイッチの短いパルスで色素を狙い、スポット照射またはフラクショナル照射として用います。日光黒子、そばかす、ADM、太田母斑などで候補になります。
ピコレーザー
ピコ秒単位の短いパルスを用い、機種により532nm、755nm、1064nmなどの波長があります。スポット、トーニング、フラクショナルなど照射方法があり、同じ『ピコ』でも対象と熱・衝撃波の配分は異なります。
ルビーの波長特性は、694nmルビーレーザーの適応で詳しく確認できます。 694nmルビーレーザーの適応
シミの種類別に見る選び方
日光黒子
境界が明瞭なシミは、ルビーまたはピコのスポット照射が候補です。色の濃さ、深さ、肌質、過去の炎症後色素沈着を見て、波長と出力を選びます。どちらでもかさぶたや炎症後色素沈着が起こり得ます。
そばかす
細かな色素が多数ある場合、スポットを一つずつ当てるか、フラクショナルや面状の治療を複数回行うかを選びます。再発しやすいため、治療後の遮光も重要です。
ADM・太田母斑
真皮側の色素を標的にする必要があり、Qスイッチルビーや適切な波長のピコレーザーを複数回用いることがあります。診断と照射間隔を優先し、一度に強く治療しません。
肝斑
強いスポット照射で悪化する可能性があるため、外用・内服・遮光を基本に、レーザーを使う場合も低出力の方法を慎重に検討します。ルビーかピコかという機器名だけで決めません。
炎症後色素沈着
原因となる炎症が続いている場合は、まず炎症とバリアを整えます。レーザー追加が刺激となることもあるため、時間経過と外用を含めて判断します。
治療後に色が残った場合は、シミ取り後に色が残る原因を参照してください。 シミ取り後に色が残る原因
肝斑が疑われる場合は、肝斑が治りにくい理由と治療順を確認します。 肝斑が治りにくい理由
スポット照射とフラクショナル照射は目的が違います
スポット照射は境界明瞭な病変を面で狙い、通常は1回後に経過を見ます。フラクショナル照射はレーザーを点状に分散し、多発する薄いシミや色むらを複数回で整えます。
同じルビーやピコでも照射方法が違えば、回数、テープ保護、かさぶた、ダウンタイムが異なります。機器名と照射方法を分けて確認します。
ルビー治療内の使い分けは、スポット照射とルビーフラクショナルの違いで詳しく解説します。 スポット照射とルビーフラクショナルの違い
回数とダウンタイム
スポット照射は1回後にかさぶたと炎症後色素沈着の経過を見て、色素が残る理由を確認してから再照射を考えます。フラクショナルやトーニングは複数回を前提に、前回の赤み、乾燥、色素変化が治まってから次回を行います。
主な反応は赤み、熱感、腫れ、かさぶた、炎症後色素沈着、色素脱失、水疱、熱傷、瘢痕です。ADMや太田母斑は長い治療期間が必要になることがあります。
ルビーとピコを選ぶときの確認項目
診断名、色素の深さと分布、使用する波長、パルス幅、スポットかフラクショナルか、想定回数、テープ保護の有無、炎症後色素沈着歴、機器の承認状況を確認します。
『ピコだからダウンタイムがない』『ルビーなら一度で取れる』とは限りません。病変と照射方法が合っているかを基準に選びます。
よくある質問
ルビーレーザーとピコレーザーはどちらがシミに効きますか?
一律に優劣は決められません。シミの診断、色素の深さ、使用する波長、スポットかフラクショナルか、炎症後色素沈着歴で選びます。
ピコレーザーの方が新しいので優れていますか?
新旧だけで選ぶものではありません。ピコ秒の短いパルスには特徴がありますが、波長と照射方法が病変に合っていることが重要です。
肝斑にはルビーとピコのどちらがよいですか?
肝斑は強い刺激で悪化する可能性があり、機器名だけでは決めません。外用・内服・遮光を基本に、レーザーを使う場合も低出力の方法を慎重に検討します。
スポットとフラクショナルは何が違いますか?
スポットは選んだ病変を面で狙い、フラクショナルは点状の照射を広い範囲へ分散します。対象、回数、ダウンタイムが異なります。
1回で取れなかったらすぐ再照射できますか?
炎症後色素沈着、残存病変、肝斑、再発を分ける必要があります。色調が落ち着く前に追加せず、経過を見て再評価します。
参考にした一次情報・ガイドライン
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